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2014

WKCフォーラム「健康な高齢化のためのイノベーション ~今、どのような研究が進められているか~」

WHO神戸センター(WKC)は、2014年3月5日(水) 神戸にて、公開フォーラム「健康な高齢化のためのイノベーション ~ 今、どのような研究が進められているか ~」を開催します。

世界のほぼすべての国々で、他の年齢層人口にくらべて60歳以上の人口の急速な増加が進んでおり、併せて平均寿命の延伸と出生率の低下がみとめられています。この人口転換の現象は、世界的な保健リスクや疾病に現代社会が対処してきた結果とも捉えられます。高齢者の健康と機能的能力、社会参加、安全を最大限に高めるためには、社会が高齢化する人口に適応することが求められています。

長寿に求められる課題は、よりよい生活の質を保つことのできる健康な高齢化です。この課題に取り組むため、WHO神戸センター(WKC)では、健康な高齢化に貢献するイノベーションを見い出し促進するための新たな研究分野に着手しました。世界的なネットワークを活用することによって、WKC はその研究成果が、世界の、また、地域の健康な高齢化に資することを目指しています。

日本は、高齢者の健康をよりよく保ち向上させるためにふさわしい社会・保健医療システムをとおして、高齢者保健のための新しい制度や技術の開発において世界を牽引してきました。

本フォーラムでは、日本で活躍する3名のイノベーターを迎え、高齢者に優しい薬剤、ロボット工学技術、高齢者の身体的自立能力維持のためのイノベーションをテーマに、健康な高齢化に寄与する優れた研究紹介するとともに、日本が取り組んでいる医療と技術におけるイノベーションについて、今後期待される展望を討議します。

開催日時・場所:

2014年3月5日 (水)14:00~16:00
WHO神戸センター

プログラム:

(言語: 日本語)
14:00–14:10 開会の辞
14:10–15:30 講演
15:30–15:55 討議(オープンディスカッション)
15:55–16:00 閉会の辞

講演者:

(登壇順・敬称略)

「高齢者の薬物治療、健康管理に役立つ身近な技術革新」
横浜薬科大学 臨床薬学科 薬理学研究室 定本清美教授

東邦大学医学部卒。リウマチ学を専攻、医学博士(東邦大学)。専門は、内科リウマチ・膠原病学、臨床薬学。東邦大学、東海大学にて臨床リウマチ学を研究。英国・バーミンガム大学では社会科学修士を取得、リサーチフェローとして関節リウマチの臨床にも従事。英国より帰国の後、東邦大学医学部にて病院管理にも携わる。薬学分野では、東邦大学での研究・教育活動の後、2013年より横浜薬科大学にて現職。東邦大学在籍時に着手した患者の服薬を容易にするためのユニバーサルデザイン包装などの臨床薬学における研究は、関節リウマチ患者や障がい者、高齢者の負担軽減にも関連づけた成果が期待されている。日本リウマチ学会評議委員、包装に関するすべての分野の科学および技術発展をはかる学術団体である日本包装学会の理事を務めるほか、日本内科学会、医療の質・安全学会等会員。現在、客員教授として、東海大学大磯病院のリウマチ外来診療にも携わる。

「豊かな超高齢社会を支えるロボット工学技術イノベーション」
神戸大学大学院 システム情報学研究科 計算ロボティクス研究室 羅志偉教授

中華人民共和国蘇州市出身。華中工学院工業自動化学科卒業。来日後、名古屋大学で工学修士、博士(工学)。豊橋科学技術大学助手、山形大学助教授、理化学研究所フロンティア研究員、同バイオ・ミメティックコントロール研究センター・環境適応ロボット研究チームリーダーを経て現職。2006年、理化学研究所在籍時に開発した人型ロボット「RI-MAN(リーマン)」は、世界で初めて介護動作の一つである「人を抱き上げる」作業を行うことができ、 同年TIME誌のベスト・イノベーションに選ばれるなど世界中から注目された。その後も、リハビリテーション用ロボットやバーチャル・リアリティ技術を用いた高次脳機能評価など、また、環境適応ロボット、知覚・運動統合、ヒューマンインタフェースなど、健康工学、介護支援工学の分野で幅広い研究活動に従事。近年は、シュミレーションなど計算科学の力を駆使して、人と接するロボットのデザイン及びその評価に取り組むなど、新たな研究分野である計算ロボティクスを通じて、介護・福祉などを課題とする高齢社会への寄与を目指している。中国・浙江大学客員教授も務める。 

「健康長寿社会実現のために -高齢者のための地域密着型テクノロジー」
国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 朴 眩泰 運動機能賦活研究室長

東亜大学(大韓民国・釜山)にてスポーツ科学を専攻、修士。 来日後、国立健康・栄養研究所で研究、東京大学で博士号(教育)を取得。東京都健康長寿医療センターを経て現職。専門は、運動生理学、応用老年学。健康増進、行動保健学の領域でも幅広く研究活動に携わりながら、認知症・虚弱予防のための地域づくりに挑戦している。現在室長を務める国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 運動機能賦活研究室では、高齢者の心身の機能評価に関するICTシステムの開発開発、また、高齢者の運動機能の賦活についての調査研究に従事している。とりわけ、高齢者が長期介護が必要な状態に陥ることなく、健康で自立した生活を継続できるよう、「廃用症候群」(日常生活で体を動かさない /身体機能を使わない状態が続き、心身の機能が全体的に低下すること)の予防、ならびに、高齢者の自立した生活実現のための新たなシステムの開発と認知症・運動器機能低下に対する非薬物的療法に精力的に取り組んでいる。 東京都健康長寿医療センター・健康長寿ゲノム探索研究チーム、日本体育大学体育研究所の客員研究員、日本転倒予防学会編集委員も務める。

詳しくはこちら:

フォーラム開催のご案内・参加申し込み方法
参加費無料
事前申し込み締め切り:2014年2月28日 (金)

2013

WKCフォーラムレポート:自殺予防と地域ぐるみのサポート

2012年、日本における自殺死亡の総数は15年ぶりに3万人を下回りましたが、世界的に見ても日本の自殺死亡は非常に多く、その数は日本における交通事故死の約6倍です。自殺には社会的・個人的要因が複雑に関係しますが、予防できる事を知ることが大切であり、予防には地域ぐるみでのサポート体制の構築が不可欠です。



WHO神戸センターは、2013年12月19日 神戸にて、公開フォーラム「自殺予防と地域ぐるみのサポート」を開催しました。フォーラムには一般市民、地方自治体関係者、医療従事者など40人余りが参加。自殺の現状や予防策について議論がなされました。

瀬戸屋雄太郎(WHOジュネーブ本部精神保健・薬物乱用部テクニカル・オフィサー)からは、自殺対策の世界的傾向と WHO「mhGAP介入ガイドライン」について報告がありました。自殺対策については世界中で関心が高まっており、2013年にはWHO総会において2020年までにWHO加盟各国の自殺率を10%減少することが合意され、2014年にはWHOとして初めての自殺に関するレポート「世界自殺レポート」が発表されます。自殺予防先進国である日本からの期待が高まっていることが報告されました。

竹島正先生(国立精神・神経医療研究センター・自殺予防総合対策センター長)からは、医師であり自殺対策の専門家である立場から、日本の自殺総合対策の基本的考え方や、セルフスティグマ(自らの固定観念や偏見)を克服するためのプロセスの重要性とそれを可能にする社会づくりについて発表がありました。高齢者の自殺率は減少しているものの若年者は増加していること、自傷または自殺未遂暦がもっとも大きな自殺危険因子であることが統計的に示されました。自殺予防とは自由を回復する支援であり、自殺者数の減少にはそのプロセスと多くの関係者による包括的な生きる支援が重要であることが指摘されました。



林康夫氏(兵庫県健康福祉部障害福祉局いのち対策室・室長)からは、行政担当者の立場から、兵庫県における自殺予防の取り組みについて発表がありました。兵庫県では、近年50歳代および60歳以上の自殺率は減少しているものの、20歳代そして40歳代の自殺率が増加している現状が報告されました。また、兵庫県自殺対策推進方策に基づき、年齢階層ごとの課題に応じた対策の展開、地域における気づき・見守り体制、そして遺された人への支援など「だれもが自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向け兵庫県が実施している取り組みについて報告がありました。



正岡茂明氏(社会福祉法人 神戸いのちの電話・事務局長)からは、実際に命を絶とうとする人と向き合う民間団体の立場から、「いのちの電話」の活動報告に加え、神戸市における自殺予防の取り組みについての発表がありました。電話での相談の中で、自殺をほのめかす人や未遂暦がある人の割合が増えており、「いのちの電話」にかかってくる電話の件数は2010年ごろから横ばいであり減少していないこと、そして相談員の不足や育成の難しさ、守秘義務を守る一方民間団体でもあり財源の確保が課題である現状が報告されました。

パネルディスカッションや質疑応答では、「神戸G-Pネット」(かかりつけ医(一般医:G)と精神科医(専門医:P)との連携により自殺者数減少に寄与する包括的医療体制)など、具体的な地域での自殺予防・対応策についての活発な議論が行われました。議論を通じ、自殺という自ら命を絶とうとする事実に対する理解を深めていく必要性、自殺未遂暦はもっとも大きな危険因子であること、そして自殺者数の減少のためには医療関係者や警察の連携だけでなく、社会全体の様々なレベルでの連携あることが認識されました。

 

関連リンク

WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーションレポート

WHO神戸センターは2013年12月10日~12日、兵庫県神戸市において「WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーション」を開催しました。



急速に増加する高齢者人口が、できる限り長く、健康で、生産的かつ独立性を保った生活を送るためには、最も必要とされているニーズを特定し、安全で効率的、かつ価格も手ごろで誰もがどの国や社会においても享受でき、利用者にとっても受け入れ可能なイノベーションが必要とされています。

今回のフォーラムでは、政策立案者、研究者、医療・介護ケア従事者、関連産業など幅広い関係者の参加により、健康的な高齢化を実現するために必要な技術的・社会的イノベーションについて活発な議論が展開されました。



出席者は21カ国から172人にのぼり、政府代表者(中国、香港、日本、マレーシア、シンガポール、タイ)、保健医療分野の民間セクター、非営利組織、研究所、学術機関、そして、OECDや世界銀行といった国際機関からの参加者が一堂に会する機会となりました。



本フォーラムの成果は、WHOならびにWHO神戸センターがこの分野で取り組むべき課題について、また、高齢者のための社会的・技術的イノベーションに関連する今後の国際的な公衆衛生の政策方針を明確にするために活用されます。
 

「WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーション」 レポート

WHOグローバルフォーラムでは、幅広い議論が展開されました。討議内容は高齢者のための技術的・社会的イノベーションに関する研究、主な実践例、成功事例からの知見、また、イノベーションの向上についての発表、WHOとそのパートナーが高齢者のためのイノベーションを支援する上での主要な優先課題の特定などです。本レポートは、グローバルフォーラムでのプレゼンテーション、討議、そして、結論をまとめたものです。

 



 

 

募集要項:都市の健康観測所(Urban Health Observatory)に関するガイドの作成

WHO神戸センター(WKC)は都市の健康観測所(Urban Health Observatory)に関するガイドの作成について、提案を公募します。このトピックに関するこれまでの研究成果および2012年に行なわれた専門家協議会の結果を踏まえ、WKCとの共同作業により、都市の健康観測所の設立、運営、維持に関するガイドを作成できる専門家(あるいは専門家チーム)を募集しています。詳細は募集要項(英語版のみ)をご覧下さい。募集締め切りは2013年11月10日です。

詳しくはこちら - 英語版

第3回「環境未来都市」構想推進国際フォーラム

2013年10月19日、福岡県北九州市にて第3回「環境未来都市」構想推進国際フォーラムが開催されました。内閣官房・内閣府が主催した本フォーラムでは、「環境、社会、経済の融合による新しい価値の創出」をテーマに協議が展開されました。

WHO神戸センターは内閣府よりの招待を受けてフォーラムに出席し、「自立的発展に向けた参加型ガバナンスの評価システム」についてのセッションにてプレゼンテーションを行い、米州開発銀行、マレーシア 厚生・住宅・地方政府省、慶応義塾大学からの専門家とともにパネルディスカッションに参加しました。

詳しくは、「環境未来都市」構想のウェブサイトをご参照ください。

WKCのプレゼンテーションはこちら(英語版)

アジア地域における高齢者向け技術的イノベーションの促進

国際高齢者デー(10月1日)にあたり、WHO神戸センターは高齢者が私たちの社会に対して重要な貢献を果たしていることを再確認すると共に、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の「高齢者の全面的な社会参加を阻む障壁を除去し、その権利と尊厳を守ることを誓おう」という各国と人々への呼びかけに賛同します。日本、そして世界各地で進む急激な高齢化に対し、各国そして地域社会は協働し、世界で増え続ける高齢者のニーズと課題に取り組んでいく必要があります。

2050年までに、先進国では高齢者人口が子どもの2倍に達する一方で、開発途上国でも高齢者の数が倍増すると見られています。この動向は各国にも、各個人にも大きな影響を及ぼすことになります。高齢化は大きな機会であると同時に、課題でもあるという認識が広がっています。

今年の国際高齢者デーに寄せた国連事務総長メッセージにも述べられているように、機会としては、高齢者が社会に多く貢献することによる利益があげられます。一方、課題となるのは、今からこの理解に基づき、社会的な包摂と世代間の連帯を促す政策を採用することです。この課題に取り組むためには、人生の更なる質の向上、健康状態の改善、そして高齢者の自立性と生産性を支援するための技術的イノベーションや創造的アプローチが必要です。

WHO神戸センターは、高齢者人口を支えるための更なる技術的社会的イノベーションの促進を支援しています。2013年2月、WHO神戸センターでは、政府や学術機関、産業界そして市民社会の代表者とともに、「アジア地域における高齢者向け技術的イノベーション促進のための専門者会議」を開催しました。この会議では、医療・介護機材に関するフルーガル・イノベーションの発展を促し、それらの機材が増える高齢者人口にとって公平に安価で手に入るように、政府や産業界、学術機関や市民社会を巻き込んだ包括的なアプローチの必要性が指摘されました(会議報告書に結論としてハイライトされています)。

第2回エイジ・フレンドリー・シティー(高齢者にやさしい都市)指標開発に関するWHO専門家会議

WHO健康開発総合研究センター(WKC)は、2013年9月8日にカナダのケベック市にて第2回エイジ・フレンドリー・シティー(高齢者にやさしい都市)指標開発に関するWHO専門家会議を開催しました。この会議は、WKCが2012年より開始した、エイジ・フレンドリー・シティーのモニタリングに関する新たな指針の開発プロジェクトの一環です。会議の目的は、エイジ・フレンドリー・シティーのモニタリング枠組みとコア指標の開発経過と今後の進め方について専門家の意見を得ることでした。この会議は、第2回エイジ・フレンドリー・シティー国際会議(2013年9月9-11日、カナダ・ケベック市)の事前会議として開催されました。

本会議には、14名の国際的な専門家と、WHO管轄の全6地域のうちの5地域を代表するWHO専門官7名が出席しました。会議の主な資料として、モニタリング枠組みの草案と、コア指標に関する予備調査の中間結果報告が提供されました。この予備調査には、中間集計の時点で7カ国から20都市が参加し、事前のコンサルテーション等を通じて選ばれた61のコア指標候補についてそれぞれ評価を行ないました。その後、各都市の保健医療担当者やその他の代表者により実施された各指標の評価結果に基づいて指標のランキングが行なわれ、上位に位置づけられた指標に絞り込んだリストが作成されました。今回の会議では、それらの指標とそれぞれの定義、そしてモニタリング枠組みの草案について、グループ・ワークを交えながら、具体的な提案を求めました。

会議の結果、モニタリング枠組みの構造とデザイン面での改善、コア指標のさらなる絞り込み、さらにはこの枠組みとコア指標の実用化を支援するツールの開発が提案されました。WKCは、今後も各関連分野の専門家やWHO加盟国の各自治体の保健医療担当者やその他の代表者とのコンサルテーションを引き続き重ねて行く予定です。

今後のコンサルテーションへ参加ご希望の方は、WHO神戸センターへご連絡ください。

「健康の社会的決定要因(SDH)」に関するWHO主要文書の邦訳

日本の研究者グループによって、SDHに関する主要な国際文書が邦訳されました。今回邦訳された文書には、WHOが著作権を所有する以下の文書が含まれています。

  • Executive summary of the Final Report of the WHO Commission on Social Determinants of Health:WHO健康の社会的決定要因に関する委員会最終報告書 要旨
  • World Health Assembly resolution on reducing health inequities through action on the social determinants of health (WHA62.14):WHA62.14健康の社会的決定要因に取り組む 活動を 通じた健康 の不公平性 の低減
  • Summary report of the World Conference on Social Determinants of Health (Rio de Janeiro, Brazil, 19-21 October, 2011):健康の社会的決定要因に関する世界会議 (リオデジャネイロ、ブラジル、2011年10月19~21日)概略報告書
  • World Health Assembly resolution on the outcome of the World Conference on Social Determinants of Health (WHA65.8):WHA65.8 健康の社会的決定要因に関する世界会議の成果
  • Adelaide Statement on Health in All Policies:全ての政策において健康を考慮することに関するアデレード声明

これらに加え、WHO報告書『公正、社会的決定要因と公衆衛生プログラム(Equity, social determinants and public health programmes)』(E. Blas 、A.S. Kurup共編)からも、いくつかの章の翻訳が進められています。

これらの邦訳により、多くの日本の行政関係者や研究者にとって、SDHに関する重要な国際文書が読みやすくなりました。また「健康日本21(第2次)」で目標に掲げられた、健康格差の縮小の達成に向けた、国内の様々な取り組みにも寄与することが期待されます。当該翻訳は、尾島俊之教授(浜松医科大学)ならびに近藤克則教授(日本福祉大学)を中心とした、厚生労働科学研究(地球規模保健課題推進研究事業)健康の社会的決定要因に関する研究班により行なわれました。WHO神戸センターは、この研究班に所属する複数の研究者と、とくに高齢者の健康と健康評価の分野において研究協力を行っています。文書の翻訳に当たっては、WHOが正式に翻訳を許可し、WHO神戸センターにおいて翻訳チェックが行なわれました。

関連リンク

厚生労働科学研究 社会的決定要因に関する研究班

第10回アジア太平洋タバコ対策会議にてワークショップを開催

第10回アジア太平洋タバコ対策会議(APACT)が、「タバコのない社会をめざして– 健全な命を守るために – 」と題し、2013年8月18日~21日、千葉県で開催されました。42カ国から785人が参加、現在のたばこ対策、および、非感染性疾患に関連する問題について協議しました。

会期中、WHO神戸センターは、本部ならびに西太平洋地域事務局とともに、8月18日にプレカンファレンス・ワークショップを開催しました。自治体の当局者や市民団体、保健医療従事者を対象に、受動喫煙の危険から市民を守るための包括的な地方条例の制定などを手段とし、禁煙都市を目指すための方策について研修を行いました。

ポスター・プレゼンテーションの機会も与えられ、WHO神戸センターが先頃実施した神戸薬科大学ならびに産業医科大学との共同研究の成果を3つのテーマに沿って発表しました。

詳しくは:イベント・レポート - 英語版

アーバン・ハート(Urban HEART)の経過報告に関するアフリカ多国間会議

WHOアフリカ地域事務局とWHOウガンダ事務局は、WHO神戸センターの協力のもと、アーバン・ハート(Urban HEART)の経過報告に関するアフリカ多国間会議をウガンダのエンテベ市にて7月17~19日に開催しました。WHO神戸センターは、アーバン・ハートのグローバルな実施状況について報告をするとともに、会議に参加した各国や都市の関係者に対して、異なる状況に適したアーバン・ハートの実施を進めるための指導を行ないました。

会議にはアフリカ8カ国(アルジェリア、ブルンジ、コンゴ共和国、エチオピア、ガボン、ケニア、マリ、ウガンダ)の代表者が出席し、都市部の保健医療への取り組みについてそれぞれ発表しました。コンゴ共和国、ケニア、ウガンダは、現在アーバン・ハートを実践していて、他の国もその準備に取り掛かっています。