2016

WHO's Year in Review for 2016

2016年、WHOの世界各地での活動を振り返ります。
ジカ熱や黄熱のような感染症、人道危機への対応、薬剤耐性(AMR)対策、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に向けた取り組み、がんや糖尿病などの非感染性疾患(NCD)対策など、2016年のWHOを振り返ります。

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Dr Halfdan T. Mahler元WHO事務局長死去—プライマリ・ヘルス・ケア分野に大きな功績を残す

WHO第3代事務局長(1973-1988)のDr Halfdan T. Mahlerが12月14日、逝去されました。享年93歳。

Dr Mahlerは1978年のアルマ・アタ宣言 (Declaration of Alma-Ata)策定において力強いリーダーシップを発揮され、アルマ・アタ宣言のもと「Health for All by the Year 2000(2000年までにすべての人々に健康を)」が目標として定められました。 1988年にWHOを退職後も、プライマリ・ヘルス・ケア分野の発展を支え続けられたDr Mahlerの功績は高く評価されています。ここに心よりご冥福をお祈りいたします。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)デー2016

UHCは世界中どこであっても、誰もが負担可能な費用で基礎的な保健サービスを利用できる体制を意味します。12月12日はUHCデーです。誰一人も取り残すことなく、人々が裕福かどうかに関わらず、人々が必要なときに受けることができる保健システムとそれを支える保健政策のために適切な投資を行うようにWHOは各国のリーダーに求めます。

世界薬剤耐性(AMR)啓発週間

今週(11月14日から20日)はWorld Antibiotic Awareness Week(世界薬剤耐性(AMR)啓発週間)です。世界が直面する薬剤耐性(AMR)の脅威について知りましょう。抗生剤などの抗微生物薬を服用するときには、適切な薬剤を必要な場合にのみ、適切な量・期間使用することが重要です。世界中で一般市民をはじめ、医療関係者、政策立案者、農業部門が協調して取り組み、薬剤耐性(AMR)の出現と広がりを最小限にするための努力することが必要です。

WHO本部サイトから

地域で高齢者を支える社会イノベーションに関する研究

WHO神戸センターは「健康な高齢化を支える地域レベルの社会イノベーションに関する研究(Community-based social innovations for healthy ageing (CBSI) )」を開始します。

世界規模で高齢化が進行する中、高齢社会に対応する統合的な保健・社会サービスの整備は急務であり、特に地域レベルでの整備の重要性が指摘されています。本研究では、高齢者の暮らしや健康を改善するため、現在、世界各地で実施されている地域レベルでのケアやサポートサービスの中から先進的なモデルを検討していきます。本研究はRAND Europe社(英国・ケンブリッジ)との共同研究として実施されます。

本研究では、a)地域で高齢者自身が積極的に関わる保健・社会サービスの先進事例、b)高齢者の自律性を高め、健康とQOL(生活の質)を可能な限り長く維持するための介入策、c)既存の保健システムとの融合性、協調性について調査を実施します。

具体的には、世界約10カ国(中所得国)における事例研究と文献システマティック・レビューを実施し、それぞれの事業がどのように実施されているのか、どのように行政や民間の他の保健・社会サービスと連携しているのか、参加している高齢者にとってどのような恩恵があるかを調査します。

「この研究は、今年9月に開催されたG7神戸保健大臣会合で採択された神戸宣言の方向性に合致したもので、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現にも寄与することが期待されます。本研究の結果は『健康な高齢化を支える地域レベルの社会イノベーション』の類型として、各国政府や地方政府に対する政策オプションとして提供していく予定です。本研究はWHO神戸センターの新研究戦略においても重要で、昨年WHOから発表された『高齢化と健康に関するワールド・レポート』の内容に照らしても意義深いと考えます」とアレックス・ロスWHO神戸センター所長は話します。

ついては、RAND Europeは「健康な高齢化を支える地域レベルの社会イノベーションに関する研究」の対象となる事例を公募します。詳細は 関心表明 (Expression of Interest – EOI) をご覧ください。

関連リンク:

WHO国際統計分類第 11 版(ICD-11)改訂にむけて

今年10月、疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, or ICD-11(国際統計分類))第 11 版改訂会議「ICD-11 改訂会議:保健医療情報の新時代」とWHO国際統計分類(WHO Family of International Classifications(WHO-FIC)) ネットワーク年次会議(2016)が東京で開催されました。

「ICD-11 改訂会議:保健医療情報の新時代」で、アレックス・ロスWHO神戸センター所長が講演し、高齢者の機能・健康状態を総合的にモニターしていくためには国際生活機能分類や国際統計分類、その他の指標をうまく統合して使用していくことの重要性を訴えました。

マーガレット・チャンWHO事務局長は「医療、疫学、公衆衛生の各分野に最先端の統計ツールを提供することは、歴史的にも意義深く、大きなチャンスです。詳細で、正確で比較検討に適したデータは何をするにも基礎となるからです」と開会の辞を述べました。

国際統計分類(ICD)の重要性

国際統計分類(ICD)は100年の歴史を持つ疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するための統計分類で、アルファベットと数字を用いたコードで表され、人口動態統計や健康情報の管理に使用されています。第 11 版では、正確で比較検討に適した高品質のデータの収集、SDGで設定された死因別の目標、指標の達成状況の検討が可能で、健康データの電子化や統計学的な用途(医師や検死官が使用する医療用語の統合)にも対応し、疫学・健康管理の国際的な医療診断分類(自治体や保険会社からの保険償還を含む)として役立つよう検討されています。

これまでは、高齢者や障がい者の機能をモニターする分類や指標が不足しており、 国際生活機能分類も限定的な使用にとどめられていました。また、多くの国において、種類が多い指標や基準を十分に使いこなせていないという懸念がありました。

WHO神戸センター所長は講演の中で、特に機能面について評価する上で、さまざまな指標や基準を調整して活用するための提言を行いました。今後、 国際統計分類第 11 版はWHOの担当部門(Department of Information, Evidence and Research)が中心となって取りまとめられます。WHO神戸センターはWHO各部門と連携しながら、高齢化やUHC、エイジ・フレンドリー・イニシアティブなどに関する指標について助言を行っていきます。

YouTube: 国際疾病分類 (ICD)

関連リンク:

国際高齢者デー(10月1日)

10月1日は国連が設ける「国際高齢者デー」です。 WHOは他の国連機関やWHO加盟国、NGOと協力し「人口高齢化」と高齢化がもたらす「機会」について、世界中の多くの皆さんに今一度考えてもらうように働きかけています。また、長寿がもたらす貴重な「機会」を十分に生かす社会を作っていくために、国際社会が協調しながら政策を改革していく必要性を訴えています。

2016年の「国際高齢者デー」のテーマは“エイジズム(年齢差別)に立ち向かおう”です。年齢差別とは年齢を理由に高齢者に対して否定的なステレオタイプや、差別、偏見を持つことです。年齢差別はいまや深刻な社会問題のひとつで、人々からさまざまな機会を奪い、場合によっては寿命を縮めることさえあるのです。2016年の第69回WHO総会で採択された「高齢化と健康のためのグローバル戦略・行動計画」ではWHOが多くのパートナーと協力して年齢差別に立ち向かうためのグローバル・キャンペーンを実施することが求められています。

「ひょうご・こうべ保健医療ハイスクールサミット宣言」

G7神戸保健大臣会合を直前に控え、8月21日に開催された「ひょうご・こうべ保健医療ハイスクールサミット」では、兵庫県下の高校生を中心に約400人が参加し、6校代表によるプレゼンテーション、54題のポスターセッション、専門家とのパネルディスカッション、ブース展示などのプログラムを通じて、「国際保健分野で高校生がどのような貢献ができるのか」を考えました。(当日の模様は画面右側からG7神戸保健大臣会合推進協議会サイトの動画をご覧ください)

その後、さらに議論を重ねられて採択された「ひょうご・こうべ保健医療ハイスクールサミット宣言」は9月10日、G7神戸保健大臣会合公式サイドイベント「UHC、イノベーション、高齢化:持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向けた革新的なイノベーションを創出する研究とは」の場でマーガレット・チャンWHO事務局長に手渡されました。

抜粋

私たちは世界に影響を与えるために集まりました。現在、世界には食育・セルフケア・薬剤耐性菌、下痢性疾患等感染症関連の問題・母子保健・高齢社会など様々な国際保健に関する問題があります。今まで、世界は様々な国際保健問題について議論し、対策を見つけてきました。私たち高校生は若さを活かして、大人たちの考えることのできない大胆かつ創造的な対策を見出し、提案することができます。また、これらの国際保健問題に直面する私たちだからこそ、未来への危機感を持つことができ、真剣に取り組むことができます。実際、私たちは高校生として今まで探究活動を通してこれらの問題に関わってきました。そうした活動を通して世界の人々、特に同世代の人々にこれらの問題を伝えるためにこの宣言を発表します。

そして私たちには人々を救うために今できることがあります。まずは小さなことから。このサミットで感じたことを家族や友人に共有する、また、SNSを利用して世界の人々へ共有する、地域社会に出て行って交流する、など。私たちのそうした小さな行動こそが世界中の人々に大きな影響を与える第一歩になると信じています。このサミットを通し、私たちが次世代の担い手であると自覚し、小さいけれども確かな積み重ねによって、多くの人々が国際保健問題に関心を持ってくれるよう、私たちはこれからも多くを学び、努力を重ねていくことをここに宣言します。

ビデオへのリンク

 

WKC: 持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向けた 革新的なイノベーションを創出する研究とは

WHO神戸センターと厚生労働省は共催でG7神戸保健大臣会合公式サイドイベント「UHC、イノベーション、高齢化:持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向けた革新的なイノベーションを創出する研究とは」を開催します。

いよいよ9月11日、12日には神戸市内でG7神戸保健大臣会合が開催され、保健分野における国際的な課題についてG7各国の保健担当大臣、EU(欧州連合)、WHOや世界銀行などの国際機関代表が議論します。そして主要議題のひとつが、高齢社会に対応する保健システム、そしてUHCの実現です。

本イベントでは、WHO神戸センターの新長期研究戦略に沿って、UHCと高齢社会に焦点を当てた研究を紹介。世界各国の専門家による発表や、参加者による議論が予定されています。テーマは多岐にわたり、政策や行政プログラムのイノベーション、コミュニティ・ベースのケアシステム、統合型の健康保険・介護保険システム、技術イノベーション、高齢者や認知症にやさしい施策の評価などです。日本の教訓の世界への発信、高齢化の進行に伴い増加する認知症への対応やどのように研究を拡大していくかが議論されます。

基調講演では「アジア健康構想」をテーマに武見 敬三参議院議員がご講演、厚生労働省による認知症をテーマとしたパネルディスカッションも予定されています。

そして、WHO神戸センターの支援を行う神戸グループ(兵庫県・神戸市・神戸商工会議所・株式会社神戸製鋼所)の支援延長、第三期始動の記念式典や、8月21日に開催されたひょうご・こうべ保健医療ハイスクールサミットの宣言文のマーガレット・チャンWHO事務局長への進呈式が続きます。

G7神戸保健大臣会合公式サイドイベント
持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向けた
革新的なイノベーションを創出する研究とは

日時:2016年9月10日(土) 9:00-16:30(開場8:30)
会場:兵庫県公館 
(〒650-8567 兵庫県神戸市中央区下山手通4−4−1)
対象:招待者のみ約150人(一般の参加は不可)
言語:英語・日本語(同時通訳あり)
主催:WHO神戸センター、厚生労働省

プログラム

WHO神戸センターと神戸大学、認知症の早期発見・早期介入をめざす 「神戸モデル」構築に向けた共同研究を開始

WHO神戸センターと神戸大学は、認知症の早期発見・早期介入をめざす統合的な「神戸モデル」構築に向けた3年間の共同研究「認知症の社会負担軽減に向けた神戸プロジェクト」を開始する運びとなりました。

認知症は世界規模で急速に増加しています。日本の認知症患者数は450万人以上で、軽度認知障害を含めると、800万人以上が認知機能の障害を抱えていると報告されています(2012年、厚生労働省)。また、その数は高齢化の進行に伴い、今後さらに増加すると見込まれています。 そして、少しでも認知機能の低下、認知症の重症化を遅らせるために、早期発見、早期介入の重要性が注目されています。

本研究では、WHO神戸センターと神戸大学が中心となる共同研究チームが、神戸市の協力のもと、神戸市民を対象としたスクリーニング調査とコミュニティにおける認知症啓発プログラムを通じて、認知症の早期発見、早期治療の実現をめざします。

WHO神戸センターのアレックス・ロス所長は「この研究の目的は認知症の患者さんとそのご家族の社会的負担を削減するためのシステム構築です。さらに、地元のみならず世界の認知症対策へエビデンスを提供し、今後のコミュニティベース・ケアへの布石となることを期待します」と述べ、本研究の代表者である神戸大学医学部附属病院臨床研究推進センター 永井洋士特命教授は「神戸地域では、これまでも認知症や高齢者対策に関する先進的な研究・事業が多く実施されてきました。本研究を通じて、未だ抜本的な治療法のない認知症の進行を遅らせ、また、認知症になってもできるだけ自立した生活を続けられる社会が実現することを期待しています」と語っています。

(WHO神戸センターが9月10日に開催するG7神戸保健大臣会合公式サイドイベント「UHC、イノベーション、高齢化:持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向けた革新的なイノベーションを創出する研究とは(於、兵庫県公館(神戸市中央区))」で本研究概要が発表されます)

<研究チーム> 

  • リサーチ主導施設:神戸大学 
  • 永井洋士 神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター 特命教授
  • 小島伸介 公益財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター 医療開発部
  • 前田潔  神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 教授
  • 茅野龍馬 WHO健康開発総合研究センター テクニカルオフィサー

関連リンク

WHO Headquarter - Media centre - 英語版

WHO Headquarter - Mental health - 英語版

神戸大学

神戸大学医学部附属病院 

臨床研究情報センター

神戸学院大学

 

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