2018

WHO神戸センター新研究発表会開催のお知らせ

4月7日は世界保健デー(World Health Day)です。
WHOでは毎年、この日に健康に関するテーマを選び、世界各地で啓発を行っています。
今年のテーマはユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)です。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは世界中の誰もが、必要な時、 必要な場所で経済的に困窮せずに必要な保健医療サービスを受けられることを意味します。世界中の誰もが、生活のために健康を犠牲にするようなことがあってはならないのです。

WHO神戸センターではユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を目指して、革新的なソリューションを研究し、高齢社会に対応する政策研究を推し進めています。

このたび、WHO神戸センターは神戸市と共催で、世界保健デー記念・神戸医療産業都市20周年記念「はっと! ! KOBE 健康フェア」をHAT神戸のWHO神戸センターとJICA関西にて下記のとおり開催します。

WHO神戸センター会場ではWHO神戸センターの新研究を紹介する研究発表会を開催。また、WHO神戸センターツアー(説明会)を実施します。
JICA関西会場では、五輪メダリストの朝原宣治氏を招いた講演会「挑戦を続ける人にチャンスがある~オリンピックをとおして学んだこと~」(要予約)などが開催されます。詳しくは神戸市の発表をご覧ください。

(世界保健デー(4月7日)は世界保健機関 (WHO) が設立された 1948 年 4 月 7 日を記念して設けられました)

世界保健デー・神戸医療産業都市20周年記念
はっと!! KOBE 健康フェア

日時: 2018年4月7日(土) 10: 00-16: 00(一部17時まで)
会場: WHO神戸センター、ならびにJICA関西
(WHO神戸センター会場: 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-1 I.H.D.センタービル9階)
(JICA関西会場: 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)
参加費: 無料

Programme:

WHO神戸センター会場

10:00-12:00
WHO神戸センター新研究発表会
「寝たきりにならないために入院中の過ごし方を科学する」
和歌山県立医科大学 リハビリテーション医学講座 田島 文博 教授

「高齢社会におけるアシスティブテクノロジーの研究と展望」
大阪医科大学 総合医学講座リハビリテーション医学教室 佐浦 隆一 教授

「高齢者のリハビリ効果の測定」
奈良県立医科大学リハビリテーション科診療部長 城戸 顕 教授

「認知症の社会負担軽減に向けた神戸プロジェクト」
神戸大学医学部附属病院臨床研究推進センター 永井 洋士 教授

「災害後の人々の健康維持・回復に向けたケア戦略の開発」
兵庫県立大学地域ケア開発研究所 山本 あい子 教授

12:30-12:50
第1回WHO神戸センターツアー(説明会)

15:00-15:20
第2回WHO神戸センターツアー(説明会)

※プログラムは一部変更になる可能性があります。

WHO神戸センター研究発表会は申し込み不要、WHO神戸センターツアーは当日JICA関西1階にて申し込みを受け付けます(定員25名(各回))、いずれも無料。

世界保健デー・神戸医療産業都市20周年記念
はっと!! KOBE 健康フェアご案内
pdf, 2.31Mb

WHO神戸センター新研究: 日本の知見を世界に向けて発信

―高齢化とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関する研究

高齢化は世界規模で進行し、いまや「健康に長生き」が可能な時代となりました。世界のほとんどの国の平均寿命は60歳を超え、60歳以上人口は2015年の9億人から2050年には20億人に倍増すると予想されています。

高齢先進国の日本には各国に先んじて高齢化対策に取り組み、健康な高齢化を推し進めてきた教訓が豊富に蓄積されています。世界各国が急激な人口動態の変化に対応し保健システムを見直すという大きな課題に直面する中、日本の教訓をもっと生かすことができるのではないでしょうか。

そこで、WHO神戸センターは2017年、日本の研究機関を対象に高齢化が進む世界のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進に寄与する日本の知見を研究公募しました。
厳正な審査を行った結果、以下の5つの研究が選ばれ、この度すべての研究が開始する運びとなりました。

WHO神戸センターのサラ・ルイーズ・バーバー所長は「今回の研究の目的は政策・技術面で日本に蓄積されている貴重な教訓を論文化し評価していくことです。世界各国が日本と同じような課題に直面する中で日本の知見が活用されれば嬉しいです」と語っています。

なお、和歌山県立医科大学 リハビリテーション医学講座 田島 文博 教授と兵庫県立大学 地域ケア開発研究所 広域ケア実践研究部門 山本 あい子 教授は4月7日にWHO神戸センターで開催するWHO神戸センター新研究発表会に参加されます。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

WHO神戸センター新研究: 日本の知見を世界に向けて発信

(研究者氏名によるアルファベット順)

日本の長寿者に学ぶ支援機器の利活用

主導研究者: 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 二瓶 美里 講師

研究概要: 支援機器(Assistive products)は高齢者が自宅や地域社会で快適に暮らし、社会の一員として活力のある生活を維持し、さまざまな障害をクリアするために欠かせない存在となっています。そして、高齢者の支援機器利用やサービスに関する経験値が超高齢社会の日本には豊富に蓄積されています。本プロジェクトでは、日本の90歳以上の長寿者が実際にどのような支援機器を使用し、日常生活に活用しているのか実態を調査します。調査結果は国内のみならず世界の福祉・サービス提供における支援機器利用計画に活用されることが期待されます。

高齢者の生活の質を高めるための新しい支援テクノロジーの開発

主導研究者: 和歌山県立医科大学 リハビリテーション医学講座 田島 文博 教授

研究概要: 高齢者にとって身体機能を維持・向上し、日常生活動作(ADL)と生活の質(QOL)を維持することは極めて重要です。本研究は関西地域の5大学による共同プロジェクトで、新しく開発された支援テクノロジーを用いて、a) 入院中の高齢者の機能維持のための活動量評価、b) 転倒リスクの高い姿勢や活動の同定、c) 効果的なリハビリテーション実施のための活動度設定の基礎データ作成を行い、高齢者のADLとQOLの維持・向上のための戦略立案を目指します。

超高齢社会日本のUHC持続に向けた効率的な医療提供とは~大規模ヘルスデータの二次分析~

主導研究者: 産業医科大学 公衆衛生学教室 冨岡 慎一 助教

研究概要: 超高齢社会の日本における一次・二次レベルの医療について、より効率的、公平かつ費用対効果の高い医療を提供するためのエビデンス構築を目指して、 外来、 在宅、 災害時、 急性期病院の4領域に分けた二次分析を実施します。具体的には、DPCデータ、レセプト(診療報酬明細書)データ、J-SPEED(日本版災害時診療概況報告システム)データなどの大規模な二次データの横断的な統計解析を実施することで検討していきます。保健制度・政策の指針となるエビデンスの提供を目指します。

介護分野における外国人技能実習のためのICF(国際生活機能分類)を基盤とした評価ツールの開発

主導研究者: 兵庫県立大学大学院 経営研究科 筒井 孝子 教授

研究概要: 世界で人口高齢化が進行し、現場における介護の負担はますます深刻になっています。この状況は東アジアにおいて顕著で、介護人材の需要は2050年までに少なくとも倍増すると見込まれています。日本では世界的な介護職の人材不足に対応するために「外国人技能実習制度」の対象職種に新たに介護職種が追加されることになりました。これは、介護分野での就労を希望する外国人を対象とした初めての実習プログラムです。本研究ではこの実習プログラムに焦点を当てて、外国人研修者の介護技能習得の達成度を評価するツールの開発を目的としています。また、海外での応用も見据えて、既存の評価ツールの国際生活機能分類(ICF)の活用の可能性も検証します。

災害後の人々の健康維持・回復に向けたケア戦略の開発

主導研究者: 兵庫県立大学 地域ケア開発研究所 広域ケア実践研究部門 山本 あい子 教授

研究概要: 自然災害は大規模化し、かつ頻発に発生しており、災害リスクとその影響の低減の検討が求められ、特に災害弱者の健康への配慮が求められています。本研究は、支援を受けながら生活している高齢者の災害後の基本的なニーズや課題等について明らかにする質的研究と、医療職や行政職を対象とした、PTSD、うつの予防プログラムとその実施における課題を評価する研究とを通じて、よりよい健康危機管理のための提言を目指します。

研究概要一覧

終末期の高齢者の生活の質を最大限に高めるサービスモデル:スコーピング・レビュー

死は必然的なものであるが、死へ導く要因は避けられる」

ーZygmunt Bauman(社会学者)

人類史上例を見ない長寿時代を迎えました。増加する高齢者人口や、終末期のさまざまな健康ニーズに対応するためには、病気の治療に重点を置く現行の保健システムは、もっと高齢者の生活の質(QOL)を重視するシステムに移行していかなければいけません。

WHO神戸センターは、キングス・カレッジ・ロンドンと共に終末期の高齢者の生活の質を最大限に高めるためのサービスモデルに関するスコーピング・レビューを実施しました。

本研究では72件のシステマティック・レビューを対象とした迅速なスコーピング・レビューとして実施されました。レビューから抽出されたサービスモデルは、主に機能低下の初期段階に対応する総合的な高齢者ケアと、機能低下の後期段階から終末期に対応する総合的緩和ケアとに分類することができました。両分類に共通するモデル要素に人を中心としたケアや、教育、多職種によるサービス提供などがあげられました。

WHO神戸センターのポール・オング技官は「長寿社会における保健システムにとって、終末期ケアは重要な課題です。神戸センターはこの重要なテーマについて研究を進めていきます」と話します。

第21回WHO健康開発総合研究センター諮問委員会(ACWKC)会合報告書

WHO健康開発総合研究センター諮問委員会(ACWKC)の第21回目の会合が昨年11月16日と17日に神戸で開催されました。ACWKCは1996年から、1年に1度開催され、WKCの研究プログラムと優先課題について協議しています。メンバーはWHOの 6地域(アフリカ(AFRO)、アメリカ(AMRO)、南東アジア(SEARO)、ヨ-ロッパ(EURO)、東地中海(EMRO)、西太平洋(WPRO))からそれぞれ1人、そして、日本政府と神戸グループの各代表で構成されています。

今回の会合では、2016-17年のWKC戦略的目標(研究領域:UHCの推進、高齢化指標、イノベーション、能力開発プログラム、研究情報ハブなど)の進捗状況を議論しました。特別セッションではWKCの認知症研究プロジェクトが発表され、最後に高齢化を踏まえたUHCの進捗評価に関するテクニカルディスカッションを行いました。
諮問委員からはWKCに対して具体的な長期研究計画の作成と、それぞれの研究のつながりの強化、研究の質の向上などさらなる検討が提言されました。

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「2050年の世界と日本とは?」高校生が国際問題を考える

WHO神戸センターと兵庫県教育委員会、大阪大学は、WKCフォーラム・第5回高校生「国際問題を考える日」を2月3日に神戸ファッションマートKFMホール「イオ」にて開催しました。当日は兵庫県下の高校生を中心に約450人が参加し、基調講演、パネルディスカッション、ポスターセッションを通して、2050年の世界と日本の姿について意見をぶつけ合い、共に考えました。

基調講演では、野崎慎仁郎・WHO神戸センター上級顧問官が「2050年世界と日本〜世界がうらやむ幸福社会」をテーマに講演し、「2050年、少子高齢化がさらに進む日本では人口が減少し、経済活動も低下し、GDPは世界8位になると予測されている。税金は?介護は?と暗いニュースをマスメディアでは取り上げられているが、悲観する必要はない。日本は世界に先んじて超高齢社会を体験し、日本に蓄積されている教訓は必ず世界でも生きる。格差の少ない健康社会を築く、楽しい社会を築くことが大切」と語りました。

 

続いてのパネルディスカッションでは、高校生4 名が発表。神戸高校2年の松長倖多さんは「生産性の向上が人口減少に苦しむ日本にとって必要になる。過去の知恵を生かし、新技術やAIの積極的な起用も」と話し、篠山鳳鳴高校2年の前川瑠奈さんは「世界の飢餓の問題に注目したい。世界に食べ物は十分にあるのに行き渡らない。自分たちの日々の食べ残しや食品ロスを考えるべき」と語りました。

続いて、明石北高校2年の西村理沙さんは「日本独自の精神を大切に、モノの豊かさよりも心の豊かさを尊びたい。世界と繋がる時代のいまだからこそ、テクノロジーやサイエンスを使いこなすことが求められる」と語り、加古川東高校2年の脇舛美菜さんは「依存大国日本からの脱却が必要。日本の技術や教訓を提供し、新興国に貢献しながら、うまくつきあっていくことが求められる。新興国の生産現場についても思いを寄せたい」と話しました。

会場からのQ&Aでは多くの質問が相次ぎ「高齢者に対する偏見にどう向き合うのか」「高校生のスマホ依存。技術に支配されないように」「日本が移民をもっと受けいれたらどうなるのか」など、白熱した議論が展開されました。

午後のポスターセッションでは70件以上の展示とオーラル発表があり、多くの質問が投げかけられ、会場に活気が満ち溢れました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

1.17 阪神・淡路大震災から23年、改めて防災の大切さを

1月17日、あの阪神・淡路大震災から23年を迎えました。甚大な被害をもたらした地震のあと、多くの絶え間ない努力によって「創造的復興」が成し遂げられ、この地から世界に向けて多くの教訓として発信されました。

この日、記念式典が開催されたHAT神戸には防災に関する国際機関、研究機関が集積し、国際的な防災拠点として情報発信を行っています。WHO神戸センターもHAT神戸に位置しています

WHOを代表して式典に参加したWHO神戸センターのサラ・ルイーズ・バーバー所長は「兵庫県、神戸市の長年にわたるご尽力に敬意を表します。また、阪神・淡路大震災から得られた貴重な教訓を世界各地の災害被災地で活かしてもらおうとする取り組みは素晴らしいと思います」とコメントしました。

2017

委託研究者募集 「ASEAN各国におけるがんの社会的負担と保健システムへの影響に関する研究~UHC達成に向けて」

WHO神戸センターは「ASEAN各国におけるがんの社会的負担と保健システムへの影響に関する研究~UHC達成に向けて」研究の委託研究者を募集します。
本研究ではASEAN諸国のがんによる社会負担を評価し、疾病動向とその背景、公共政策と規制対策によるがんの予防・管理、また、有効な治療法や症状のコントロールについて検討していきます。 日本やASEAN諸国の研究者からの応募を歓迎します。

詳しくはRequest for Proposalsをご覧ください(英語)提出期限:2018年1月5日18時(日本時間)

Request for Proposals(英語)

世界の人口の半数が基礎的保健医療サービスを利用できず、1億人が医療費が原因で極度の貧困状態に

健康は人権です。しかし、世界中の誰もが、受けるべき質の高い保健医療サービスを受けることができる「あるべき姿」には、まだまだ到達できていないのが実情です。世界銀行とWHOが発表した報告書によると基礎的保健サービスを受けられずにいる人の数は世界人口の半数にのぼり、毎年多くの世帯が医療費の自己負担が原因で貧困に陥っているのです。
12月12日から15日にかけて東京で開催されたUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)フォーラム2017には世界のリーダーが集結し、UHC達成に向けて取り組みを加速させていくことを改めて確認しました。#HealthforAll

2017 Year in review: Key health issues

2017年のWHOの世界各地での活動を振り返ります。感染症や健康危機への対応やグローバル政策の立案、WHO事務局長選挙など、2017年のWHOを振り返ります。

2017 Year in review(英語) - 英語版

WHOエイジフレンドリーシティーズ・アンド・コミュニティーズ研修会を開催

世界保健機関(WHO)のエイジフレンドリーシティーズ・アンド・コミュニティーズは、健康で活力ある高齢化を促進する場であるというビジョンを掲げています。それに向けた各地域における取り組みを支援するプラットフォームとして、WHOは2010年にエイジフレンドリーシティーズ・アンド・コミュニティーズのグローバルネットワークを設立しました。現在37カ国533の市町村とコミュニティが参加し、全世界で1億5800万人以上を網羅する国際的なネットワークへと成長しています(2017年11月21日現在)。グローバルネットワークに参加する市町村やコミュニティは、エイジフレンドリーな環境づくりに取り組み、その経験、成果、知見をネットワークの中で共有します。

日本は高齢化が世界で最も進んでいるものの、グローバルネットワークに参加している自治体は最近までわずか2市でした(2011年秋田市、2016年宝塚市が参加)。国内でエイジフレンドリーシティーへの注目や関心が高まる中、今年10月には神奈川県の19市町がグローバルネットワークに参加しました。日本の自治体が成功例や見識を発信することは、グローバルネットワークに貴重な貢献を果たすことになります。一方で、日本の自治体は、グローバルネットワークとつながることで、ネットワークに蓄積された知識、経験、リソースを活用することができ、また、それぞれの努力の成果が世界で認められることになります。

そこでこのたび、WHO神戸センターは国内9つの自治体を対象にエイジフレンドリーシティーズ・アンド・コミュニティーズの研修会(2017年12月4 日(月)、 5日(火))を開催します。本研修会は、市町村のグローバルネットワークへの参加を支援し、エイジフレンドリーシティーズ・アンド・コミュニティーズの国内ネットワーク立上げを率先できるように地方自治体の能力を高めることに重点を置きます。

本研修会では、WHOが[1]高齢化と健康に関する世界戦略と行動計画の概要、[2]エイジフレンドリーシティーズ・アンド・コミュニティーズ・イニシアチブ、[3]グローバルネットワークについて講演します。また、秋田市と宝塚市からグローバルネットワークのメンバーとしての活動、神奈川県からグローバルネットワークのアフィリエイトとしての活動、特に県内19市町のグローバルネットワークへの参加を支援した経験について講演していただきます。

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