News Archive by Year

2022

第22回日本認知療法・認知行動療法学会(JACT)にて登壇

WHO神戸センターの茅野龍馬医官は、2022年11月12日に開催された第22回日本認知療法・認知行動療法学会(JACT)の大会企画シンポジウム18:国際貢献と認知行動療法にて登壇しました。「コロナ禍で高まる認知行動療法への期待とWHO神戸センターの取り組み」を主軸に、WHO神戸センターが支援する災害・メンタルヘルス研究や実装研究の重要性、学際研究への高まる期待について講演しました。 

2022 summer school

WHO サマースクール

WHOサマースクールについて

WHOサマースクールは、WHO神戸センター主催で2022年夏に開始した3週間の教育プログラムです。中高生から大学院生までの学生が日本全国から集まり、WHOや国連機関職員との対話や参加者同士のディスカッションを通して、地球規模の課題への理解を深めます。日本だけでなくグローバルな視点を持ちながら、世界のさまざまな健康課題について若者世代としてどのように取り組んでいけるのかを考え学ぶ機会となります。

初開催となった2022年は12校から16名の大学生・大学院生が参加しました。3週間のプログラムを経て、同じくWHO神戸センターが主催する「WKC学生フォーラム」の分科会においてその成果を共有しました。サマースクール参加者は持続可能な開発目標(SDGs)を達成する上でも重要となる12のテーマに関する研究内容についてポスター発表を行い、フォーラムのブレイクアウトセッションをリード。フォーラムでパネリストを務めたグローバルヘルスの専門家およびフォーラム参加者が各セッションに加わり、白熱した議論が展開されました。

WHOサマースクールおよびWKC学生フォーラムは、医学生を中心に「若者の力でいのちを守る社会を創る」をミッションに活動するユース団体、inochi WAKAZO projectとの共催で行われました。
 

2022年の開催概要

期間:202295日〜924

開催場所:基本的にオンラインで開催し、希望者のみ一部実地研修も実施

2022 summer school participants

参加者が取り組んだ研究テーマ:12のカテゴリーに分かれ、それぞれテーマを決めて研究発表をしました。

2022 summer school theme

参加者の感想

  • 実地研修やプレゼンの機会を得ることができ、普段出会うことのない学生や先生とディスカッションをする時間を得られた
  • さまざまな視点から見た健康を知れた。自ら得た知識をアウトプットし、議論することで自分自身では気づけなかった論理の脆弱性などを見出せた
  • 正確な情報と指導のもとで積極的に世界を見つめることができた
  • 志が高く、議論等のレベルも高い、素晴らしい方々と出会い知り合いになれた
  • 実際に現場で働く職員と話すことができ、WKCフォーラムを通じて自分の学びを他者に伝えられる場があった
     

2023年度の開催について

本サマースクールと学生フォーラムは、WHO神戸センターの年次企画として2023年も開催される予定です。実行委員会の発足や運営については、共催団体、支援団体とも協議の上、2023年上旬に向けて調整して参ります。

参画されたい方、ご関心をお持ちの方は、今年の開催内容について、WKCホームページの情報および共催団体inochi WAKAZO Projectのホームページなどをご覧の上、2023年度に取り組みたいテーマや学習内容などをご検討ください。その上でもしご質問等がございましたら、担当の横江 (yokoer@who.int) までご連絡をお願いいたします。

応募窓口など、新しい情報は本ページで随時更新し、SNSでもお知らせします。WHO神戸センターのTwitterアカウントはこちら

ロンドン大学クイーン・メアリー校の修士課程学生向けに講義

WHO神戸センターのサラ・ルイーズ・バーバー所長は10月26日、ロンドン大学クイーン・メアリー校のジョーンズ博士からの依頼を受け、国際公衆衛生を学ぶ修士課程の学生に向けて講義を行いました。<br />\r\nバーバー所長は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)が人権としていかに重要か、また各国や人びとにとっての経済的な柱としてもいかに重要かを説明し、WHO神戸センターがUHCを推進するために行っている研究について紹介しました。<br />\r\n

講義ではさらに、急速な人口高齢化が進むなか、持続可能なかたちで保健医療サービスを提供しその資金を調達する上での政策オプションに関する研究についても解説。学生たちは、バーバー所長らの研究から開発された「高齢化による保健医療制度の財政的持続可能性ギャップ(PASH)シュミレーター」に特に興味を示しました。

ぼうさいこくたい2022 「災害レジリエンスの実現に向けて-共創・国際・実装の取組み-」に登壇

2022 年 10 月 23 日に、東北大学 災害科学国際研究所は「ぼうさいこくたい2022」において、「災害レジリエンスの実現に向けて-共創・国際・実装の取組み-」のセッションを開催しました。WHO神戸センターの茅野龍馬医官は、本セッションにおいて、災害医療と国際連携について登壇し、55名の参加者の方々に対し防災と保健医療を主軸に、実装に向けた国際・学際連携について話をしました。 

ぼうさいこくたい2022 「災害時の活動における支援者のこころとからだの健康」に登壇

2022 年 10 月 22日に、兵庫県立大学 地域ケア開発研究所は「ぼうさいこくたい2022」において、「災害時の活動における支援者のこころとからだの健康」のセッションを開催しました。WHO神戸センターの茅野龍馬医官は、本セッションにおいて、「災害時に活躍する保健医療人材の育成と派遣の課題 ~支援者を守るシステムについてのエビデンス~」をテーマに登壇し、災害健康危機管理枠組みにおける支援者の健康について話をしました。 

PASH (高齢化による保健医療制度の財政的持続可能性ギャップ) シミュレーター

人口高齢化が世界的に進むなか、高齢者の増加により保健医療制度の持続可能性を脅かす課題が生じることが懸念されています。こうした懸念は、多くの研究に裏付けられているように、人口高齢化に伴いサービスへのニーズが高まると想定されていることに由来していますが、一方で保健医療の財源と支出のギャップについてはそれほど研究されていません。財源と支出の両方に対して人口年齢構成の変化が及ぼしうる影響をよりよく検討し、保健医療財政モデルの持続可能性を高めるためには、何が必要とされているでしょうか。

WHO神戸センターのサラ・ルイーズ・バーバー所長は学術誌『Health Policy』に新たに掲載された論文で、この分野の主要な専門家らとともに「高齢化による保健医療制度の財政的持続可能性シミュレーター」を提案しました。新たなツールであるPASHシミュレーターは、人口年齢構成の変化が保健医療の財源と支出に与える影響を同時に予測し、両者のギャップを経時的に示すことで、政策立案者がより系統的にその影響について理解を深める助けとなります。

この論文では、さまざまな保健医療財政制度を示すヨーロッパと西太平洋地域の国々のデータに基づいた6つの国別シナリオを用いて、PASHシミュレーターを実証しています。著者らは結論として、人口高齢化の課題に対処するために、よりバランスのとれた政策オプションを政策決定者に促すためには、保健医療の財源と支出の両方に等しく注意を払う必要があると述べています。この新たなツールは財源と支出のギャップおよびそれに影響を及ぼす構造要素を示すことができるため、政策立案者は財源不足に対処するための幅広い政策オプションを得られるようになります。

京都大学大学院医学研究科で講義

WHO神戸センターの茅野龍馬医官は、2022年10月19日に京都大学大学院医学研究科のグローバルヘルス通論講義において、オンライン講義を行いました。「Health Emergency and Disaster Risk Management 
~Shifting needs of global health to better protect people from emergencies~」というテーマで、WHOの新型コロナウイルス感染症に対する取り組みや災害・健康危機管理Health Emergency and Disaster Risk Management (Health-EDRM)のコンセプトについて話をしました。 

神戸市立葺合高等学校で講義

WHO神戸センターの茅野龍馬医官は、2022年10月13日に神戸市立葺合高等学校で、オンライン講義を英語で行い、2年生普通科英語コースと国際科の生徒たち約110名が参加されました。「Global health development  in the context of COVID-19」というテーマで、保健課題に対するWHOのこれまでの取り組みや、新型コロナウイルス感染症に対する現状を話しました。  

京都大学大学院医学研究科国際保健講座で講義

WHO神戸センターのローゼンバーグ恵美技官は、10月12日(木)に京都大学大学院医学研究科の国際保健講座で、教育・貧困・経済と人々の健康と健康格差の関連について英語で講義を行いました。同講座でこのテーマに関する講義をローゼンバーグ技官が担当するのは今回で7回目となります。25名の履修生は、主に公衆衛生学や医学部の学生で、その大半が海外からの留学生でした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種状況において世界各国の間に見られる格差を表すデータなども示しながら、様々に顕在化する健康格差とその社会的決定要因についてお話しました。

WKC mission banner

WKCフォーラム「Our planet, our health-私たちが考える地球規模の健康課題」開催の報告

今年の世界保健デーのテーマである「Our planet, our health(私たちの地球、私たちの健康)」に因んで、高校生と大学生が未曽有の感染症、高齢化、災害危機管理など様々なグローバルヘルスの課題について学び、議論する機会となるWKCフォーラムを2022年9月25日に開催しました。

 

基調講演では、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金CEOの國井修先生より、これまで海外で医療活動に携わって来られたベースとなる志と情熱をお話いただきました。学生からの多くの質問が出て、そのひとつひとつにご丁寧にお答えいただきました。その後のパネルディスカッションでは、国境なき医師団の蟹江信宏先生や大学生、高校生とWKCスタッフがウェルビーイングについて議論しました。12のテーマで開かれた分科会では、今回のフォーラムに先立ち3週間にわたって開催された「WHOサマースクール」の参加者およびinochi WAKAZO projectの学生たちが、各分科会を担当しました。分科会では、担当学生がそれぞれのテーマに関する研究内容についてのポスター発表を行い、その内容をもとに各分科会に参加する学生達とディスカッションを行いました。

本フォーラムは、inochi WAKAZO projectとの共催で約220名の全国の学生、一般市民の参加を得ました。ご参加をいただき、ありがとうございました。

尚、当日のフォーラムの録画動画(約2時間20分)を10月末まで公開しております。どうぞご視聴ください。

 

【開催概要】

日時:2022年9月25日 (13:00–16:10)

会場:WEB会議システムによるオンライン参加(Zoom)

参加費:無料(要事前登録)

主催:WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)

共催:inochi WAKAZO project、WHO神戸センター協力委員会