News Archive by Year

2019

日本における認知症施策の優良事例に関するレポートが発行

認知症は近年グローバルな保健課題となってきており、認知症の人は2050年までに1億5千万人を超え、ケアに関連する費用は2030年までに200兆米ドル円を超えると予測されています。日本は既に超高齢社会に突入しており、認知症の早期発見・早期介入を含む先駆的な取り組みが、地方自治体レベルでも実践されています。

2019年3月、WHO神戸センターは、神奈川県の支援のもと、「科学的エビデンスを自治体の施策に反映する:優良なモデル自治体づくりを促進するメカニズムとは」という観点で、日本における優良事例をするべく、産学官民の代表者50名を交えてワークショップを開催しました。

各自治体や事業における課題と解決事例、地域の経験を普遍的エビデンスにいかに昇華させるか、そして未来の協働・連携の可能性について活発な議論がなされました。ワークショップでは、施策の立案と実施に認知症の人を包摂することの重要性、認知症にやさしい地域づくりをするために関係者間での連携が必要であることなどが強調されました。

優良事例を率先して国内外に共有すること、科学的研究を基礎としてエビデンスを構築することに関して、多様な参加者間での同意形成ができたことは、ワークショップの重要な成果です。

ワークショップのレポート(日本語)はこちらから閲覧できます。

Well-being(幸福・健康)な社会づくり-10年の歩みとこれから

日本福祉大学健康社会研究センター(CWS)開設10周年、日本老年学的評価研究(JAGES)20周年、ならびに、斉藤雅茂 氏のCWS新センター長就任を記念するシンポジウムが名古屋で開催され、WHO神戸センター技官 ローゼンバーグ恵美が招待講演を行いました。

 

ローゼンバーグは、過去10年間のWHOとの連携を通じて、CWSとその主力プロジェクトであるJAGESによるグローバル・ヘルスへの貢献について話しました。具体的な例としては、JAGESの健康の公平性評価とデータを「見える化」するツール[1]、および、WHO エイジフレンドリーシティ指標ガイド[2]の開発にあたっての共同研究を取り上げました。また、JAGESの研究成果に関する出版物[3]が先ごろWKCより刊行されたことを紹介し、JAGESが行ってきた高齢化と健康に関する研究を健康な高齢化と健康の公平性を促進するための政策や慣行に活用する取り組みの重要性について述べました。現在WKC は、急速な高齢化が予測されるマレーシアとミャンマーの特定の地域でJAGES研究の手法と教訓を適用し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ促進のための新たな研究をサポートしています。

 

シンポジウムでは、千葉大学教授でCWS前センター長の近藤克則氏、JAGESの主要共同研究者である浜松医科大学教授の尾島俊之氏、そして、日本福祉大学CWS新センター長の斉藤雅茂 氏が講演を行いました。

 

それぞれ、社会疫学的方法を用いて高齢者の間で社会的に決定された健康格差を明らかにするとともに、この課題に対する地方および国家の保健政策に影響を与えることによって、CWS/JAGESが日本でこの研究分野を切り開いてきた経緯を振り返りました。

 

斉藤氏は、CWSの今後の展望として、高齢者の社会的孤立の予防・軽減など、社会福祉・地域福祉分野における定量的研究を重視すると述べました。

 

本イベントは日本福祉大学健康社会研究センターが主催し、日本老年学的評価研究の支援を受けて開催されました。学界、地方自治体、民間セクター、メディアから多数が参加しました。

高齢化が進むアジア諸国のための技術と社会イノベーション

長寿化は、過去に類を見ない世界的な経済成長と自己充足の機会をもたらしてきました。現在のアジア諸国における高齢化のスピードは、世界の他の地域を凌いでいます。「老い」が意味するものを巡る否定的な思い込みと捉え方を変えることが、社会の主要課題となっています。

WKCのポール・コワル、ロイク・ギャルソン、アレックス・ロス、ポール・オンは、明確で示唆に富む記事を執筆し、World Scientific社から出版される書籍『アジアの高齢化』に一章として収められました。この書籍では、アジア諸国の高齢化とこれに関連する発展について、先進的な社会システムとプログラムの成功事例とケーススタディが提示されています。

WKCの著者らは、技術と社会イノベーションがどのように高齢者の自立と機能、生活の質の向上に役立ち、彼らの福利と尊厳に好影響を与えるのかについて検討しました。彼らはアジア諸国における最良実践例を引用して、「シルバーサーファー」(インターネット利用頻度の高い高齢者)は、高齢者による技術活用に対する従来の認識に異議を唱えるものであると考察します。

人間が担うケアの側面を、適切に設計されたモバイルヘルス(mHealth)技術が取って代わるためには、倫理面も含めて、その能力に関して更なる研究が必要とされます。

この書籍への掲載記事はこちら:

https://www.worldscientific.com/worldscibooks/10.1142/10585

WKCが2018-2026の新規研究計画を発表

WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター・WKC)は、WHOの総合事業計画、および、神戸グループとの合意に沿って、2026年までの第3期における活動を導くための新規研究計画を策定しました。

この計画により、下記3項目の研究テーマの下、一貫した研究プログラムが展開されます。

  1. 各国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)促進のための、人口高齢化に照らしたサービスの提供と持続可能な資金供給
  2. 人口の高齢化を踏まえ、UHCの進捗をモニターするための指標と測定
  3. 保健緊急事態において最も不利な立場にある高齢者のニーズに対応可能な、回復力に優れた医療システムの構築に資する、各国への情報提供のための災害・健康危機管理

日本から得られる教訓は、これら3つの研究領域をまたぐ分野横断的なテーマです。日本は、人口の高齢化に対処するための保健制度の管理、また、高齢者のニーズへの対応における取り組みを牽引してきました。研究計画には、新たな成果物や技術だけでなく健康問題を解決するための新手法ともみなされるイノベーションも組み込まれています。

研究戦略と併せて、可能な限り質の高い研究成果を確保するために、WKCは研究の品質保証計画を作成しました。

WKC所長、サラ・L・バーバー博士は次のように述べています。

「WKCが策定した研究戦略および研究計画の構想は、持続可能なUHC推進のためのイノベーションに関する研究を通じた世界的な研究センターを目指すものです。世界の研究者と、また、日本の、とりわけ地元関西地域の学術界とも連携して研究活動を行っています。」

「WKCの目標は、あらゆる年齢層の人々によりよいサービスの普及と財政的保護を提供するため、各国の政策づくりに役立つ研究を実施することです。」

研究計画と研究の品質保証計画の詳細はこちら:研究計画 & 研究の質

研究計画に関する動画はこちら:YouTube

茅野龍馬医官 世界災害救急医学会で発表

WHO神戸センターの茅野龍馬医官が、今年オーストラリアのブリスベンで開催された世界災害救急医学会の学術総会において、WHOと関連機関による仙台防災枠組 2015-2030の実践に向けた取り組みについてのセッションで発表をしました。主な取り組みとして、災害・健康危機管理(Health Emergency and Disaster Risk Management (Health-EDRM))のコンセプトの確立および災害・健康危機管理に関するWHOグローバルリサーチネットワーク(WHO Thematic Platform for Health-EDRM Research Network (TPRN))の設立が紹介されました。

同リサーチネットワークの共同議長でもある英国公衆衛生庁(Public Health England)のVirginia Murray教授は、「仙台防災枠組み2015-2030は、健康・保健 (Health)を災害リスク管理に対する地域・国・世界の取り組みの中心に据えています。病気やケガ、障害や死亡など、災害の健康影響を減らし、強靭な保健システムをつくるために地域・国・世界の関係者が連携できるよう、災害・健康危機管理に関するWHOプラットフォーム(WHO Thematic Platform for Health-EDRM)が設立されました。」と述べ、続いて茅野医官が「WHOグローバルリサーチネットワークは、災害・健康危機管理における科学的エビデンスを計画的な発展を目指して設立されました。公式な活動開始の準備が整い、協働・連携に関心のある研究者の方々を招待する段階にきています。」と発言しました。

      

本セッションはWHO神戸センター、WHO日太平洋地域事務局、WHOアフリカ地域事務局、英国公衆衛生庁の協力のもと開催されました。

WHO神戸センターは同リサーチネットワークの事務局を務めています。ネットワークの運営計画と登録フォームは、神戸センターのホームページで近日公開予定です。

WKC-OECD研究発表

WHO健康開発総合研究センター(WKC)と経済協力開発機構(OECD)は、全ての人が基礎的医療サービスを受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に向けた各国の取り組みの進展の加速を支援するために、保健医療における価格設定および価格規制に関する新たな研究についての発表を行った。

研究者達は9つの国・地域*に関する事例研究を完了し、特に低所得国と中所得国における価格の設定と規制に対して、得られた教訓を取りまとめ、更なる研究の対象となる領域を特定した。

研究のコーディネイターでありWKCの所長でもあるサラ・バーバー博士は次のように述べた。「価格設定と支払いに関する政策はUHCを推進させるための重要なツールである。価格政策は医療従事者と患者の双方に、どのような医療サービスが提供されるのか、また医療提供者にはどの程度の適正な支払いがなされるのかについて、明確なメッセージを送る。価格の設定が高すぎたり低すぎたりすると、医療提供者は不必要なケアを追加したり、質の不十分なケアを提供するなどして埋め合わせを図るかもしれない。」

この研究では価格が設定される仕組みを比較することにより、規制当局による一方向性の価格設定では、保険会社と医療サービス提供者との間の個別の価格交渉による設定と比較して、医療の質とは無関係の価格における変動が排除されて、医療コストの低減に役立つことがわかった。事例研究の多くは既に確立された医療の状況に焦点を当てていたが、全ての政策立案者達は、医療の質、効率、健康へのアウトカムの向上を促す動機を提供するための手段として価格を使用すべく努力を続けている。

例えば、研究の対象となった国々の大半では、僻地または遠隔地の医療提供者や、過度に多数の低所得者あるいは高額治療患者を扱う医療提供者に対する価格を調整することによって、公正な医療へのアクセスと受給を保証している。日本、大韓民国、ドイツ、マレーシアとタイでは、規定額をこえる形で医療費を請求することが禁止されており、医療提供者は規制された価格より高額の請求を行うことが許可されていない。これは、支払い時に予期しない自己負担費用から人々を守るためである。

この研究は、保健医療への公的資金を増やそうとしている低所得国及び中所得国にとって、特に価値がある。研究から得られた教訓としては、データ・インフラストラクチャーと医療施設のキャパシティへの投資の必要性が挙げられる。その様な投資により、政策、順次的な実施変更の計画、健康政策のゴールに向かうための価格の使用、健康関連目標の達成に必要とされる修正を特定するためのモニタリングと評価のシステムの設立の指標となる背景特異的なエビデンスを作出できる。

このユニークな成果は、保健制度やユニバーサル・ヘルス・カバレッジに係わる政策立案や研究者たちの興味を引くだろう。詳細はWKCのウェブサイトからダウンロードできる。https://extranet.who.int/kobe_centre/ja/project-details/Price_setting_health_care

* オーストラリア、イングランド(イギリス)、フランス、ドイツ、日本、マレーシア、大韓民国、タイ、メリーランド州(アメリカ合衆国)

2019年世界禁煙デー WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター) 所長 サラ・バーバーからのメッセージ

毎年5月31日に、世界保健機関とその協力機関は世界禁煙デーを記念して、喫煙と受動喫煙が有害で死に至る一方で、死亡や疾患を確実に防ぐことのできる要因でもあるという認識を高める活動を行っています。2019年は、喫煙者だけでなく、あらゆる人の肺の健康に対するたばこの脅威に焦点をあてています。

喫煙は肺がんの最大の原因であり、世界ではたばこが原因と考えられる肺がんで毎年約120万人が亡くなっています。喫煙者は非喫煙者より肺がんに22倍かかりやすく、結核に2倍かかりやすくなります。世界で新たに結核と診断された患者の20%以上は、たばこが原因の可能性があります。

たばこの煙は室内の空気を汚染します。吐き出される煙と同様に、たばこの燃焼部分から出る煙にさらされることは、受動喫煙であることが知られています。この煙を吸い込んだ非喫煙者は、肺がん、慢性閉塞性肺疾患、結核、ぜんそくにかかるリスクが高まります。喫煙者の子供においては肺の機能が低下し、成人後、慢性的な呼吸器疾患にかかる恐れがあります。

たった1本のたばこでも肺にダメージを与えます。吸い込んだ煙は、粘液や異物を取り除く働きをする気道内の構造を麻痺させるため、煙に含まれる有害物質が肺に入りやすくなります。日本では人口の約18%がたばこを吸っており、受動喫煙が原因で毎年約15,000人が亡くなっています。

しかし、禁煙を始めるのに遅すぎるということは決してありません。肺の機能は、たばこを止めてから2週間のうちに改善します。

日本では最近、屋内での喫煙に関する法規制が強化されました。2019年7月から、学校、病院や診療所、行政機関の庁舎、児童福祉施設では屋内での喫煙が禁止されます。東京都、千葉市、静岡県、北海道などのいくつかの自治体は、県民や市民を守るため、より厳しい全面禁煙の条例を導入しています。ますます多くの事業者が職場での喫煙を禁止することでたばこではなく健康の促進を選び、従業員の禁煙を支援しています。

これらは、有害な受動喫煙から人々を守るための重要な一歩ではありますが、充分とは言えません。日本国内の小さな飲食店の約55%は、その広さを基に法規制から免除されます。つまり、その顧客や家族、従業員はたばこの煙にさらされる状況が続くということです。喫煙専用室は、人々を受動喫煙から守ることには非効果的であるにもかかわらず、事務所、ホテル、鉄道などの公共空間でその利用が今後も続くことになります。

日本は、電子たばこや加熱式たばこ(HTP)の最も成長著しい市場の一つです。加熱式たばこも他のたばこ製品と同様に規制するべきであり、加熱式たばこや電子たばこの受動喫煙から周囲の人々を保護する必要があるとWHOは勧告しています。

まもなく日本は、ラグビーワールドカップ2019日本大会で、その文化とおもてなしの心を披露することになっています。参加国の多くは屋内全面禁煙に関する法律を既に導入しており、健康にもビジネスにも好ましい影響を認めています。屋内禁煙の影響についての研究では、バーやレストランの経営に好ましい影響を与えるか、もしくは影響しないかのいずれかであるという結果が得られています。

日本は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ実現に向けて、質の高い保健医療に国民全員が確実にアクセスできるように進めてきたことで、世界を主導する立場にあることを証明してきました。2019年のラグビーワールドカップと2020年のオリンピックは、全面禁煙の法規制の範囲を拡大し、加速させるための絶好の機会です。最も効率的なたばこ規制の政策・法律を導入し実施することは、喫煙者だけでなく、あらゆる人の肺の健康にとって重要です。

エビデンスに基づく政策立案のため、ラオス人民民主共和国が初の全国調査を実施

ラオス人民民主共和国(通称ラオス)は、WHO健康開発総合研究センター(通称WHO神戸センター、WKC)が助成している2年間の計画の一環として、認知機能が低下した60歳以上の高齢者を対象とする全国調査を始めました。

主任研究者である保健省ラオス熱帯医学・公衆衛生研究所所長センチャン・コナボン博士は、この調査について次のように説明しています:

「認知症は世界中で膨らみつつある公衆衛生上の問題であり、患者やその家族、社会にとって大きな負担となっています。ラオスでは、高齢世代が急速に変化しており、その変化に備える必要があります。

2017年、私たちは改訂版長谷川式簡易知能評価スケールを用いて予備研究を実施し、認知機能が低下した高齢者の一般集団における割合についてレポートしました。この研究では、非常に興味深いことに、家族と同居している表面的には健康に見える高齢者のうち、認知機能の低下者は女性と地方に多いという結果が認められました。

  • WHO神戸センターから研究提言の機会を与えられたことは、エビデンスに基づくデータを収集し、以前に作成した高齢者のための政策を見直す好機となりました。
  • 3地域における都市部と地方から2500名を対象にしたもので、代表的な調査となると思われます。現在、研究ツールの準備を進めており、2019年10月~12月にデータを収集して、2020年1月にはまとまったデータが得られると期待しています。
  • WKCのテクニカルチーム及び世界銀行からも技術的な助言を受けられることになっています。
  • UHCを目指して行われています。しかしながら、未だ実現していません。本研究には生活習慣病(非感染性疾患)に関する質問が多く含まれており、そのデータからはどのように高齢者に医療保険を適用するかという点についても情報が得られると思います。

WHOは、認知機能低下および認知症のリスク低減のための新しいガイドラインを最近発行しました。詳細については、リンク先をご参照ください:https://www.who.int/mental_health/neurology/dementia/guidelines_risk_reduction/en/

2019年5月9日、サラ・バーバー博士が葺合高校で講演

「誰がユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現を進めるのでしょうか?誰?」

これは昨日、葺合高等学校で国際関係を学ぶ約80人の生徒に講演した際、WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)所長のサラ・バーバー博士が投げかけた質問の1つです。

葺合高校は文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校の1つです。SGHは社会・国際問題に関心を持つ若者からグローバルリーダーを育成することを目的としています。

バーバー博士の講演は、21世紀の国際保健の最重要課題であるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に焦点をあてたものでした。UHCの目的は、すべての人が基本的な保健医療サービスを負担可能な費用で受けられるようにすることです。

現在、世界人口の少なくとも半数が、今なお基本的な保健医療サービスを完全には受けることができていません。1億人近くが医療費の負担によって貧困化――1日1ドル90セントまたは200円以下での生活――に陥っています。

日本は1961年に国民皆保険を達成していますが、変化する保健医療へのニーズに対応するために、引き続き取り組みを進めています。

「先程の質問への答えはこうです。すべての政府、組織、人々が良好な健康に対する権利の促進に重要な役割を担います。健康は人権であり、UHCは公平、公正、社会連帯の重要性を表しています」と博士は生徒たちに話しました。

講演の後、生徒たちは小グループに分かれて、たばこ規制について議論しました。タバコ規制は世界的にも日本でも大きな公衆衛生問題になっており、受動喫煙によって毎日約40人が死亡しています。生徒たちはたばこの使用と喫煙を減らすにはどうすればよいか、そのために最も重要な役割を果たすのは誰かについて考察しました。

最後に、バーバー博士は若者たちに対して、喫煙の健康への影響を認識し、自分たちや家族、地域の人々を受動喫煙から守るために、地域や地方自治体での完全な禁煙政策を求めるよう促しました。

WHO神戸センターは兵庫県と神戸市から資金提供を受けており、医療制度とイノベーション、特に高齢化について研究しています。若者と関わり合うことは、研究への関心を引き出し、明日のリーダーとなる若者の新しいアイデアを育む1つの方法です。

WKC所長が2019年のエビデンスに基づく科学と知見の転換に関するシンポジウムで発表

WKC所長が2019年のエビデンスに基づく科学と知見の転換に関するシンポジウムで発表

 

420日、Sarah Barber博士は、ガイドラインの実施と知見転換をテーマとするWHO協力センターである中国の蘭州大学との協力で2019年エビデンスに基づく科学と知見の転換に関するシンポジウムに招待され、「世界規模の健康とエビデンスに基づく政策決定」について講演しました。

 「エビデンスに基づく政策決定は、最大の効果が得られるような健康増進への介入に焦点を合わせるのを助ける可能性があります。地球規模のエビデンスと費用対効果を合わせることは、エビデンスに基づく優先順位と政策の選択肢を検討するのに役立つポテンシャルがある」と説明した。

 「地球規模の保健政策に情報を提供するためにエビデンスを確保することが必要ですが、政策プロセスは複雑です。私たちは、地球規模の優先事項を知らせ、最も費用対効果の高い介入策を選択し、そして実施を知らせるためにエビデンスを活用することができます。」

 エビデンスの有用性と限界を評価し、政策が成功するであろう背景を特定し、そして利害関係者と一般大衆と協議するためには制度的能力が必要であると指摘して講演を締めくくりました。