Chapter 2.7 Prioritization of research

Authors: Nasser M, Viergever RF, Martin J.

第2.7章では、災害・健康危機管理(Health EDRM)研究の優先付けについて、準備、開発、評価の際に考慮すべき重要な要素を、以下の項目に焦点を当て、記述しています。 

  1. 研究の優先順位を慎重に選択することの重要性。
  2. 優先順位設定の実践的ステップ。

本章について

災害・健康危機管理の新規研究にといて、優先順位の高いテーマを特定することは困難です。研究の優先順位をつけるためには様々なプロセスがあり、これらは意思決定の際に、災害・健康危機管理の重要なエビデンスを生み出すために実施すべき研究について示唆を与えてくれます。これらのプロセスは、意思決定者がどの研究が最も必要であるかという選択について、透明性を保つのに役立ちます。 

本章では、研究の優先順位付けをサポートするための主要なステップを概説します。このステップには、背景を理解し、利害関係者を巻き込むことで、調査の準備をすること、専門家の合意を得て優先順位付けを行うこと、調査結果の影響の実施と評価を行うこと、が含まれます。また、この章では、研究の優先順位を決定するために公平性の概念を用いる際に考慮すべき質問のリストも提供しています。 

本章のケーススタディ

  1. ペルー、ウガンダ、ネパールの人道的環境におけるメンタルヘルスと心理社会的支援に関する研究の優先順位を設定するために、様々な利害関係者の価値観や選好を考慮する。

本章のキーメッセージ

  • 災害・健康危機管理における研究の優先順位付けは、最も必要とされる研究が実施されることを保証し、介入策の実施に使われるかもしれない資源を効率的に利用するのに役立つと思われます。
  • 優先順位付けを行う者は、エビデンスに基づくアプローチに基づき、主要な利害関係者の確実な関与を担保すべきで、これを行うための方法は複数存在します。 
  • 優先順位付けに関する報告書は、結果や方法、前提条件(支援や資金調達に関わる政治的、社会経済的な見解など)について、意思決定のプロセスをサポートするために、明確に記載する必要があります。また、情報源の記述も重要で、これらがきちんと表記されていなければ、優先順位付けの結果及び過程についての適切な評価ができません。 

 

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