Chapter 2.5 Identifying and engaging high-risk groups in disaster research

Authors: Newnham EA, Ho JY, Chan EYY. 

第2.5章では、災害研究において、高リスクグループの特定と支援について述べており、特に以下の項目に焦点を当てています: 

  1. コミュニティにおける高リスクグループについて解説します。
  2. サンプリング、参加者募集、データ収集に関連する戦略を通じて、研究参加への障壁に対処します。
  3. 対象となる集団に共同研究者やコミュニティのアドバイザーを参加させ、包括的で倫理的に責任のある研究過程と有効な知見を確保します。

高リスクのグループを特定し、災害・健康危機管理研究に参加させることは困難です。これらのグループをどのように特定し、支援するかを理解することは、研究者が意思決定者のために信頼できるエビデンスを提供するのに役立ちます。 

本章では、高、中、低所得国からの情報を含む簡潔な文献レビューを行い、高リスク集団の人々を含む包括的で倫理的に責任のある研究を実施するための指針を示しています。本章では、高リスク集団と、脆弱性を増やす可能性のある共通の要因について説明します。これには、年齢的な要因、性別や性的な同一性、既存の慢性疾患などが含まれます。 

本章のケーススタディ

  1. 中国とネパールにおける災害リスク軽減への青年期の関与に関する災害ミックス度メソッド研究法の実施。
  2. ハリケーン・カトリーナが慢性疾患を持つ人々に与えた影響の評価。

本章のキーメッセージ

  • 高リスク集団に焦点を当てた災害・健康危機管理研究は、災害時全般にわたって実施されるべきであり、災害や集団の特性によって異なる場合があります。 
  • 子ども、高齢者、女性や性的少数派、慢性疾患や障害を持つ人々、少数民族、移民、避難民、その他社会から疎外された人々は、災害前、災害時、災害後にシステム上の問題を抱える危険性があり、災害・健康危機管理研究において考慮されるべきです。能力および脆弱性の高まりには、インターセクショナリティの考え方が強く関係しています。
  • 高リスクグループの人々に対して研究参加を促すのは容易なことではありません。この事実を考慮しつつ、サンプリング、研究への参加者の募集、データ収集を進めることが重要です。 
  • 包括的かつ倫理的に責任のある研究計画を確立するためには、高リスク集団に対する研究の影響を考慮する必要性があり、また、信頼でき、研究の意味合いが考慮なされた研究結果の普及を目指さなければいけません。 

 

Download

 

 

 

Further Reading

 

 

Download

Video

Podcast

Slideshow

Further Reading