2020-01-28

データに基づき高齢者の需要に対応する保健システムづくりの検討会(2019年12月16日~17日 ミャンマー)

Yangon workshop

ミャンマーで実施している高齢者の健康に関する研究の一環として、先月ミャンマーで、その成果を地元関係者に発表する会議と併せて、農村部でプライマリ・ヘルス・ケアに携わる保健医療職員を対象とした研究データの応用に関する研修が行われました。これに先立ち、本研究の結果の一部は、先月上旬に第34回日本国際保健医療学会で発表されています。

ミャンマーで実施している本研究は、WKCと日本医療研究開発機構(AMED)の助成を受けています。日本老年学的評価研究(JAGES)の経験を踏まえ、高齢者の健康とその決定要因を地域の高齢者から訪問調査により直接集めたデータに基づき、需要に対応する保健システムづくりを検討しています。さらに本研究では、研究から得られた知見を政策や実践に転換させることを重視しています。

研究チームはこれまでの調査結果を現地で活用するための2つのイベントを2019年12月16日~17日に開催しました。初日は、研究手法や分析結果とその考察を専門家らと協議する会議をヤンゴン市にて実施しました。ミャンマー、マレーシア、日本からの研究者をはじめ、AMED、国際協力機構(JICA)、HelpAge International、WHOの各代表者などを含む約50名が参加しました。

2日目は、ラインタヤ郡区の農村保健所において、研究調査から得られたエビデンスを実践に活かす方法について、地域のプライマリ・ヘルス・ケアに携わる保健医療職員を対象とした研修を行いました。この研修では、JAGESから得た教訓をもとに、データを視覚化(見える化)することで、調査結果をより分かりやすくしました。郡区の医官、保健官、公衆衛生監督、女性保健訪問員、助産師など様々な立場でプライマリ・ヘルス・ケアに従事する約40名が参加しました。本研究を通じて収集された最新のデータが提供され、参加者は積極的にその解釈に取り組み、また地域の状況に合った形で高齢者の健康や保健サービスへのアクセスを向上させる方法について意見を交換しました。