2019-12-18

JAGESを応用した国際研究の成果発表

日本老年学的評価研究(JAGES)の手法や教訓をもとに、中所得国における健康な高齢化や健康の公平性に向けて行われている研究の初期分析結果が、今月上旬に第34回日本国際保健医療学会にて発表されました。

WKCが助成する本研究では、高齢者の健康、機能、健康格差の測定に関わるJAGESの調査手法を、今後急速な高齢化が予測されているマレーシアおよびミャンマーにおける研究に応用しています。

ミャンマーでの調査の結果、60歳以上地域在住高齢者において54%が高血圧を示し、うち37%は医療機関での診断歴がなかったことが分かりました。これはミャンマーの高齢者における保健医療サービスへのアクセスやUHCの課題に強い示唆を与える結果です。

また、ミャンマーにおける都市部と農村部では、農村部でうつリスクが高い傾向があり、これは地域間の教育や経済の格差によるものと考えられます。別の分析では、身体的障がいがあることは高齢であることと生活のゆとりがないこと、および社会的サポートが少ないことと関連しました。さらに、健康で社会経済的地位が高いことに加え、社会参加している高齢者は幸福度が高いことが分かり、とくに都市部では社会的サポート、農村部では社会的結束が高いほど高齢者の幸福度が高いことが判明しました。

JAGESは地域在住高齢者に関する縦断調査としては日本最大級であり、高齢者の健康や健康格差の決定要因を解明することを目的としています。JAGESは市町村や中央政府と効果的に連携することで、科学的研究とそこから得られた知見の政策や事業への転換の促進を図ります。高齢者の健康の要因を特定し、それにもとづいた公衆衛生戦略も示すことで、国や自治体に高齢者の健康に有益な政策や取り組みを促してきたJAGESの発展過程とそこから得られた教訓をWKCはこれまでにもまとめています。