Q&A(COVID-19):感染経路について

更新日

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19):感染経路について

2021年12月23日 改訂版|Q&A

原文はこちら

COVID-19はどのように人々の間で感染が広がっていくのでしょうか?

昨今の科学的根拠からは、主に濃厚接触をした人(話をする程度の距離にいた人)の間でウイルスが広がるとされています。

  • ウイルスは、感染者が咳やくしゃみをしたり、話をしたり、歌を歌ったり、大きく呼吸したりする際に、小さな液体の粒子となって口や鼻から拡散します。他の人がこのウィルスに接触するのは、ウイルスを含んだ粒子が空気中の短い距離を通って吸い込まれた時(短距離飛沫核感染、短距離空気感染などと呼ばれる)、またはウイルスを含んだ粒子が直接目や鼻、口などに入った時です(飛沫感染)。
  • また、換気が悪いまたは混雑した室内の環境で、長い時間人が滞在するような場所でも、ウイルスは広がります。これは、エアロゾルが空中に残る、あるいは会話する距離より遠くまで飛んでいくためです(長距離飛沫核感染、あるいは長距離空気感染)。
  • ウイルスに汚染されているモノの表面に触り、その後目や鼻、口などを触った場合も、ウイルスに感染する可能性があります。

ウイルスの伝搬や、最もリスクが高い環境やその理由についてより深く理解するため、さらなる研究が行われています。また、昨今出現しているウイルスの変異株に関する研究も進行中で、なぜいくつかの変異株は強い感染力を持つのかについても調査されています。SARS-CoV-2 の変異株に関する最新情報は、週ごとに更新される疫学情報をご覧ください。
 

ウイルスはいつ感染者から他の人にうつりますか?

症状の有無に関わらず、感染者から他の人へと感染しウイルスが広がる可能性があります。

研究データによると、感染者は症状が出る直前(すなわち症状が出る2日前)から病気の初期にかけて、最も感染力が強くなることが示されています。重症化した人は感染力のある期間がより長くなります。

症状がまったく出ない人でも、他の人にウイルスをうつすことはあります。しかしその頻度は明らかになっておらず、さらなる研究が必要です。
 

無症状の人と発症前の人の違いは何ですか?どちらも症状がない人という意味ではないのですか?

どちらも症状が出ていない人を指す言葉です。違いは、「無症状」は感染しているけど症状が出ない人を指し、「発症前」はまだ症状が出ていないものの、後になって症状が出る人を指します。

COVID-19が広がりやすい環境はありますか?

はい、人と人が長時間密接している状況では感染のリスクが増加します。屋内、特に換気が悪いまたは換気されていない場所では、屋外よりもリスクが高くなります。よりたくさんの粒子が口から出るような活動、例えば歌うこと、運動中に呼吸を荒げることなども、感染のリスクを上昇させます。

以下の3つの密」は、これらを理解する上で役立ちます。3密は、COVID-19のウルスがより広がりやすい環境について述べています

  • 近距離で人が密集する混雑した場所
  • 人と密接し、特にお互いが近づいて会話をする場所
  • 換気の悪い密閉された空間

この「3つの密」が重なる場所では、COVID-19が広がるリスクは特に高くなります。

COVID-19の治療を提供している医療施設では、エアロゾル発生手技と呼ばれる医療上の手技を行う間、感染のリスクが上昇します。エアロゾル発生手技はとても小さな飛沫を生成し、その飛沫が長い間空中をただよい、会話をする距離(典型的には1メートル)よりも先に広がります。このため、これらの手技を行う、あるいは手技が行われる環境にいる医療従事者は、レスピレーターマスクを含む適切な個人用防護具を使用するなど、エアロゾル用の空気感染予防策を講じる必要があります。またこうした理由から、手技が実施されている場所へは関係者以外の立ち入りは禁止されています。

COVID-19の感染リスクを減少させるにはどうしたらいいでしょうか?

あなた自身や大切な人をCOVID-19から守るためにできることはたくさんあります。リスクを知れば、リスクを減らすことができます。以下のような標準予防策を講じましょう。

  • 地域のガイダンスに従ってください。国、地域、地方自治体がどのようなアドバイスをしているかを確認し、自分の住んでいる場所に最も関連した情報を得るようにしましょう。
  • 人との距離を保ちましょう。相手の体調が悪そうに見えなくても、1メートル以上は離れてください。症状がなくてもウイルスに感染している可能性があります。
  • マスクをつけましょう。顔にしっかりと合う、3層構造のマスクをつけてください。特に物理的距離を確保できない時や、室内にいる時には重要です。マスクをつけ外しする前後には手を洗いましょう。
  • 混雑した、換気の悪い、室内にある場所を避け、長く人と接することも避けましょう。室内より室外で時間を過ごしましょう。
  • 換気はとても大切です。室内では窓を開けて外気の流入を増やしてください。
  • 特に公共の場や医療施設では、COVID-19に感染した人が触れた可能性を考え、モノの表面に触れないようにしてください。またモノの表面は標準的な消毒剤で定期的に清掃してください。
  • 石鹸と水、または擦式アルコール製剤で、こまめに手をきれいにしましょう。可能であれば擦式アルコール製剤を携帯し、頻繁に使用してください。
  • 咳やくしゃみをするときは、肘やティッシュで覆い、使用したティッシュは密閉されたゴミ箱にすぐに捨てましょう。その後手を洗うか、擦式アルコール製剤を使用しましょう。
  • ワクチンを受けましょう。接種できる番が来たら、受けてください。ワクチンについての地域の案内や推奨事項に従ってください。

詳しくは、一般向けアドバイスのページをご覧ください。
(WHO神戸センター「新型コロナウイルス(COVID-19)一般向け情報提供」ページはこちら