Q&A(COVID-19):マスク

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19):マスク

2022年1月5日改訂版|Q&A

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なぜマスクをしなければならないのでしょうか?

マスクは感染を抑え、命を守るための重要な対策です。

マスクの着用は、「できることは全てやろう!」という包括的アプローチの一環として行われる必要があり、他の対策には物理的距離の確保や、人混みや密閉空間、密に接触する場所の回避、十分な換気、手洗い、そしてくしゃみや咳をするときは覆うことなどがあります。

マスクは種類によって、健康な人を保護するためのものと、他人への感染を防ぐためのものがあります。

 

一般の人はどのようなマスクを着用すべきですか?

WHO3種類のマスクを一般の人に推奨しています。

  • ASTM F3502規格またはCEN Working Agreement 17553に準拠した再使用可能な非医療用マスク、あるいは WHO の必須パラメータを満たした非医療用マスク
  • 医療用マスク規格 EN 14683 Type I、ASTM F2100 Level 1、YY/T 0969、YY 0469(または同等品)に準拠した使い捨て医療用マスク
  • 他の選択肢がない場合は、自作の多層式マスクを含む、フィットした非医療用マスク

 

また、次のような人たちは、感染するとCOVID-19が重症化し、死亡するリスクが高いため、使い捨ての医療用マスクを推奨しています。

  • 60歳以上の人
  • 慢性呼吸器疾患、心血管疾患、癌、肥満、免疫不全患者、糖尿病を含む基礎疾患を持つ全年齢の人

 

使い捨ての医療用マスクは、以下の人にも推奨されています。

  • 筋肉痛、軽い咳、のどの痛み、倦怠感などの軽い症状の方も含め、体調がすぐれない人
  • COVID-19の検査結果を待っている人、または最近検査で陽性になった人

 

在宅ケア、長期ケア施設、地域ケアの現場など、COVID-19が疑われる患者、または確定患者にケアを提供するあらゆる現場で、ケア提供者はレスピレータマスク、または医療用マスクを着用する必要があります。

一般の人がマスクを着用するのはどんなときですか?

SARS-CoV-2の市中感染・クラスター感染がある場合、ワクチン接種の有無や過去の感染歴にかかわらず、一般の人が世帯員以外の人と接する際には、鼻と口を覆うフィットしたマスクの着用が推奨されます。

  • 換気が悪いことが分かっている、または分からない、あるいは換気システムが適切に維持されていない屋内環境。この場合最低1メートルの物理的距離が取れるかどうかにかかわらず必要。
  • 少なくとも1メートルの物理的距離が保てない、適切な換気のある屋内環境。
  • 少なくとも1メートルの物理的距離を保てない屋外環境。

 

換気の良し悪しを判断するのは、必ずしも簡単ではありません。わからない場合は、マスクを着用するのが無難です。マスク着用中であっても、できるだけ他人との物理的な距離を保ち続けることが必要です。マスクをしていれば、人と密接に接触して良いというわけではありません

COVID-19の流行下で、医療従事者はいつマスクを着用すべきですか?

医療従事者は、在宅ケア、長期ケア施設、地域ケアの現場など、COVID-19疑い患者または確定患者がいる部屋に入る前に、ガウン、手袋、目の保護具などの個人防護具(PPE)とともに、レスピレータマスク、または医療用マスクを着用する必要があります。

 

次のような場合は、レスピレータマスクを着用する必要があります。

  • 換気が悪いことが分かっている、あるいは評価できない、あるいは換気システムが適切に維持されていないケア現場において。
  • 医療従事者の価値観や選好から、あるいはSARS-CoV-2感染予防のために、何が最も高い予防効果をもたらすかという認識に基づいた判断から、レスピレータマスクを要すると考えた場合。

 

エアロゾル発生手技(AGP)を行う医療従事者、および集中治療室、準集中治療室、救急部など、COVID-19が疑われる患者または確定された患者にAGPが定期的に行われる環境で勤務する医療従事者は、他のPPE(ガウン、手袋、眼保護)と共にレスピレータマスクを常に着用する必要があります。

 

医療用マスクとN95などのレスピレータマスクの違いは何ですか?

医療用マスク(サージカルマスクとも呼ばれる)は以下の要件を満たしています。

  • 3層の合成繊維不織布からなる
  • 真ん中に濾過層が挟まれるように構成されている
  • 異なる厚みで利用可能
  • 様々なレベルの耐液性・ろ過性を持つ

レスピレータマスク(フィルタリングフェイスピース呼吸器:FFP)には、FFP2、FFP3、N95、N99、N100など、さまざまな性能のものがあります。

医療用マスクとレスピレータマスクは、ろ過するという点で似ています。しかし、レスピレータマスクは、十分な密閉性を確保するために、着用者の形状やサイズに応じたものを使用するため、顔へしっかりとフィットします。レスピレーターマスクは、エアロゾル発生手技が行われる場所あるいは区域でCOVID-19患者にケアを提供する医療従事者を保護できるように設計されています。また、換気が悪いことが分かっている、または評価できない、あるいは換気システムが適切に維持されていない環境で、COVID-19が疑われる患者または確定している患者を治療する医療従事者にも推奨されます。

医療従事者は、レスピレータマスクを使用する前にフィットテストを受けて、正しいサイズの呼吸器を装着していることを確認する必要があります。ちゃんとフィットしていないマスクを着用すると、側面などの隙間から小さな粒子がマスク内部に侵入する可能性があり、期待されるレベルの保護は望めません。

布マスクを購入する場合はどう選べばよいですか?自分で作る場合、理想のフィット感はどの程度ですか?また生地はどのように選べばいいのでしょうか?

ろ過性、通気性、フィット感、どれも重要です。

医療用以外のマスクを購入する場合は、ASTM F3502規格またはCEN Working Agreement 17553に準拠しているかどうか、ラベルを確認してください。

マスクを自作する場合は、3枚の布を重ねたものを使用します。

  • 綿などの吸収体を内層に使用。
  • ポリプロピレンなどの非吸収性不織布の中間層。
  • 表地は、ポリエステルやポリエステル混紡などの非吸収性素材。

WHOが推奨する布製マスクの素材と構成について、詳しくはこちらのビデオをご覧ください。

どちらのタイプも、鼻、頬、あごの3点を隙間なく覆い、自分の顔にフィットするものを選ぶとよいでしょう。通気孔や呼気弁のあるマスクは、ろ過されていない息がマスクから漏れてしまうため、お勧めできません。

COVID-19に関連して、医療従事者はいつマスクを着用すべきですか?

医療従事者は、COVID-19が疑われる患者、可能性が高い患者、確定された患者と密接に接触しているため、COVID-19に曝露される可能性が最も高いと言えます。

市中感染やクラスター感染が発生している地域では、物理的な距離が保てる場合でも、医療従事者、ケア提供者、訪問者は、医療施設内では常にマスクを着用する必要があります。マスクは、飲食時や特別な理由で交換する場合を除き、勤務中ずっと装着してください。

  • 医療従事者やケア提供者には、医師、看護師、助産師、医療従事者、清掃員、地域保健従事者、その他臨床分野で働く人が含まれます。
  • 医療従事者は、マスクの着脱の前後や再調整のためにマスクに触れるときは、必ず手洗いを行ってください。

SARS-CoV-2の市中感染またはクラスター感染がある環境では、臨床区域にいる医療従事者は、飲食時や特定の理由でマスクを交換する必要がある場合を除いて、シフト中は医療用マスクを着用しましょう。

医療従事者は、患者のケアを行っていないときは、同僚や施設内の他の人と物理的に距離を置き、不必要な密接な接触を避けるべきです。

 

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布マスクはどのように着用し、洗浄すればよいでしょうか? 布製マスクの着用方法

布製マスクの着用方法

  • マスクに触れる前に、擦式アルコール製剤または水と石鹸で手をきれいにしましょう。
  • マスクに破れや穴がないか点検し、破損したマスクは使用しないでください。
  • マスクで口、鼻、顎を覆うようにして、側面に隙間がないように調整しましょう。
  • 紐を頭や耳の後ろに掛けます。顔の側面に隙間ができるため、紐は交差させないでください。
  • 装着中はマスクに触れないようにしてください。触れた場合、手をきれいにしましょう。
  • マスクが汚れた場合や濡れた時には交換してください。

 

布マスクの外し方と保管方法

  • マスクを外す前に、手をきれいに洗いましょう。
  • マスクの前面に触れないように、紐をもって耳からマスクを外してください。
  • 布マスクが汚れたり濡れたりしておらず再利用する予定であれば、ジッパー付きの清潔なプラスチック製の袋に入れましょう。再利用する際、袋から取り出すときはマスクの紐を持ってください。一日一回はマスクを洗いましょう。
  • マスクを外した後は手をきれいに洗いましょう。

 

布マスクの洗い方

  • 布マスクは、1日1回以上できればお湯(摂氏60度以上/華氏140度以上)で石鹸又は洗剤を使用して洗いましょう。
  • お湯でマスクを洗えない場合は、石鹸・洗剤と常温の水で洗ったあと、マスクを1分間煮沸します。

 

動画「布マスクの使い方」で実演していますので、そちらをご覧ください。

医療用マスクの着脱はどのようにすればよいのでしょうか?

医療用マスクの着脱方法

  • マスクに触れる前には、擦式アルコール製剤または石鹸と水で手をきれいに洗いましょう。
  • マスクに破れや穴がないか点検しましょう。過去に着用したものや、破損しているマスクは使用しないでください。
  • どちらが上かを確認してください。通常、ワイヤーがある方が上です。
  • 次に、マスクの内側(通常は白い面)を確認してください。
  • マスクで鼻、口、顎を覆うようにして、顔とマスクの間に隙間ができないように装着しましょう。紐は頭や耳の後ろに回します。マスクの側面に隙間ができるため、紐を交差させないでください。
  • ワイヤーをつまみ、鼻の形に合わせて曲げてください。
  • 汚染を避けるために、使用中はマスクの前面に触れないようにしてください。誤って触れてしまった場合は、手をきれいに洗いましょう。

 

医療用マスクの外し方

  • マスクに触れる前に、擦式アルコール製剤または石鹸と水で手をきれいに洗いましょう。
  • マスクの前面に触れないよう、頭や耳の後ろから紐を外してください。
  • マスクを外すときは、体を前に倒し、顔からマスクを離すようにしてください。
  • 医療用マスクの使用は一枚につき一回で、すぐに廃棄し、できれば密閉できるゴミ箱に入れてください。
  • マスクに触れたあとは手をきれいに洗いましょう。
  • マスクの状態に気をつけましょう:汚れたり濡れたりしたら替えましょう

運動中にマスクはつけるべきですか?

COVID-19が市中感染している地域でも、マスクは呼吸能力を下げる可能性があるので、きつい運動をしている間はマスクを外しましょう。どれだけ強い運動をしていようと、他の人から1メートルの距離を離し、室内ならば十分な換気が行われていることを確認しましょう。