Q&A(COVID-19):一般の方への旅行に関するアドバイス

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19):一般の方への旅行に関するアドバイス

2021年7月2日 更新版|Q&A

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旅行に行っても良いですか?

COVID-19の重症化リスクが高いグループの人で、ワクチン接種を完了していない場合や、COVID-19に最近感染したために免疫を持っている状態でない場合は、COVID-19が蔓延している地域への旅行は延期を検討してください。

60歳以上の人、慢性疾患を持っている人、基礎疾患を持っている人を含めリスクの高いグループに属する場合は、重症化や死亡のリスクが高まります。目的地でのCOVID-19の状況に細心の注意を払い、検査や隔離を含む入国要件に従ってください。

またCOVID-19の感染率が高い地域では、感染リスクが高まる可能性があります。旅行を計画する上で、自分の健康状態や目的地におけるCOVID-19のリスクを知ることが大切です。

旅行のルールは、出発地と目的地がどこかによって異なります。出発国と目的国の両方から出ている旅行に関するアドバイスに従いましょう。

旅行中はどのような予防策を行えばよいでしょうか?

どこにいても、COVID-19の予防策をとりましょう。例えばマスクの着用、こまめな手洗い、1メートル以上物理的距離の確保、人混みや風通しの悪い場所や環境をできる限り避けることなどです。

旅行中は、密接、密閉、密集(3つの密)した場所に行くことがあり、COVID-19を引き起こすウイルスにさらされるリスクが高くなります。可能な限り、開放的で換気の良い場所で過ごしてください。また旅行中は、COVID-19の予防接種を完了していても予防策を講じてください。

会場、交通機関、空港・バスターミナル・駅などの旅行拠点で要求されるCOVID-19の旅行方針・規則には必ず従ってください。それらは旅行前に知っておきましょう。

どのような人が旅行を避けるべきですか?

COVID-19の症状(発熱、咳、息切れなど)がある人は、旅行を控えてください。COVID-19の症状が出ている場合は自宅で待機し、他の人から隔離して過ごしましょう。COVID-19と診断された人が近くにいた場合は、隔離し、地方自治体の指示に従い症状に注意してください。

60歳以上の人、慢性疾患を持っている人、基礎疾患を持っている人など特定のグループに属する場合は、COVID-19による重症化や死亡のリスクが高まります。これらのグループに属し、ワクチン接種を完了していない場合や、COVID-19に最近感染したために免疫を持っている状態でない場合は、COVID-19が蔓延している地域への旅行を延期することを検討してください。

「必要不可欠な渡航」とはどういう意味ですか?

COVID-19の感染拡大を阻止するための公衆衛生上の取り組みの一環として、渡航は必要不可欠と見なされるものに限定・制限される場合があります。必要不可欠な渡航の定義は、各国の関係当局によって異なります。

必要不可欠な渡航には、緊急時や人道的活動のための渡航(緊急医療のための飛行や医療避難など)が含まれる場合があります。必要不可欠な人員(緊急対応の従事者や公衆衛生上の技術支援を行う者、船員や外交官などの輸送や安全保障分野の重要な人員など)が移動する場合も含まれます。必要不可欠な渡航には、母国への送還や、食料、医薬品、燃料などの必要物資を届けるための貨物輸送も含まれます。WHOは各国当局に対し、必要不可欠な理由での渡航は常に進めるよう推奨しています。

体調は良好ですが、高リスクのグループに分類されます。旅行に行くべきでしょうか?

60歳以上の人、慢性疾患を持っている人、基礎疾患を持っている人を含め、特定のグループに属する場合はCOVID-19による重症化や死亡のリスクが高まります。リスクの高いグループに属している場合は、旅行の計画を立てる前にリスクを注意深く検討する必要があります。

COVID-19の予防策として、マスクの着用、こまめな手洗い、1メートル以上の物理的距離の確保、人混みや風通しの悪い場所をできるだけ避けることなどの対策を取ってください。リスクの高いグループに属していて、どうしても渡航しなければならない場合は、医療用マスクを常に着用し、予防策を強化しましょう。

60歳以上の人、重篤な慢性疾患や基礎疾患を持っている人は、少なくとも渡航の2週間前までにワクチン接種を全て終えているか、渡航前6ヶ月以内にCOVID-19に感染したことにより免疫を持っている場合を除き、市中感染が発生している地域への海外渡航、またはそういった地域からの渡航を延期する必要があります。高リスク群の人は、COVID-19に感染すると重症化や死亡のリスクが高くなります。

旅行会社から、旅行中にマスクをするように言われています。どのようなマスクを使えばいいのでしょうか?

以下の場合には医療用マスクが推奨されます。

  • 発熱、咳、喉の痛み、頭痛などの軽度の症状を含め、体調不良を感じている場合
  • 60歳以上
  • 慢性呼吸器疾患、心血管疾患、癌、肥満、免疫不全、糖尿病などの基礎的な疾患がある、全年齢の人

布マスクを使用する場合、WHOは適切な装着感があり以下の要件を満たす3層構造のマスクを推奨しています。 

  • 内側の層には綿などの吸水性の高い素材を使用
  • 中間層にはポリプロピレンなどの非吸水性の不織布を使用
  • 外側の層には、ポリエステルやポリエステル混紡などの非吸水性素材を使用

マスクの着用は、こまめな手洗い、1メートル以上の距離の確保、人混みや風通しの悪い場所をできるだけ避けることなどの重要な予防策の一部に過ぎないことを忘れないでください。

マスクの選び方、つけ方についてはこちらをご覧ください。

旅行前にワクチン接種証明書を取得する必要がありますか?

旅行の前に、出発地と目的地で適用される要件やポリシーを確認してください。各国にはそれぞれのルールがあります。

一部の国では、完全に予防接種を受けた旅行者や、最近SARS-CoV-2に感染したことを証明できる旅行者に対して、検査や検疫などの特定の要件を免除しています。

たとえワクチンを接種していても、旅行中はマスクの着用、こまめな手洗い、1メートル以上の物理的距離の確保、人混みや風通しの悪い場所をできるだけ避けることをWHOは推奨しています。

目的地の出入国時にスクリーニングを受けることはありますか?

はい、会場や目的地、国への出入りの際にはスクリーニングを受けることがあります。旅行の計画を立てる際には、何が求められるか、何が起こりうるかを確認してください。

出入国審査では、面談、体温チェック、呼吸器系の症状(発熱、咳、息切れなど)の評価などが行われます。COVID-19の症状がある人や確定診断を受けた人に接触した可能性がある場合、その情報を求められることがあります。

旅行中にデジタル接触者追跡アプリを使うべきですか?

訪問する会場、目的地、国によっては、デジタル接触者追跡アプリのダウンロードと登録を要請または要求する場合があります。これらのアプリは、COVID-19への感染が確定した人と接触した可能性のある旅行者を特定し、旅行者に知らせるための情報源となります。

COVID-19の検査は出発前に受けるべきですか?到着後に受けるべきですか?

旅行前に調べておきましょう。訪問する会場、目的地、国によっては、病気の感染拡大を防ぐための戦略の一環として、出発前または到着時にCOVID-19の検査を要求する場合があります。出発直前や到着時のCOVID-19検査は、旅行者の健康状態を把握するために使用されます。通常通り、マスクの着用、こまめな手洗い、1メートル以上の物理的距離の確保、人混みや風通しの悪い場所をできる限り避けることは続けてください。

目的地ごとに独自のポリシーがあるので、旅行前に検査に関する要件を把握しておくことが重要です。

移動中や目的地への到着後に症状が出た場合はどうなりますか?

移動中や目的地に到着してからCOVID-19の症状が出た場合は、直ちに保健所に連絡し指示に従ってください。隔離が必要になる場合があります。また旅行の同行者もあなたと接触しているため、隔離が必要になることがあります。

渡航先でCOVID-19の検査を受けるように言われた場合、費用はいくらかかりますか?

ほとんどの場所では、身体診察、検査、ワクチン接種に費用はかかりません。国際保健規則(IHR)は、WHO加盟国194か国を含む196か国において法的拘束力のある国際法上の枠組みです。IHRには、健康対策を施行する際に旅行者の権利を保護するための、重要な措置が含まれています。

IHR(2005)に従い、以下の費用は国から請求されるものではありません。

  • 健康状態を把握するための健康診断
  • 到着時に必要な予防接種や保護具(少なくとも10日前までに公表されていない場合)
  • 適切な隔離施設
  • 入国に必要な措置が講じられたことを証明する、入国時に必要な証明書
  • すべての手荷物

目的地に到着してからの注意点はありますか?

旅行の計画を立てる際には、出発地と目的地で適用される要件やポリシーを確認してください。それらに従いましょう。

COVID-19の予防策として、マスクの着用、1メートル以上の他人との物理的距離の確保、こまめな手洗い、人混みや風通しの悪い場所を避けることなどの対策を心がけましょう。

旅行開始から14日間はCOVID-19の症状について自分自身でモニターし、発熱、咳、喉の痛み、頭痛などの症状が出た場合は、直ちに渡航先の保健機関に連絡してください。呼吸困難や息切れ、胸の痛みや圧迫感、言葉や動作が不自由になるなどの重度の症状がある場合は、直ちに医師の診察を受けてください。

飛行機の中の換気はCOVID-19の感染リスクを減少させますか?

機内には、ウイルスや細菌を素早く除去できるHEPAフィルターを搭載したキャビンエアフィルターがあり、咳やくしゃみで発生する感染性物質にさらされる時間を最小限に抑えることができます。キャビンエアシステムは、外気を約50%、フィルターを通して再循環された空気を約50%供給することで、最も効率よく作動するように設計されています。供給された空気は、基本的に無菌で粒子のない状態です。しかし、十分な換気はCOVID-19の感染リスクを減らすための予防策の一つに過ぎません。その他の重要な対策として、可能な限り1メートル以上の物理的距離を保つこと、こまめな手洗い、マスクの着用などが挙げられます。飛行中にマスクを着用するタイミングや場所については、航空会社や国、地域のガイドラインを確認する必要があります。

移動中に体調を崩した場合はどうすればいいですか?

移動中に体調が悪くなった場合は、移動手段の係員(飛行機、船、列車など)に知らせてください。他の人から離れた席に移動させられる場合もあります。

医療機関の受診方法を聞き、すぐに治療を受けましょう。

旅行中は常にマスクを着用し、こまめに手洗い・消毒を行い、咳やくしゃみをする時は曲げた肘やティッシュなどで口元を隠して行い、可能な限り他の人と1メートル以上の距離を保ってください。できるだけ早く旅行を中止する必要があります。

特定の場所で隔離や施設待機をしなければならないと言われた場合、適切な施設が無料で提供される必要があり、そこでは14日以上の滞在を求められることがないようにしてください。