2018-12-27

健康な高齢化を支える地域レベルの社会的イノベーション(CBSI)レポートを発表

WHO神戸センターは「健康な高齢化を支える地域レベルの社会的イノベーション(CBSI)」研究のPhase 2に関するレポートを発表しました。本研究では10カ国(チリ、中国、イラン、レバノン、ロシア、セルビア、スリランカ、タイ、ウクライナ、ベトナム)でのケーススタディを実施し、CBSIを高齢者が自分や周りの高齢者をケアすることができて、ウェルビイングを維持し、社会とつながっていくための地域レベルの取り組みと定義しました。

CBSIの健康への影響を検討する中で、有益な効果には心理社会的なものが多いことがわかりました。例えば、社会的に孤立してしまった高齢者の地域参加・社会復帰などがあげられます。また、CBSIによって医療や社会的ケアを選択する際に提示される複雑な選択肢から高齢者が自ら選ぶための支援やインフォーマルな介護者(その多くは女性)の支援などが可能であることが明らかになりました。

CBSIの課題には、多くのCBSIの運営をボランティアに依存していて、持続的な財源を持たず、保健制度・社会福祉制度との連携が希薄であることがあげられます。地域レベルのケアとは地域の課題を地域内で解決することではなく、国や自治体の保健部門との連携が大変重要となります。

今後の研究においてWHO神戸センターではCBSIの一般化や大規模化の可能性を評価するため、地域レベルのサービス提供におけるイノベーションを重視していきます。

詳しくは、健康な高齢化を支える地域レベルの社会的イノベーション(CBSI)ページをご覧ください。