2021-01-22

WHO神戸センターにとって初めてのオンラインフォーラム:看護師、保健師、助産師を称える

看護師、保健師、助産師はヘルスケアの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような感染症や自然災害などによる健康危機の最前線で対応に従事します。

昨年11月23日、国際看護師・助産師年である2020年に際して、WHO神戸センターは日本の協力機関と連携して、WKCフォーラム「最前線を担う看護師~グローバルヘルスにおける役割と展望~」を開催しました。COVID-19流行の中、WHO神戸センターにとって初のオンラインフォーラムとなったこのフォーラムを通じて、看護師、保健師、助産師の貢献を再認識しました。

地元や日本の研究・教育機関、保健医療サービスの提供団体等を中心に、およそ300名がフォーラムに参加しました(1)。第1部では、国立国際医療研究センターが翻訳したWHOの文書「世界の看護(State of the World Nursing Report)」を用いて、日本の看護の現状と課題について議論しました。第二部では看護師・保健師・助産師が貢献する様々な現場(病院や介護施設、訪問看護、検疫所、保健所など)の専門家から、COVID-19対応における看護師・保健師・助産師の役割や、COVID-19の現場への影響と今後の展望について議論しました。

WHO神戸センターのサラ・ルイーズ・バーバー所長は、開会挨拶で「COVID-19パンデミックは、世界中の看護師や助産師らの多大な貢献に光を当てました。同時に、保健医療サービスの提供や過重労務、資源の不足なども顕かになりました。保健医療の専門家が、COVID-19に関連する偏見や差別にさらされていることは大変悲しいことです。私たちに必要なのはパンデミックに対して協力して臨む“連帯”です。」と述べました。

災害対策と健康危機管理の担当官であり、本フォーラムの責任者である茅野龍馬医官は、フォーラム参加者に対して、この世界初の課題に対して、看護の専門家が大きな責任と期待を負っていることの困難さを改めて強調しました。茅野医官は、看護師や保健師、助産師を社会全体で支えることの重要性を訴えるとともに、「神戸市のスローガン“Be KOBE”とともに、WHOはCOVID-19に対して3つのスローガン“Be SAFE、Be SMART、Be KIND”を掲げています。特に“Be KIND”、人に優しく、共感と敬意をもって接することの大切さを強調したいです。どれだけ気を付けていても感染する可能性はあります。感染者や感染リスクの高い人を責めることは、感染を隠すことにつながり、結果さらなる感染拡大が起きます。明日自分が感染するかもしれない、ということをいつも忘れないでください。看護師を含む保健医療従事者は、自らが感染リスクを負って、現在の、そして未来の社会に貢献しています。自分が感染したとき、助けてくれるのは医療従事者だということを、忘れないでください。」と述べました。

フォーラム参加者はWHO神戸センターがつくったこの機会に謝意を表しました。WHO神戸センターは、看護師、保健師、助産師を含む保健医療従事者と社会の全ての人たちが、共に手を取り合ってパンデミックに取り組んでいけるよう、支援を続けて参ります。

 

 

(1) 連携機関と演者の所属する協力機関:参議院議員、国立国際医療研究センター兵庫県立大学、神戸市看護大学、兵庫県看護協会、日本看護協会・Nursing Nowキャンペーン、聖路加看護大学、千葉大学、兵庫県立尼崎総合医療センター、神戸大学医学部附属病院、東京検疫所、神戸市保健所