2018-02-03

「2050年の世界と日本とは?」高校生が国際問題を考える

WHO神戸センターと兵庫県教育委員会、大阪大学は、WKCフォーラム・第5回高校生「国際問題を考える日」を2月3日に神戸ファッションマートKFMホール「イオ」にて開催しました。当日は兵庫県下の高校生を中心に約450人が参加し、基調講演、パネルディスカッション、ポスターセッションを通して、2050年の世界と日本の姿について意見をぶつけ合い、共に考えました。

基調講演では、野崎慎仁郎・WHO神戸センター上級顧問官が「2050年世界と日本〜世界がうらやむ幸福社会」をテーマに講演し、「2050年、少子高齢化がさらに進む日本では人口が減少し、経済活動も低下し、GDPは世界8位になると予測されている。税金は?介護は?と暗いニュースをマスメディアでは取り上げられているが、悲観する必要はない。日本は世界に先んじて超高齢社会を体験し、日本に蓄積されている教訓は必ず世界でも生きる。格差の少ない健康社会を築く、楽しい社会を築くことが大切」と語りました。

 

続いてのパネルディスカッションでは、高校生4 名が発表。神戸高校2年の松長倖多さんは「生産性の向上が人口減少に苦しむ日本にとって必要になる。過去の知恵を生かし、新技術やAIの積極的な起用も」と話し、篠山鳳鳴高校2年の前川瑠奈さんは「世界の飢餓の問題に注目したい。世界に食べ物は十分にあるのに行き渡らない。自分たちの日々の食べ残しや食品ロスを考えるべき」と語りました。



続いて、明石北高校2年の西村理沙さんは「日本独自の精神を大切に、モノの豊かさよりも心の豊かさを尊びたい。世界と繋がる時代のいまだからこそ、テクノロジーやサイエンスを使いこなすことが求められる」と語り、加古川東高校2年の脇舛美菜さんは「依存大国日本からの脱却が必要。日本の技術や教訓を提供し、新興国に貢献しながら、うまくつきあっていくことが求められる。新興国の生産現場についても思いを寄せたい」と話しました。

会場からのQ&Aでは多くの質問が相次ぎ「高齢者に対する偏見にどう向き合うのか」「高校生のスマホ依存。技術に支配されないように」「日本が移民をもっと受けいれたらどうなるのか」など、白熱した議論が展開されました。

午後のポスターセッションでは70件以上の展示とオーラル発表があり、多くの質問が投げかけられ、会場に活気が満ち溢れました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。