2016-11-02

WHO国際統計分類第 11 版(ICD-11)改訂にむけて

今年10月、疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, or ICD-11(国際統計分類))第 11 版改訂会議「ICD-11 改訂会議:保健医療情報の新時代」とWHO国際統計分類(WHO Family of International Classifications(WHO-FIC)) ネットワーク年次会議(2016)が東京で開催されました。

「ICD-11 改訂会議:保健医療情報の新時代」で、アレックス・ロスWHO神戸センター所長が講演し、高齢者の機能・健康状態を総合的にモニターしていくためには国際生活機能分類や国際統計分類、その他の指標をうまく統合して使用していくことの重要性を訴えました。

マーガレット・チャンWHO事務局長は「医療、疫学、公衆衛生の各分野に最先端の統計ツールを提供することは、歴史的にも意義深く、大きなチャンスです。詳細で、正確で比較検討に適したデータは何をするにも基礎となるからです」と開会の辞を述べました。

国際統計分類(ICD)の重要性

国際統計分類(ICD)は100年の歴史を持つ疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するための統計分類で、アルファベットと数字を用いたコードで表され、人口動態統計や健康情報の管理に使用されています。第 11 版では、正確で比較検討に適した高品質のデータの収集、SDGで設定された死因別の目標、指標の達成状況の検討が可能で、健康データの電子化や統計学的な用途(医師や検死官が使用する医療用語の統合)にも対応し、疫学・健康管理の国際的な医療診断分類(自治体や保険会社からの保険償還を含む)として役立つよう検討されています。

これまでは、高齢者や障がい者の機能をモニターする分類や指標が不足しており、 国際生活機能分類も限定的な使用にとどめられていました。また、多くの国において、種類が多い指標や基準を十分に使いこなせていないという懸念がありました。

WHO神戸センター所長は講演の中で、特に機能面について評価する上で、さまざまな指標や基準を調整して活用するための提言を行いました。今後、 国際統計分類第 11 版はWHOの担当部門(Department of Information, Evidence and Research)が中心となって取りまとめられます。WHO神戸センターはWHO各部門と連携しながら、高齢化やUHC、エイジ・フレンドリー・イニシアティブなどに関する指標について助言を行っていきます。

YouTube: 国際疾病分類 (ICD)

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