2019-10-28

WHO神戸センターと英国の協力機関がユニバーサルヘルスカバレッジ促進に向けての研究について討議(ロンドン)

WKC in London

WHO神戸センター(WKC)のポール・オン技官はロンドンを訪れ、英国の一連の協力機関と会合を開き、人口高齢化に照らしたユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の実現に向けた、保健医療サービスの提供、資金調達と革新に関するWKCの研究について討議しました。

ヘルプエイジ・インターナショナル(ロンドン事務局)、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、キングス・カレッジ・ロンドン、欧州保健制度政策研究所、英国国際長寿センターにてセミナーを開催し、UHC実現に向けてのWKCの研究課題に関して説明すると共に、人口の高齢化がUHCに与える影響について、活発な議論が行われました。人口の高齢化が進む中、また感染性疾患と母子保健医療サービスにおいて顕著な改善が実現され寿命が延び非感染性疾患が増加する中、どのようにして中・低所得国が保健医療制度の拡充を着実に進めて行けるのかについて検討されました。さらに、慢性進行性疾患を患う高齢者に対する複数の分野にまたがる継続的なケアシステムを構築するにあたっての課題について、WKCが進める研究「サービスと生活の質とが最適されることを目指したサービス提供モデル」に基づき検討されました。

UHCと人口高齢化に関するWKCの研究についてのこの討議の機会は高く評価され、参加者はWHOが進めているUHC実現に向けた取り組みと価値を再認識し、次のように述べました。「UHCへの取り組みは、高齢者への対策や、高齢者や他の年齢層にまで影響が考えられる疾患の対策のために実現すべき事柄の、長いリストを作るだけではありません。UHCは、価値に基づきエビデンスに裏付けされた、保健医療制度全体への考察とアプローチが必要で、かつ慎重な政策の選択、政治的意志と推進力が一体になって実現されるものであることが、初めて分かりました。