2013-07-17

中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoVs)に関する緊急委員会の勧告

ジュネーブ時間の2013年7月17日午後12時から午後4時4分にかけて、国際保健規則(IHR)に準じ、WHO事務局長の招集による第2回国際保健規則(IHR)緊急委員会が開催されました。

緊急委員会のメンバーに加え、委員会*の専門アドバイザーが会議に参加しました。委員会の非公式会合では、今回の流行による影響を受けた加盟国が電話会議を通じて議論に参加しました。電話会議に参加した加盟国は、フランス、ドイツ、イタリア、ヨルダン、サウジアラビア、カタール、チュニジア、そして英国です。

委員会では、事務局及び加盟国との調整のもと第一回会合において加盟国より出された質問に対応すると共に、MERS-CoVsに関する様々な側面に関する情報について、再考察及び審議が行われました。

現在ある情報を基にしてその脅威に関する考察を行った結果、委員会の全会一致により、現段階では国際的な公衆衛生上の緊急事態にはないと判断しました。

現状が国際的な公衆衛生上の緊急事態に当たらないと判断する一方、委員会ではWHO及び加盟国に対し、下記事項を含む幅広い側面での懸念事項に関する技術的アドバイスの提供を行いました。

  • 状況監視、検査能力、接触者の追跡、そして血清学的調査の強化
  • 感染防止、コントロール、及び臨床管理
  • 渡航に関するガイダンス
  • リスク・コミュニケーション
  • 調査研究(疫学、臨床、及び動物実験)
  • データ収集の強化、及び国際保健規則(2005)に準じてWHOに対してすべての確認症例及び可能性の高い症例についての完全かつタイムリーな通報強化

WHO事務局では加盟国に対する情報提供を強化すると共に、9月に再度緊急委員会を召集することにしています。しかしながら、緊急事態が発生した場合は、前倒しで委員会を招集する可能性があります。

上記及び現在ある情報をもとに、WHO事務局長は、MERS-CoVsの状況は重大であり警戒が必要であるが現段階では国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言するに至らない、とする委員会によるアセスメントを了承しました。

WHO事務局長は、広範囲にわたる各国政府が取りうる保健対応策へのアドバイス、及びWHOによるフォローアップへのアドバイスの提供に関して、委員会に対して感謝の意を表明しました。

* 緊急委員会の委員リストが更新され、委員会のアドバイザーも委員リストに加えられています。