2020-08-18

WHO神戸センター グローバルヘルスに関する新刊参考書を分担執筆

WKC所長のサラ・L・バーバーとポール・オン技官は、WHOの母子と青少年の健康および高齢化と健康に関する部門(スイス、ジュネーブ)のジー・A・ハン医官と共に、2020年7月にシュプリンガーから出版された『Handbook of Global Health』の「高齢化社会における長期ケア」の章を執筆しました。

公衆衛生の進歩により、世界では人口の高齢化が進んでいます。多くの国では、身の回りの日常的なことが自分でできなくなった人が自立して安全に生活するのを助ける長期ケア(介護)の提供者として、家族や地域が頼りにされています。しかし、高齢化が進むにつれ、そのようなインフォーマルな介護者も減りつつあります。そこで公的な長期ケアのサービスや施設の整備および資金提供に果たす政府の役割は増しているものの、財源の確保に関して難題に直面しています。

長期ケアにおける政府の役割が拡大しても、家族や地域、熟練した介護者に長期ケアの提供を支援してもらう必要があると著者らは結んでいます。高齢者やその家族が経済的に苦しむことなく、質の良いケアをあらゆる人が確実に利用できるようにするためには、介護業務への就業をどのように促進するか、インフォーマルな介護者にどのようなインセンティブを与えるか、またケアサービスのカバレッジをどのように拡大するかに関して研究を進める必要があります。