2015-08-19

世界人道デー ~人道支援に携わる医療従事者に「ありがとう」を~

世界人道デーは、紛争や感染症、自然災害などの危険と隣り合わせになりながらも、人道支援に携わる支援者たちに思いを寄せ、世界中の支援活動を讃える日です。2003年8月19日、イラクで人道支援等を担っていた国連事務所が攻撃され、当時の国連事務総長イラク特別代表セルジオ・ビエイラ・デメロ氏をはじめ22名のスタッフが亡くなり、100名以上が負傷するという痛ましい事件が起こりました。そしてこの事件とその犠牲者を記憶に留めるため、それから5年後の2008年、この日を「世界人道デー」とすることが国連総会で定められました。

今年の世界人道デーにおける、WHOのテーマは「人道支援に携わる医療従事者への感謝」です。この日を記念して、WHOは紛争や自然災害、新興感染症などに対し、苦境の中、医療支援を続ける医療従事者をテーマにしたキャンペーンを行います。

WHO神戸センターもこのキャンペーンに加わり、世界中の人道支援に携わる医療従事者を讃えます。 「健康は全人類の基本的権利のひとつである」というWHO憲章の宣言を、身をもって体現しているのが、彼ら人道支援に携わる医療従事者です。人種、肌の色、国籍に関わらず、自身の安全や生活よりも優先して他者のために働く、その最前線に彼らはいます。エボラが流行したギニア、リベリア、シエラレオネでは、今年7月5日までに、875名の医療従事者の感染が報告されました。そしてその半数以上、509名が亡くなっています。また、危険と隣り合わせなのは、エボラだけではありません。去年1年間だけで、緊急の人道支援に携わっていた603名の医療従事者が襲撃等により命を奪われ、958名が負傷しています(32カ国合計)。

医療従事者が人道支援に携わる場合、その多くが、極めて厳しい設備、環境で行われます。今年3月に採択された「仙台防災枠組」では、健康危機に焦点が当てられ、健康危機管理のためのアクションが30以上も記載されました。また、2016年には「人道」をテーマとした世界初のサミット「世界人道サミット」がトルコのイスタンブールで開催されます。このサミットを通じて、人道危機を解決するための世界中の知恵が結集することでしょう。WHOとWHO神戸センターは様々な側面から、世界の国々に対して支援を行っています。

-- WHO人道支援アクション(英語)
-- WHO西太平洋事務局 危機と人道支援アクション(英語)

WHO神戸センターは、無私の精神で医療支援に携わる日本の医療機関、医療従事者を讃えます。災害時の看護を専門とする唯一のWHOコラボレーティングセンターである兵庫県立大学地域ケア開発研究所は、自然災害の多いアジア地域において、被災者への医療支援を充実させるべく、高知県立大学、東京医科歯科大学、千葉大学、日本赤十字看護大学と共に、日本で初めての国公私立共同大学院、「災害看護グローバルリーダー養成プログラム」を立ち上げ、災害に対する革新的な大学院教育が行われています。

共感をいただける方は、「ありがとう!」のメッセージを、ツイッター #ThanksHealthHeroまでお送りください。

    ※紹介
    世界人道デーは、国連総会決議に基づき、OCHAをはじめ国連機関やそのパートナー団体等が中心となって展開されているキャンペーンです。
    日本でのイベントは、OCHA駐日事務所のある神戸市で、写真展や記念イベントが行われます。また、この期間に合わせて、神戸の街がライトアップされます!#ShareHumanity #WHD2015

    関連リンク: