2013-02-24

都市部における災害対応のための リーダシップ養成パイロット研修コースを開催

WHO神戸センターでは、地方自治体において緊急・災害発生時に保健医療支援を担当する幹部職員を対象とした研修コースを開発し、2013年2月24日(日)に20名の参加者を招いてパイロット研修コースを実施しました。この研修コースは、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構より助成を受けて実施している「兵庫県内地方自治体における災害保健医療関連技術支援強化・イノベーションをめざすリーダーシップ養成プロジェクト(City LHITEプロジェクト)」の一環として実施しています。

研修コースは、地方自治体や都市部の医療従事者や保健衛生分野担当者を対象に、都市部における災害時の健康危機管理および災害対応における技術やイノベーションに関し、その知識とコンセプト、指針、そして対応戦略策定のための知識と理解を深めてもらうことを目的としています。研修は、以下の3つのモジュールに沿って実施します。

  1. 健康危機管理の指針
  2. 健康危機におけるリーダーシップ
  3. 緊急時の技術およびイノベーション

研修コースは、参加型グループワークショップを中心にデザインされており、お互いの経験を共有し、参加者のフィールドにおける経験に根ざした研修内容となっています。研修パッケージは、様々な医療・保健分野のトピックについて、参加者に必要な技術・情報が含まれています。

パイロット研修では、国、そして県、市レベルの専門家や担当者に対し、救急医療情報システム(EMIS)や災害派遣医療チーム(DMAT)といった日本にける災害時の保健医療支援スキームの最新情報を提供すると同時に、公衆衛生におけるリーダシップ研修を実施しました。参加者からは、実際に体験した災害対応や日本で発生した災害時の事例など、様々な実際の経験や事例が出され、この新しい研修コースをより深く理解することに役立てられました。

「City LHITEプロジェクト」における研修コースは、厳正なニーズ分析と健康危機における既存の研修コースを総覧・分析した上で設計されています。イノベーションと技術の分野において、当該プロジェクトのような都市部の健康危機管理、特にリーダーシップの養成に焦点をあてた研究事例は他にはありません。最近発生した大規模災害を通じて、より早くより効率的な医療支援を実施するためには、最新技術やイノベーションを活用しなければならないとの認識が高まっています。

本プロジェクトは、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構、阪神淡路大震災記念 人と防災未来センター、兵庫災害医療センター、および長崎大学大学院歯薬学総合研究科との共同研究です。