2021-08-03

健康な高齢化を支える地域レベルの社会的イノベーション:日本での取り組み

地域レベルの社会的イノベーション(CBSI)は、健康な高齢化を支え、高齢者のウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に満たされた状態)を向上させることを目指す取り組みです。地域に住む高齢者が身の周りのことを自分でできるようになり、社会の一員であると感じ、またウェルビーイングを維持するのに役立つ可能性があります。

WHO神戸センターは、大阪大学の研究者が養父市を含む兵庫県北部で実施したCBSIに関する研究を支援しました。日本の各自治体は、地域に住む高齢者の徒歩圏内における施設で、健康体操や認知機能を向上させるゲームなどのCBSIプログラムを高齢者自身が実施し参加できるよう、支援しています。

研究の結果、地方に住む高齢者は地域の活動に熱心に取り組んでいることがわかり、その理由としては主に各自治体と高齢者がうまく協働し、高齢者向けのセンターなど地域に元々ある資源を活用している点が挙げられます。健康体操やグループ活動に参加した高齢者は、精神的・身体的健康の維持だけでなく、地域コミュニティとのつながりを目的として参加していました。 

また、高齢者は率先して自らのニーズを自治体関係者と共有していました。こうした教訓は、他の地域や国にも応用できます。高齢化に対する高齢者自身の姿勢やCBSIへの関わりは、若い年齢の高齢者にとっても大きな学びとなっており、心強いメッセージになると研究者たちは考えています。

詳細はインタビュー動画をご覧ください。