Q&A(COVID-19):インフルエンザとの類似点と相違点
新型コロナウイルス感染症(COVID-19):インフルエンザとの類似点と相違点
2021年9月30日改訂版|Q&A
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザは、どちらも感染性呼吸器疾患であり、いくつかの類似した症状があります。ただし別のウイルスによって引き起こされるため、どのような人が重症化しやすいかには違いがあります。治療方法にも違いがあります。COVID-19とインフルエンザから身を守るためには、そうした違いを知ることが重要です。このQ&Aは、COVID-19とインフルエンザを知り、自身の健康に関する決定を情報に基づいて行う上で役立ちます。
COVID-19とインフルエンザのウイルスはどのような点が似ていますか?
1. COVID-19とインフルエンザはどちらも呼吸器疾患です。
どちらのウイルスも、咳、鼻水、喉の痛み、発熱、頭痛、倦怠感など、同様の症状を引き起こします。COVID-19とインフルエンザはどちらも、さまざまな重症度の症状を呈し得ます。無症状や軽症の人もいれば、重症になる場合もあります。インフルエンザとCOVID-19の両方とも、致命的となる可能性があります。
2. COVID-19とインフルエンザの感染経路は類似しています。
COVID-19とインフルエンザはどちらも、感染者が咳をしたり、くしゃみをしたり、話したり、歌ったり、呼吸したりする際に、飛沫やエアロゾルによってうつります。飛沫やエアロゾルは、近くにいる人の目、鼻、口に付着する可能性があります。近くとは通常、感染者から1メートル以内ですが、さらに遠くでも届くことがあります。またウイルスで汚染された表面に触れ、その後に手を清潔にせずに目、鼻、または口に触れることによって感染する可能性は、COVID-19とインフルエンザの両方にあります。
3. COVID-19とインフルエンザが重症化する高リスク群は一部共通しています。
すべての年齢の人がCOVID-19ウイルスとインフルエンザウイルスの両方に感染する可能性がありますが、次のような人々はCOVID-19とインフルエンザの両方において重症化と死亡のリスクが高くなります。
- 高齢者
- 慢性疾患(慢性の心臓病、肺疾患、腎臓病、代謝性疾患、神経疾患、肝臓疾患、血液疾患など)を患うあらゆる年齢の人
- 免疫抑制状態の人(HIV/AIDS、化学療法やステロイドを投与されている患者、または悪性腫瘍など)
医療従事者はCOVID-19に感染するリスクが高く、インフルエンザに感染するリスクも高くなります。
妊娠中の人や最近出産した人は、重症のインフルエンザや重症のCOVID-19を経験するリスクが高くなります。
4. 同じ感染予防策がCOVID-19とインフルエンザに対して有効です。
COVID-19とインフルエンザを予防するために、次の公衆衛生策を取りましょう。
- 他の人から少なくとも1メートルの距離を保ち、それが不可能な場合は適切にマスクを着用してください。
- 混雑した、換気の悪い場所や環境は避けてください。
- 窓やドアを開けて、部屋の換気をよくしましょう。
- 咳やくしゃみは肘を曲げた部分やティッシュを使って行い、ティッシュは蓋つきの容器に捨てます。
- 手を常に清潔に保ちましょう。
- 手で目、鼻、口に触れないでください。
- 気分が悪い場合は家にいましょう。
- COVID-19の次のような重度の症状のいずれかがある場合は、医療機関に連絡してください。
〇 息切れ
〇 食欲不振
〇 錯乱
〇 胸部の持続的な痛みまたは圧迫感
〇 高熱(38°C以上)
ワクチン接種は、COVID-19とインフルエンザの両方の重症化と死亡を防ぐ重要な手段です。インフルエンザとCOVID-19のワクチン接種については、各自治体のアドバイスに従ってください。WHOはインフルエンザワクチンを、高齢者、幼児、妊娠中の人、基礎疾患を持つ人、および医療従事者に推奨しています。
COVID-19ワクチンは、あらゆる基礎疾患(自己免疫疾患含む)を持つ人を含む、18歳以上のほとんどの人にとって安全です。基礎疾患には、高血圧、糖尿病、喘息、肺、肝臓、腎臓の病気、および安定してコントロールされている慢性感染症が含まれます。
次のようなケースで、お住まいの地域でワクチンの供給量が限られている場合は、ケアプロバイダーに相談して下さい。
- 免疫不全
- 妊娠中または授乳中
- 重度のアレルギー症状、特にワクチン(またはワクチンの成分)に対するアレルギー症状が出たことがある
- 非常に虚弱な状態
COVID-19とインフルエンザの両方の症状があり軽度の場合は、通常自宅で安全にケアできます。COVID-19患者の在宅看護の詳細は、「5分でわかるサイエンス」動画シリーズ:自宅での安全なケアをご覧ください。
5. COVID-19とインフルエンザはどちらも、安全で効果的なワクチンがあります。
COVID-19ワクチンは、COVID-19ウイルスによって引き起こされる重篤な病気や死亡を予防することが証明されています。世界中の何百万人もの人々がCOVID-19ワクチンを安全に接種しており、それらのワクチンは安全性、有効性、品質に関する厳しい基準を満たしています。ワクチン接種はまた、あなたの周りの人々を守ることにもなります。COVID-19の感染から自分自身を守れれば、他の人を感染させる可能性が低くなるからです。COVID-19ワクチンはインフルエンザの感染予防には効きません。
WHOは、リスクの高いグループ(妊娠中の人、基礎疾患がある人、高齢者、医療従事者、幼児)のインフルエンザの重症化を防ぐため、毎年予防接種を行うことを推奨しています。
COVID-19とインフルエンザのウイルスの違いは何ですか?
1. COVID-19とインフルエンザの治療法は異なります。
医療施設でCOVID-19に対して行われている治療方法には、重症患者向けの酸素、コルチコステロイド、IL6受容体遮断薬などがあります。重度の呼吸器疾患を持つ人の治療には、人工呼吸器などの高度な呼吸補助が含まれます。他にもいくつかのCOVID-19の治療方法があり、現在臨床試験中です。
インフルエンザの抗ウイルス薬は、重篤な合併症や死亡を減らし、リスクの高いグループにとって特に重要です。重要な点として、抗生物質はインフルエンザやCOVID-19ウイルスに対して効果がないことを覚えておきましょう。
どちらの病気でも症状が軽度の場合は、通常自宅で安全に治療することができます。自宅で安全にCOVID-19の患者をケアする方法については、こちらをご参照ください。
2. COVID-19とインフルエンザのワクチンは異なります。
COVID-19用に開発されたワクチンは、インフルエンザ予防には効きません。同様に、インフルエンザワクチンは、COVID-19予防には効きません。インフルエンザとCOVID-19ワクチンの接種方法については、各自治体のアドバイスに従ってください。
インフルエンザの予防接種を受けた場合、COVID-19ワクチンも必要ですか?
はい。両方の予防接種が必要です。
COVID-19とインフルエンザに同時に感染することはありますか?
はい、両方同時にかかることも考えられます。COVID-19とインフルエンザの重症化および入院を防ぐ最も効果的な方法は、両方のワクチン接種です。
また他の人から少なくとも1メートルの距離を保つ、距離を保てない場合は適切にマスクを着用する、混雑した換気の悪い場所を避ける、部屋の窓やドアを開けて換気を良くする、手を清潔に保つなどの感染予防策を引き続き守ってください。
どうすればCOVID-19とインフルエンザから身を守ることができますか?
インフルエンザとCOVID-19の重症化から身を守るための最も効果的な方法は、両方のワクチンを接種することです。
COVID-19の感染を防ぐ最も効果的な方法は、ワクチンの接種とその他の予防策の順守です。他の人から少なくとも1メートルの距離を保ち、距離を保てないときはマスクを適切に着用し、混雑した換気の悪い場所を避け、窓やドアを開けて部屋の換気を良くし、頻繁に手を消毒しましょう。
インフルエンザとCOVID-19のワクチン接種については、各自治体のアドバイスに従ってください。
COVID-19の治療に関しては最新の資料をご参照ください。
- Therapeutics and COVID-19: living guideline (24 September 2021)
- 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の治療 暫定ガイドライン(随時更新)(2021年3月31日改訂版 抜粋:キーポイント)