Q&A(COVID-19):ワクチン

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19):ワクチン

2022年3月16日改訂版|Q&A

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COVID-19に対するワクチンには、どのようなものがありますか?

COVID-19に対してWHOが使用を許可したワクチンはいくつかあり、WHO緊急使用リスト(EUL)に掲載されています。2020年12月上旬に第1回目の集団接種プログラムが開始され、接種回数が日々COVID-19ダッシュボードで更新されるようになりました。

EULの作成プロセスでは、安全性と有効性に関するすべての利用可能なデータと、中低所得国への適合性に基づいて、製品の使用を推奨できるかどうかを判断します。ワクチンは、臨床試験のデータ、製造・品質管理プロセスを用いて、品質、安全性、有効性の許容基準を満たすかどうか評価されます。評価過程では、緊急事態がもたらす脅威と、製品の使用によってもたらされる利益がどの程度か、潜在的なリスクと比較しながら検討します。

各国は自国の規制や法律に従って、あらゆる医療健康製品に対して緊急使用認可を発行する自治権を持っています。国内の緊急時使用許可は、各国の判断で発行されるものであり、WHOの承認が必要なものではありません。

2022年1月12日現在、以下のワクチンがEULに掲載されています。

詳細はこちらをご覧ください。

ワクチン接種を受けると、どのようなメリットがありますか?

ワクチン接種を受けることで、あなたの命が守られます。COVID-19ワクチンは、重症化、入院、死亡に対する強力な予防効果を発揮します。また、ワクチンを接種することで、他の人にウイルスを感染させる可能性が低くなるというエビデンスもあります。つまり、あなたがワクチンを接種するということは、あなたの周りの人たちを守ることにもなるのです。

ワクチン接種を受けた後も、自分自身や家族、友人、接触する可能性のある人を守るために、予防策を取り続けましょう。COVID-19ワクチンは高い効果を発揮しますが、ワクチン接種後もCOVID-19を発症する人がいます。また、ワクチン接種を受けていない人にウイルスを感染させる可能性も残っています。他の人から少なくとも1メートル離れ、この距離を保てないときは鼻と口に正しくフィットするマスクを着用し、換気の悪い場所や環境を避け、頻繁に手を洗い、気分が悪いときは家にいて検査を受け、移動や生活、仕事をしている地域でどの程度ウイルスが流行しているか常に情報を得るようにしましょう。

どのような人がCOVID-19のワクチン接種を受けるべきでしょうか?

WHOは、ワクチンの供給が限られている間は、COVID-19のリスクが最も高い人にまずワクチンを接種することを推奨しています。感染すると重症化しやすい人(高齢者、基礎疾患を持つ人)、ウイルスにさらされやすい人(医療従事者等)がこのグループに含まれます。妊娠中の人がCOVID-19に感染すると重症化や早産のリスクが高くなるため、WHOは、第一優先グループのワクチン接種が終わったら、妊婦も優先的に接種するよう勧めています。

これらの優先順位の高いグループ以外にも、より多くの人がワクチンを接種できる国にお住まいの方は、自分の番が来たらすぐに接種してください。

WHOが承認したCOVID-19ワクチンは、自己免疫疾患など何らかの既往症を持つ人を含め、18歳以上のほとんどの人に安全なワクチンです。これらの疾患には、高血圧、糖尿病、喘息、肺疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、およびコントロールされ安定している慢性感染症が含まれます。

ファイザー社のワクチンは、5歳児から安全に接種することができます。モデルナ社およびファイザー社のワクチンは、いずれも12歳以上の小児への使用が許可されています。

小児および青年における他のCOVID-19ワクチンの使用に関する試験は進行中で、WHOは、エビデンスまたは疫学的状況によって方針の変更が妥当だとされる場合に、その推奨を更新します。

COVID-19の重症化リスクが著しく高い併存疾患を持つ5歳以上の小児・青年は、他の優先度の高いグループと同様にワクチン接種を行うことができます。

しかし、WHOは、優先使用グループにおいて2回接種で高いワクチンカバー率が達成された場合にのみ、健康な子どもにワクチンを接種するよう推奨しています。

詳細はこちらをご覧ください。

COVID-19のワクチン接種をしてはいけない人とは?

ワクチン摂取しないように勧められる状態はほぼありませんが、次のような場合は接種してはいけません。

  • COVID-19ワクチンの成分に対して重篤なアレルギー反応/アナフィラキシーを起こしたことがある方は、副反応を避けるため接種を控えてください。
  • ワクチン予約日に38.5℃以上の発熱がある方は、回復するまで延期してください。
  • 現在、COVID-19が確定されている、または疑われている場合は、義務付けられた隔離期間が終了し、急性期の症状が治まるまで、接種を待ってください。

COVID-19ワクチンは、血液凝固阻止剤を服用している人にも安全ですが、ワクチンを接種する前に、服用している薬について接種者に知らせておく必要があります。

上記の一般的な推奨事項に加えて、各ワクチンは特定の集団や健康状態に対して特別な考慮事項がある場合があります。あなたの具体的な状況について、主治医に相談してください。

COVID-19にかかったことがある場合、ワクチン接種を受けた方がよいのでしょうか?

はい。すでにCOVID-19を発症したことがある方でも、ワクチン接種を受けた方がよいでしょう。COVID-19に感染することで得られる防御力は、人によって大きく異なります。自然感染した後にワクチンを接種すれば、得られる免疫力は常に非常に強いものとなります。COVID-19にかかったことがあってもワクチン接種を受けることで、より長く予防できる可能性が高くなります。

COVID-19に感染した後、ワクチン接種を待つべき最適な期間を決定するエビデンスは今のところありません。検査でCOVID-19感染が確定した人は、自然感染によりある程度の感染防御効果が得られると確認されていることを踏まえ、6ヶ月間ワクチン接種を延期することを検討できます。保健所の職員に相談してください。

どのCOVID-19ワクチンを接種すればよいのでしょうか?

WHO緊急使用リスト(EUL)に掲載されているすべてのワクチンは、COVID-19による重症化、入院、死亡を予防する高い効果を有しています。まず提供されたワクチンを受け入れ、自分の番が来たらすぐに接種して、リスクを減らすべきです。

COVID-19のリスクを高める可能性があるため、医療従事者からアドバイスを受けた場合を除き、ワクチン接種を遅らせないでください。ワクチン接種により、命が救われるかもしれません。

2020年4月、WHOはCOVID-19ワクチンがCOVID-19対策に役立つためには、どの程度有効であるべきかの最低基準を発表しました。現在WHOが認可しているワクチンはすべてこの基準を満たしています。さまざまなワクチンの効果を十分に理解するためには、より現実世界でのデータが必要です。これは、より多くの人がワクチンを接種することで実現します。

最良のCOVID-19ワクチンは、“最も早く摂取できるもの”と言えます。

詳しくはCOVID-19ワクチンの種類、をご覧ください。

また、COVID-19の各ワクチンについてはそれぞれの情報ページでご紹介しています。

COVID-19ワクチンは、どれくらいのスピードでパンデミックを食い止めることができるのでしょうか?

COVID-19ワクチンはパンデミックを止めるための重要なツールですが、それだけでは止められません。サーベイランス、接触者追跡、隔離などの公衆衛生や社会的対策、そして、他人から少なくとも1メートル離れる、正しく装着されたマスクを鼻と口につける、換気の悪い場所や環境を避ける、体調が悪いときは家にいる、咳やくしゃみを隠す、頻繁に手をきれいにするなど個人の保護行動が、感染の連鎖を断つために、依然として重要な役割を果たしています。

COVID-19ワクチンがパンデミックに与える影響は、いくつかの要因に左右されるでしょう。例えば、ワクチンの有効性、承認、製造、配送の迅速さ、他の変異株の出現可能性、どれだけの人がワクチンを接種しているか、などです。

COVID-19に感染してできる免疫と、COVID-19ワクチンを接種してできる免疫の違いは何ですか?

COVID-19に対する自然感染やワクチン接種による免疫の持続期間については、まだ解明されていません。COVID-19を発症した後に得られる免疫力が強いというエビデンスも出始めています。しかし、感染後にできる免疫の種類には個人差があり、ワクチン接種後の免疫に比べると予測しにくいという特徴がありま

現在分かっていることは、COVID-19は長期的に影響が出る可能性のある、生命を脅かす病気であるということです。また、WHOが認可したCOVID-19ワクチンは、何十億人もの人々に安全に投与されていることもわかっています。COVID-19に感染するリスクを冒すよりも、ワクチン接種を受けた方がはるかに安全です。自分の番が来たらすぐにワクチン接種を受け、自分や周りの人を守るためにできることを続けましょう。

COVID-19と免疫についてより多くのことが分かるにつれ、WHOは我々のガイダンスと推奨を更新し続けています。

COVID-19ワクチンは、ウイルスの変異株から身を守れるのですか?

WHO緊急時使用リスト(EUL)にあるCOVID-19ワクチンにより、感染、軽症、重症、入院、死亡に対して様々なレベルで保護されます。新しいウイルスの変異や変種が、さまざまなCOVID-19ワクチンの効果にどのような影響を及ぼすのか、世界中の何千人もの科学者が研究を続けています。

一般に、COVID-19ワクチンは、現在のすべてのウイルス変異株から重症化、入院、死亡を防ぐのに非常に有効です。以前流行していたウイルスの変異株よりも、今の変異株に対しては、感染や軽症になることを予防する効果は弱いのは確かです。しかし、ワクチン接種後ならば、発症したとしても、症状は軽く済む可能性が高くなります。

WHOが認可したCOVID-19ワクチンは、重症化や死亡のリスクを減らすのに非常に効果的ですが、どんなワクチンも100%の効果を発揮するわけではないことは忘れないでください。ワクチンを接種していても、ごく一部の人はCOVID-19を発病することがあります。ワクチン接種者が感染した場合、他の人にウイルスを移すリスクについては、現在のところ情報は限定的です。そのため、ワクチンを完全に接種した後も、公衆衛生対策や社会的な対策を継続して実践することが非常に重要です。

COVID-19ワクチンにはどのような種類があるのですか?どのように機能するのですか?

世界中の科学者が、COVID-19に対して有効である可能性がある多数のワクチンの開発を続けています。これらのワクチンはすべて、COVID-19の原因となるウイルスを安全に認識し、ブロックするように体の免疫システムに教えるように設計されています。

COVID-19に対して有望なワクチンとして、いくつかの異なるタイプのものが開発されています。

  • 不活性化または弱毒化されたウイルスワクチン:不活性化または弱毒化されたウイルスを使用するため、病気を引き起こすことはありませんが、免疫反応を起こすことができます。
  • タンパク質ベースワクチン:COVID-19ウイルスを模倣した無害なタンパク質の断片やタンパク質シェルを使い、安全に免疫反応を起こさせます。
  • ウイルスベクターワクチン:病気を引き起こすことができない、コロナウイルスのタンパク質を生成するプラットフォームとして機能する安全なウイルスを使用し、免疫反応を起こさせます。
  • RNA・DNAワクチン:遺伝子工学的に設計されたRNAやDNAを用いて、それ自体が安全に免疫反応を促すタンパク質を生成する最先端のアプローチです。

詳細は下記をご覧ください。

2回目、3回目は1回目と違うワクチンで接種してもよいですか?

別のCOVID-19ワクチンの2回目、3回目の接種を受けることは安全で効果的です。もし違う種類のワクチンを勧められたら、そのまま接種してください。WHOは、WHO緊急時使用リスト(EUL)掲載ワクチンを2回接種することを、一次接種の完遂とみなしています。にあるCOVID-19ワクチンの全リストはこちらをご参照ください。

ワクチンを組み合わせて使用することで、供給が制限された場合でも、ワクチンの効果を最大限に高めることができます。

シノバックとシノファームを2回投与された60歳以上の方は、時間の経過とともに免疫力が衰えるため、3回目を投与して回復させてください。WHO予防接種に関する専門家の戦略的諮問委員会(SAGE)は、1回目と同じワクチンが入手できない場合、3回目の接種にはファイザーやアストラゼネカも使用できるとしています。

詳細はこちら:COVID-19ワクチンの副反応について

COVID-19ワクチンの副反応について教えてください。

他のワクチンと同様に、COVID-19ワクチンの接種後、軽度から中等度の副反応を経験する人がいます。これは、体が防御機能を発達させている正常なサインです。COVID-19ワクチンの副反応には、発熱、疲労感、頭痛、筋肉痛、悪寒、下痢、注射部位の痛みや赤みなどがあります。すべての人に副反応が起こるわけではありません。ほとんどの副反応は、数日以内に自然に治まります。副反応が出た場合は、安静にして、アルコール以外の水分を多く取り、必要に応じて痛みや発熱を抑える薬を服用することで対処できます。

もし、あなたの副反応が異常か心配な場合、注射をした腕の痛みが24時間後に悪化した場合、副反応が数日経っても治らない場合は、医療機関に連絡して相談してください。

COVID-19ワクチンには、より重篤な副反応や長期にわたる副反応が生じる可能性がありますが、極めて稀です。ワクチン接種後、呼吸困難、胸の痛み、混乱、言葉が出ない、運動能力の低下などが起こった場合は、すぐに医療機関に連絡してください。ワクチンは、使用されている間、継続的にモニタリングされ、稀な有害事象を検出し、対応することができます。

詳細はこちら:COVID-19ワクチンの副反応について

副反応があるということは、ワクチンが効いているということなのでしょうか?副反応がないというのは、どういうことですか?

ワクチンは、あなたの免疫システムを刺激して、ウイルスからあなたを守ります。この過程で、発熱、悪寒、頭痛などの副反応が出ることがありますが、すべての人に副反応が出るわけではありません。ワクチン接種で起こりうる反応の有無や大きさは、ワクチンに対するあなたの免疫反応を予測したり反映したりするものではありません。

副反応がなくても、保護されます。

詳細はこちら:COVID-19ワクチンの副反応について

副反応が普通ではないと思ったら、どうしたらいいのですか?

副反応が心配な場合は、医療機関に連絡して、最近受けたワクチン接種について知らせてください。

COVID-19ワクチンとアレルギー反応に関連性はあるのでしょうか?

ごくまれに、COVID-19のワクチン接種後にアレルギー反応を起こす人がいます。アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応は、どのようなワクチンでも非常に稀な副反応です。

アレルギー反応を起こしたことがある人は、ワクチン接種を受ける前に医療機関に相談してください。アドバイスをしてくれるはずです。場合によっては、過去に接種したワクチンやワクチンの既知の成分に対してアレルギーがあるとわかっている人への予防措置が必要となります。

COVID-19ワクチンを投与する医療従事者は、重篤なアレルギー反応を認識し、治療するための訓練を受ける必要があります。そのため、COVID-19のワクチンを接種される方には、アレルギー反応を起こした方が速やかに治療を受けられるよう、注射後一定時間、接種会場にとどまっていただきます。

COVID-19ワクチン接種後の有害事象の報告(アレルギー反応を含む)は、重篤な副反応の早期発見のため、各国当局およびWHOを含む国際機関によって注意深くモニターされています。

ワクチン接種後に重篤な有害事象が報告された場合はどうなりますか?

他のワクチンと同様に、ワクチン接種プログラムで使用されるCOVID-19ワクチンの安全性と有効性を厳密に監視することが不可欠です。ワクチン接種後に深刻な健康被害が報告された場合、その国の公衆衛生プログラムによって徹底的な調査が行われる必要があります。

ワクチン接種後に発生した健康被害が、実際にワクチンそのものに起因していることは稀です。ワクチン接種後の健康上の障害は、ほとんどの場合、ワクチン接種とは全く関係のない偶然発生したものであることが判明しています。時には、ワクチンの保管、輸送、投与方法に関連することもあります。ワクチンの配送に関するエラーは、医療従事者のトレーニングを充実させ、サプライチェーンを強化することで防ぐことができます。

調査結果を受けて、次のステップに進みます。COVID-19ワクチンの安全性は、世界保健機関(WHO)の最重要課題です。

ワクチンの安全性がどのように監視されているかについての詳細もご覧ください。

COVID-19を接種した後でも、COVID-19に感染することはありますか?

はい。COVID-19ワクチンの予防効果が最大となるのは完全接種後、数週間経過してからです。例えば2回接種の場合、2回目接種後2~4週間経たないと完全な免疫が得られないということです。この間も、感染して体調を崩すことがあります。

COVID-19ワクチンは、重症化、入院、死亡に対して高い効果を発揮しますが、100%効果があるワクチンはありません。その結果、ワクチンを接種しているにもかかわらず、一定数の人は感染し、COVID-19を発症する可能性があります。これは「ブレイクスルー感染」または「ブレイクスルー症例」として知られています。デルタ株のような感染力の強いウイルスの変異株が増えたことで、ブレイクスルー感染症、症例が増えています。

ブレイクスルー感染はどのワクチンでも起こりうることであり、ワクチンが効かないということではありません。米国CDCのデータによると、ワクチン未接種の人がCOVID-19で死亡するリスクはワクチン接種者の11倍とされています。ワクチン接種後にCOVID-19に感染しても、軽い症状で済む可能性が非常に高く、重症化や死亡に対する有効性は高いままです。自分の番が来たら、すぐにワクチン接種を受けましょう。

ワクチン接種が完了しても、引き続き同様の予防策を実践し、自分の身を守りましょう。他の人から少なくとも1メートル離れ、距離が保てないときは鼻と口にフィットとしたマスクを着用し、換気の悪い場所や環境を避け、頻繁に手を洗い、気分が悪いときは家にいて、検査を受け、移動や生活、仕事をしている地域でどの程度ウイルスが流行しているか情報を得るようにしましょう。

ワクチンを接種すると、他の人にCOVID-19を感染させることはなくなるのですか?

ワクチン接種を完全接種することで、COVID-19ウイルスへの感染を防ぐことができるというエビデンスがあります。つまり、ワクチンを接種することで、自分がウイルスに感染して他人に伝染させる可能性が低くなる、つまり周囲の人を守ることができる可能性が高くなるということです。

ワクチンを接種することで、どの程度、自己の感染や他者への感染を防げるかについては、現在も研究が進められています。ウイルスを感染させる可能性はまだ残っているため、この保護の程度を知るためには、より多くのデータが必要です。

ワクチン完全接種後も、他の人を守るために同じ予防策を続けてください。他の人から少なくとも1メートル離れ、この距離を保てないときは鼻と口に正しくフィットするマスクを着用し、換気の悪い場所や環境を避け、頻繁に手を洗い、気分が悪いときは家にいて検査を受け、移動や生活、仕事をしている地域でどの程度ウイルスが流行しているか常に情報を得るようにしましょう。

ワクチン接種を受けた後、予防策をやめてもいいのですか?

いいえ、続けましょう。ワクチン接種を受けた後でも、あなたの地域でCOVID-19感染が起きている場合は、あなた自身や家族、友人を守るために予防策を取り続けてください。

予防効果が最大となるのは、完全接種後数週間経ってからです。2回接種の場合は、2回目の接種から2~4週間後まで完全な免疫が得られないということです。

COVID-19ワクチンは非常に有効ですが、ワクチン接種後もごく一部の人がCOVID-19を発症します(これをブレイクスルー感染と呼びます)。また、ワクチン接種を受けていない人にウイルスが移る可能性も残されています。COVID-19のワクチンを接種していない人、接種できない人、免疫力が低下しているためにCOVID-19ワクチンに対して十分な免疫を獲得できない人がいます。自分自身と他人を守るために、あらゆる保護行動を実践し続けましょう。

ワクチン接種を受けた後でも、他人から少なくとも1メートル以上離れ、この距離を保てないときは鼻と口に正しくフィットするマスクを着用し、換気の悪い場所や環境を避け、頻繁に手を洗い、気分が悪いときは家にいて検査を受け、移動や生活、仕事をしている地域でどれくらいのウイルスが流通しているか情報を集め、自分の順番が来たらすぐにワクチン接種を受けましょう。

COVID-19ワクチンによる予防効果はどのくらい持続しますか?

COVID-19ワクチンによる予防効果がどのくらい持続するかはまだ正確にはわかっていませんが、現在のデータでは、ほとんどの人が少なくとも6か月間は重症化や死亡に対する強い予防効果を得られるとされています。

COVID-19ワクチンの感染や軽度の症状に対する有効性は、時間の経過とともに弱まるというエビデンスが増えています。これを踏まえ、WHO予防接種に関する専門家の戦略的諮問委員会(SAGE)は、一次接種が終了してから4〜6か月後にブースター投与を行うよう推奨しています。COVID-19による重症化や死亡に対する保護を強化するために、ブースター投与が提供されたら受ける必要があります。

高齢者や基礎疾患を持つ人、ウイルスに高レベルでさらされている人は、免疫力が早く低下する可能性があるため、優先使用度の高いグループへのブースター提供を、優先使用度の低いグループにワクチンを接種する前にするようSAGEでは推奨しています。

また、シノバックとシノファームを2回接種した60歳以上の人や免疫不全の人は、十分な免疫に達するために、一次接種の一環として3回目を追加接種してください。これらのワクチンにはブースター接種が推奨されています。詳しくは暫定推奨をご覧ください。

自分自身を守るために、ワクチンを接種し、定期的な手洗い、物理的な距離、部屋の換気など、COVID-19に対して推奨される保護行動を継続的に実践してください。

詳細はこちら:ワクチンの効果、有効性、防御力

COVID-19ワクチンの追加接種(1次接種で十分な効果が得られない時の接種)が必要な人は?

免疫力が低下している人は、1~2回の接種ではCOVID-19に対する免疫力が最大にならないことがあるので、防御のために追加接種が必要な場合があります。WHOは、中等度または重度の免疫不全の人に、COVID-19ワクチンの追加接種を行うことを推奨しています。

シノバックとシノファームについて、WHOは、優先グループにおいて1回目と2回目の接種率が高いレベルに達した時点で、一次接種の延長として60歳以上への3回目の接種を検討するよう、各国に推奨しています。

追加投与は、ブースター投与とは異なります。1~2回の接種では十分な防御効果が得られない人のために拡張された、一次接種の一部と考えられ、より良い防御力を身につけることを目的としています。

COVID-19ワクチンのブースター投与(1次接種後時間の経過により効果が落ちた時の接種)は必要ですか?

ブースター投与とは、一次接種(現在、ワクチンや集団によってCOVID-19ワクチンを1回、2回、3回接種している)を終了した被接種者に対し、時間の経過とともに免疫力や臨床防御力がその集団で十分と考えられる割合を下回った場合に追加投与するワクチンのことをいいます。

COVID-19ワクチンから得られる防御力は時間の経過とともに弱まることがあり、一次接種が終了した後、4~6か月程度で効果が薄れるというエビデンスが示されています。ブースターが提供されている場合は、重症化に対する防御を強化するために、それを受けてください。

WHO予防接種に関する専門家の戦略的諮問委員会(SAGE)は、優先順位の低いグループへの一次接種を継続する前に、優先順位の高いグループにブースターを提供することを推奨しています。

COVID-19ワクチンによって、PCRや抗原検査など、本疾患の検査結果が陽性になることはありますか?

いいえ、ありません。COVID-19ワクチンは、COVID-19 PCRまたは検査室レベルでの抗原検査で、陽性の結果を引き起こすことはありません。これは、この検査が病気の活動状態を調べるものであり、個人の免疫の有無を調べるものではないためです。しかし、COVID-19ワクチンは免疫反応を促すので、個人のCOVID-19免疫を測定する抗体(血清)検査で陽性となる可能性があります。

ワクチン接種を受けたら、安全に海外旅行ができますか?

国のアドバイスや、渡航先の国のアドバイスに従ってください。一部の国では、ワクチンを完全接種していれば到着時の検疫や検査を省略することが認められています。なぜなら、これらの人はCOVID-19のリスクが低く、感染して他の人にウイルスを渡す可能性が低いからです。しかし、完全接種の状態でも、同じように予防策を続けてください。どのワクチンも100%の効果はなく、すべて行うことが自分自身と他の人を守ることにつながります。他の人から少なくとも1メートル離れ、この距離を保てないときは鼻と口に正しくフィットするマスクを着用し、換気の悪い場所や環境を避け、頻繁に手を洗い、気分が悪いときは家にいて検査を受け、移動や生活、仕事をしている地域でどの程度ウイルスが流行しているか常に情報を得るようにしましょう。

WHOは、ワクチン接種の証明を海外渡航の要件として使用することを推奨していません。すべての人に十分なワクチンがあるわけではなく、また他の国よりもワクチンへのアクセスが良い国もあることを考えると、これは公平ではないでしょう。

ワクチン接種後、抗生剤を飲んでも大丈夫ですか?

抗生物質とCOVID-19ワクチンとの間に、影響や相互作用は知られていません。ワクチン接種の前後に医療機関で抗生物質を処方された場合は、そのまま全量を服用してください。ただし、ワクチン接種の予約時に38.5℃以上の熱がある場合は、体調が良くなってから予約を取り直すようにしてください。

COVID-19ワクチンを接種した後、お酒を飲んでも大丈夫ですか?

COVID-19ワクチンの安全性や有効性が、アルコールを含む、接種前後の飲食物によって影響を受けるというエビデンスはありません。しかし、飲酒は、頭痛や疲労感など、ワクチン接種後に起こりうる通常の軽度から中等度の副反応に拍車をかける可能性があります。このため、ワクチン接種後の副反応が治まるまでは、飲酒を控えることが望ましいとされています。詳しくはこちら:COVID-19ワクチンの副反応について

COVID-19ワクチンは重症化や死亡を防ぐ高い効果がありますが、ワクチン接種後に感染する可能性もあります。引き続き、物理的距離を置く、鼻と口にフィットしたマスクを着用する、頻繁に手を洗う、気分が悪いときは家にいる、咳やくしゃみを隠す、室内の換気をよくするなどして、自分自身と他人を守るようにしてください。飲酒は、これらの行動を実践する上での警戒心を失わせ、あなたや他の人を危険にさらす可能性があります。

飲酒は他の健康問題のリスクを高める可能性があることに留意してください。

COVID-19のワクチン接種は、小児や青少年でも受けられますか?

ファイザー社のワクチンは、5歳児から安全に接種することができます。モデルナ社およびファイザー社のワクチンは、いずれも12歳以上の小児への使用が許可されています。

WHOは、COVID-19の重症化リスクが高い併存疾患を持つ5歳以上の子どもたちには、他のハイリスクグループと同様に、接種量を減らした上でワクチン接種を行うことを推奨しています。

現在、各国は国家ワクチン接種戦略の一環として、5歳からの健康な小児や青少年へのワクチン接種を検討することができます。しかし、WHOは、優先順位の高いグループにおいて、一次接種で高いワクチン接種率が達成された場合にのみ、子どもたちにワクチンを接種することを強く推奨しています。詳細はこちら:WHO優先順位決定ロードマップ

小児・青少年のためのワクチン試験や他のCOVID-19ワクチンも進行中であり、WHOは証拠や疫学的状況により政策の変更が妥当だとされる場合、推奨を更新します。

また、COVID-19は高齢者の間でより深刻で危険な病気になっています。ワクチンの供給が制限される中、現在優先されているのは、世界の多くの地域でまだワクチン接種を受けていない、重症化のリスクが最も高い人々、すなわち高齢者、慢性基礎疾患を持つ人々、医療従事者にワクチンを接種することです。

ほとんどの小児は重症化するリスクが低く、ワクチンを接種することは感染伝播を減らすことが主な目的です。オミクロンの感染を減らす面においては、ワクチンの効果が他の株に対して低い可能性があるというエビデンスも出てきています。つまり、最もリスクの高い人々にワクチンが優先的に投与されている間、子どもたちを守るためにできる最も効果的なことは、他人と安全な距離を保ち、人混みを避ける、口と鼻を覆うフィットしたマスクを着用する、室内では換気をよくする、定期的に手をきれいにする、咳やくしゃみを隠すといった保護行動を継続して行うことなのです。保育者は、子どもが体調不良の場合は学校を休ませ、症状が出た場合はCOVID-19の検査を受けるなど、国のガイドラインに従う必要があります。

妊娠していてもCOVID-19のワクチン接種を受けることができますか?

はい、妊娠していても接種可能です。妊娠中は、COVID-19による重篤な疾病のリスクが高くなります。また、COVID-19に感染すると、早産になるリスクが高くなります。妊娠中の方への接種に関するデータは少ないものの、妊娠中のCOVID-19ワクチンの安全性に関するエビデンスは増えてきており、安全性に関する懸念は確認されていません。特に感染率の高い国や、COVID-19にさらされるリスクの高い職業の方は、ワクチン接種のメリットは潜在的なリスクよりも大きいと言えます。ワクチンでCOVID-19に感染するリスクはありません。医療機関に相談し、十分な情報を得た上で、ワクチン接種を決定してください。

将来子供を産みたいと思ったら、ワクチン接種を受けたほうがいいのでしょうか?

はい、妊娠を予定している方は、ワクチン接種を受けた方がよいでしょう。COVID-19ワクチンが生殖能力を阻害することを示唆する現在のエビデンスはありません。COVID-19のワクチン接種による抗体やワクチン成分によって生殖器に何らかの問題が生じる可能性があるという生物学的なエビデンスは、現在のところありません。ワクチン接種を受けることは、自分自身と赤ちゃんの将来の健康を守るためにできる最善のことです。

授乳中でも、ワクチン接種を受けた方がよいのでしょうか?

授乳中の方は、自分の番が来たらすぐにCOVID-19のワクチン接種を受けるとよいでしょう。現在のCOVID-19ワクチンには、いずれも生きたウイルスは入っておらず、あなたがワクチンから母乳を通してCOVID-19を赤ちゃんに感染させる危険性はありません。実際、ワクチン接種後に得た抗体が母乳を通して、赤ちゃんを守るために役立つことがあるのです。

月経中でも、ワクチン接種を受けても大丈夫ですか?

月経中の人でもワクチン接種を受けて大丈夫です。ワクチン接種の予約日に生理があっても、そのままワクチン接種を受けることができます。月経は、COVID-19ワクチンを接種しない医学的な理由にはなりません。月経について不安や疑問がある場合は、遠慮なく医療機関に相談してください。

COVID-19のワクチン接種により、月経周期が乱れる可能性がありますか?

COVID-19の接種後、月経周期に乱れが生じたという報告がありますが、ワクチンとこの障害との間に関連性があるかどうかを知るには、まだ十分なデータがありません。ワクチンが月経周期に与える影響を研究するいくつかの大規模な研究が現在進行中です。WHOは、月経周期に関する新たなエビデンスを引き続きモニターしていきます。これらの研究についての情報は、こちらこちらをご覧ください。

月経について不安や疑問がある場合は、遠慮なく医療機関に相談してください。