monitoring-uhc

 

保健医療が原因となる経済的困窮に関する各国の家計調査データの年齢構成別解析

背景

経済的保護はユニバーサル・ヘルス・カバレッジの重要な側面です。2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)、ならびに、WHOグローバル・インパクト・フレームワークの進捗状況を評価するために、世界、地域、国のレベルで経済的保護に関するモニタリングが行われています。2021年にWHOと世界銀行により発表されたGlobal Monitoring Report on Financial Protection in Health(非公式訳:保健医療分野における経済的保護に関するグローバル・モニタリング・レポート)では、初の試みとして、年齢構成の異なる世帯を対象に経済的保護に関するデータの比較が行われることになりました。本研究の手法により、ケアを必要とする人の年齢に関連するさまざまなレベルの経済的保護について一定程度の状況把握が可能になります。これは、分析単位として世帯を用いる経済的保護の標準的な評価基準に年齢構成別の尺度を適用するという点で革新的な分析アプローチであるといえます。 本研究の結果は、高齢者のケアのための経済的保護に関するナレッジギャップを埋めるのに役立つことが期待されます

高齢者におけるヘルスケアニーズとサービス・カバレッジの公平性:概念的文献のスコーピング・レビュー

背景

国際社会は、持続可能な開発目標ならびに2030年までのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の段階的実現を推進しています。そのため、多くの国では、人口高齢化の状況に応じた手法でその進捗状況を測定しモニタリングするという課題に直面しています。高齢者の多様なニーズにみられる違いや、高齢層と他の年齢層のニーズの違いなど、高齢者のニーズを考慮することが肝要です。このプロジェクトの目的は、人口高齢化の観点からUHCモニタリングの促進を図るにあたり、高齢者のヘルスケアニーズとサービス・カバレッジの公平性を検証するために有益なエビデンスを提示することです。

目標

高齢者のケアに関連するユニバーサル・ヘルス・カバレッジの測定: イランへの適用を考慮したグローバル・スコーピングレビュー

背景

人口高齢化は世界的な傾向であり、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の段階的な達成を目指す保健医療制度の役割、すなわち、すべての人々が経済的困窮に陥ることなく必要な医療サービスを確実に受けられるようにするための機能に大きな影響を及ぼします。若年者と比較すると、高齢者の健康ニーズやサービスへのアクセスに関する課題には大幅な違いがあるためです。イランは、次の10年で高齢者の数に急激な増加が見込まれるWHO東地中海地域の国のひとつです。イランに代表される多くの中所得国では、今後、人口高齢化が進む中、UHCの段階的な実現に向けた保健医療制度の開発を導くためのモニタリングアプローチが必要とされます。

目標                                                                                                                                                                          

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのモニタリングシステムのためのライフコース・アプローチを用いた概念枠組み

背景                                                                                         

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に対するライフコース・アプローチは、UHCの実施とモニタリングに資する手法として提案されてきました。このアプローチでは、出生から、新生児期、幼児期、小児期、青年期、若年成人期、高齢期に至るまで、生涯にわたる人々の健康と福祉の持続的な改善を想定しています。これらの段階はすべて、社会的、経済的、文化的な背景により形成されます。しかし、UHCをモニタリングするための既存の指標は、母子保健や感染症などアクセスが容易な評価基準に重点が置かれており、高齢化に直面する多くの国々に関わるサービスの提供範囲や経済的保護の問題についての指標は不足しています。

目標