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西太平洋地域における経済および保健医療財政に対する人口高齢化の影響について

背景

平均余命の伸びと出生率および死亡率の低下の結果として世界規模で人口高齢化が起こっています。

この人口高齢化による、経済、財政、社会の課題が提起されています。政策立案者は、人口高齢化が労働年齢人口の減少による経済成長の鈍化と、保健医療および社会福祉の需要の増加をもたらし、その介護需要を通じて、ケアシステムと高齢者の家族に財政的圧力をかけることを懸念しています。人口高齢化により予測されている結果のいくつかは、人々が年をとるにつれて、健康と生産性が必然的に低下するという仮定に基づいています。しかし、健康面、機能面における能力には多様性があります。さらに、政府は不利な結果を避けるための多くの政策ツールを持っています。

欧州保健制度政策観測所は、世界保健機関健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)およびWHO西太平洋地域事務局と協力し、西太平洋地域の一連の分析を実施しました。この地域には、世界で最も急速に高齢化が進んでいる国々が含まれ、世界の65歳以上の人口の3分の1以上を占めています。この数は2050年までに2倍になると予測されています。

それぞれ2種の研究について書かれた6か国のレポートは、西太平洋地域の多様な国々をカバーしています。

人口高齢化に対応する持続可能な保健医療財政

背景

人口高齢化と高齢者にかかる保健医療費の増加により、政策立案者は高齢化がもたらす保健医療費の際限ない増加を懸念しています。人口高齢化は、保健医療財源を確保する国の能力に影響を及ぼし、いかに資金を調達するかが鍵となっています。WHO神戸センターは、欧州保健医療制度政策観測所と提携し、同観測所が発行する高齢化の経済学に関する論文集の一部として、年齢層の変化が保健医療費の動向と中長期的な保健医療費の調達能力に及ぼす影響について研究を行っています。

研究手法

欧州連合(EU)と日本、インドネシアのデータを使用して、所得税、物品サービス税、固定資産税、そして社会負担から保健医療財源を確保する能力に対して、高齢化が及ぼす影響についてのシミュレーションを行います。次に、EUのデータを使用して、年齢と人口予測による保健医療費用パターンの調査を行います。そして、高齢者に対するサービスの量、価格、強度と対象範囲の上昇をシミュレートする一連の仮定シナリオを構築します。