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Implementation

2020年2月~2023年12月

Implementing partners

代表研究機関: 欧州保健医療制度政策観測所
協働機関: WHO西太平洋地域事務局
主導研究者: Jonathan Cylus(欧州保健医療制度政策観測所)

 

Location of research

ベトナム、モンゴル、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド

 

Total Budget
US$ 225,000(WHO西太平洋地域事務局との共同出資)

背景

平均余命の伸びと出生率および死亡率の低下の結果として世界規模で人口高齢化が起こっています。

この人口高齢化による、経済、財政、社会の課題が提起されています。政策立案者は、人口高齢化が労働年齢人口の減少による経済成長の鈍化と、保健医療および社会福祉の需要の増加をもたらし、その介護需要を通じて、ケアシステムと高齢者の家族に財政的圧力をかけることを懸念しています。人口高齢化により予測されている結果のいくつかは、人々が年をとるにつれて、健康と生産性が必然的に低下するという仮定に基づいています。しかし、健康面、機能面における能力には多様性があります。さらに、政府は不利な結果を避けるための多くの政策ツールを持っています。

欧州保健制度政策観測所は、世界保健機関健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)およびWHO西太平洋地域事務局と協力し、西太平洋地域の一連の分析を実施しました。この地域には、世界で最も急速に高齢化が進んでいる国々が含まれ、世界の65歳以上の人口の3分の1以上を占めています。この数は2050年までに2倍になると予測されています。

それぞれ2種の研究について書かれた6か国のレポートは、西太平洋地域の多様な国々をカバーしています。

国ごとに書かれたレポートでは、労働年齢後期の人の健康を促進することが、経済にどのように貢献するかを調査しています。また、人口の年齢構成の変化が将来の保健医療費の支出パターンにどのように影響するかを考察しています。

目標

  1. 6か国(ベトナム、モンゴル、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド)において、年齢と人口の構成が保健医療支出の傾向に与える影響について研究
  2. (同6か国において)人口高齢化による経済的な効果に、健康や障害などの要因がどのように影響するかについて研究

研究手法

  1. 6か国それぞれについて、国際連合が発表している人口データを使用して、将来の保健医療費増大に対し見込まれる高齢化の影響を数値化します。利用可能な場合は各国の実際のデータを用い、人口の年齢構造に応じて予想される保健医療費について各国ごとに考察します。
  2. 6か国について、それぞれ回帰分析を用いて、高齢者の健康および障害と経済的産出量、労働力参加やその他の指標との関連を推計します。この分析には国際労働機関(ILO)、保健指標・保健評価研究所(IHME)、世界銀行が公開しているデータを用います。統計モデルの分析結果をもとに、各国のデータやシナリオに適用し、国ごとに簡潔な報告書を作成します。

世界的な示唆

シミュレーションにより、労働年齢にある人々の健康の改善が、GDPの成長の増加につながる可能性があると予測されました。この結果は、複数の異なる国の状況でのシミュレーションにおいても認められました。本研究は、人々が健康を維持したまま年を取ることが可能であり、人々の健康的な高齢化が経済にも貢献できることを示しています。

地元関西にとっての意義

日本におけるエビデンスも同様に、健康な高齢化が経済成長を促進することを示しています。兵庫県、神戸市において現在取り組まれている健康な高齢化促進のためのイニシアチブは、地域経済に貢献する手段として、確かな根拠に基づいたものであると言えます。

Products


出版物

Williams, G.A., Cylus, J., Al Tayara, L. et al. Can healthy ageing moderate the effects of population ageing on economic growth and health spending trends in Mongolia? A modelling study. Health Res Policy Sys 20 (Suppl 1), 122 (2022). https://doi.org/10.1186/s12961-022-00916-0
 

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