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主要な研究テーマに関するプロジェクト

 

エビデンスに基づく政策、プログラム、実践を推進するために、WKCは2018年に専門家会議を開催し、災害・健康危機管理 (Health EDRM)研究の必要性に対応しました。その中で、健康急事態に対して多面的に予防、備え、対応、復旧を行うために、効果的な情報を提供する4つの研究テーマが特定されました [1]。

WKCは研究公募・提案をし、2019年に4つの研究プロジェクトを開始しました。2020年に行われた第2回コアグループ会議では、さらに新たな研究ニーズが特定され、2021年に2つの新規プロジェクトが開始されました。これらの研究活動は、各国が緊急リスク管理における能力を強化し、最終的に緊急時に安全な人々が10億人増えることに貢献する可能性があります [2]。

 

災害後の中長期的心理社会的影響に関する研究

自然災害の発生頻度と被害はここ数十年増加傾向にあり、人口増加や高齢化など人口動態の変化や、経済発展に伴う都市の無計画な成長などがその被害を深刻化させています。防災における保健・健康の重要性は2015年に仙台で開催された第3回国連防災世界会議の成果文書「仙台防災枠組2015-2030」でも大きく取り上げられ、保健・健康に関する科学的エビデンスの構築が必要と訴えています。また、防災対策を論じる上で災害への備えや急性期対応に焦点が置かれる傾向があり、中長期的な心理社会的影響や、被災者のニーズ、実際の介入策に関するエビデンスが不足しています。

 

研究概要

本研究ではWHO神戸センターが国立精神・神経医療研究センター(主導研究施設)と協力し、兵庫県こころのケアセンター、日本の専門家ワーキンググループ(21名の有識者によって構成)と連携しながら、心理社会的影響に着目して、日本の防災に関する知見を集約します。

研究骨子