2016-11-07

地域で高齢者を支える社会イノベーションに関する研究

WHO神戸センターは「健康な高齢化を支える地域レベルの社会イノベーションに関する研究(Community-based social innovations for healthy ageing (CBSI) )」を開始します。

世界規模で高齢化が進行する中、高齢社会に対応する統合的な保健・社会サービスの整備は急務であり、特に地域レベルでの整備の重要性が指摘されています。本研究では、高齢者の暮らしや健康を改善するため、現在、世界各地で実施されている地域レベルでのケアやサポートサービスの中から先進的なモデルを検討していきます。本研究はRAND Europe社(英国・ケンブリッジ)との共同研究として実施されます。

本研究では、a)地域で高齢者自身が積極的に関わる保健・社会サービスの先進事例、b)高齢者の自律性を高め、健康とQOL(生活の質)を可能な限り長く維持するための介入策、c)既存の保健システムとの融合性、協調性について調査を実施します。

具体的には、世界約10カ国(中所得国)における事例研究と文献システマティック・レビューを実施し、それぞれの事業がどのように実施されているのか、どのように行政や民間の他の保健・社会サービスと連携しているのか、参加している高齢者にとってどのような恩恵があるかを調査します。

「この研究は、今年9月に開催されたG7神戸保健大臣会合で採択された神戸宣言の方向性に合致したもので、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現にも寄与することが期待されます。本研究の結果は『健康な高齢化を支える地域レベルの社会イノベーション』の類型として、各国政府や地方政府に対する政策オプションとして提供していく予定です。本研究はWHO神戸センターの新研究戦略においても重要で、昨年WHOから発表された『高齢化と健康に関するワールド・レポート』の内容に照らしても意義深いと考えます」とアレックス・ロスWHO神戸センター所長は話します。

ついては、RAND Europeは「健康な高齢化を支える地域レベルの社会イノベーションに関する研究」の対象となる事例を公募します。詳細は 関心表明 (Expression of Interest – EOI) をご覧ください。

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