2021-10-13

災害対策と健康危機管理の研究手法に関するWHO初のガイダンスを発行

WHO神戸センターは2021年10月、未だ発展途中である災害対策や健康危機管理における研究を促進するための初のガイダンス本「災害・健康危機管理の研究手法に関するWHOガイダンス」を発行しました。

災害・健康危機管理を主要研究テーマの一つに掲げるWHO神戸センターは2018年、神戸で開催されたアジア太平洋災害医学会で専門家会議を招集し、そこで本研究領域における主要なギャップの一つとして研究手法の拡充が提示されました。それを受け、WHO本部や地域事務局、および世界30か国160以上の専門家の協力のもと本ガイダンスの編纂に至りました。

6章43節から成る本ガイダンスは災害・健康危機管理の幅広い研究領域を網羅し、研究の計画から実施、報告までのプロセスを概説しており、研究者や学生、医療従事者、政府関係者を含むさまざまな読者に役立つようつくられています。

本ガイダンスの筆頭編者であるWHO神戸センターの茅野龍馬医官は次のように述べています。「危機や災害における健康リスクに対処するためには、信頼できる科学的エビデンスが不可欠です。本ガイダンスは災害・健康危機管理のエビデンスの向上を目指して作成されました。また、仙台防災枠組の実施や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた動きにも寄与するでしょう。今後、ガイダンスが教育やトレーニングの現場で広く使われ、災害対策の政策や事業に資する研究が促進されることを期待しています。」

本ガイダンスの詳細およびダウンロードはこちらから。