2023-10-10

世界メンタルヘルスデー2023 - 災害時のメンタルヘルス問題に備えたキャパシティ・ビルディングワークショップ

毎年10月10日は世界メンタルヘルスデーです。世界メンタルヘルスデーは、メンタルヘルス問題に関する正しい知識や認知を高め、偏見をなくし、普遍的人権としてすべての人のメンタルヘルスを守るための取組を促進する機会となります。

2021年5月に開催された第74回世界保健総会では、メンタルヘルスと心理社会的支援に備えた能力構築(Mental Health and Psychosocial Support preparedness capacity building)の必要性が強調され、WHOが発表した「包括的なメンタルヘルスアクションプラン2013-2030」においてもその重要性が言及されました。WHO神戸センターも、国内外の研究機関とともに効果的なメンタルヘルスと心理社会的支援(Mental Health and Psychosocial Support – MHPSS)のための保健システム強化に関する研究プロジェクトへの支援をはじめ、MHPSSに対応する能力強化・構築のためのワークショップにも参加し、世界精神保健の向上に貢献しています。

緊急時のMHPSSのキャパシティ・ビルディングを世界的に拡充するためのWHOの活動の一環として、WHOとエストニア社会省が共同し、2023年9月にエストニアのタリンにて、ワークショップを開催しました。ワークショップには、35カ国から総勢78名が参加し、Inter-Agency Standing Committee (IASC) MHPSS Reference Groupが作成した資料をもとに、MHPSSの概要、リスクアセスメントツール、対応戦略アプローチなどが紹介されました。また、シナリオシミュレーション研修では、実際に必要となる災害時のMHPSSへの備え、対応およびステークホルダー間の調整方法などを実践形式で学びました。

ワークショップに登壇したWHO神戸センターの茅野龍馬医官は、MHPSSの知識向上対策や緊急時への備えや対応をしっかりと災害・健康危機管理の中に組み込み、将来起こりうる災害時のメンタルヘルスニーズに応えられるようなシステムの構築に、こうした研修はとても重要だと強調しました。

ワークショップの記事はこちらから(英語)。