2019-10-11

京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻で教育・貧困・経済と健康の関連について講義

WKCのローゼンバーグ恵美技官は、京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻のグローバル・ヘルス講座に2016年以来、毎年外部講師として招かれ、健康の社会的決定要因として知られる教育・貧困・経済が、健康とどのような関連にあるのかについて講義をしています。

今年は10月9日に、海外からの留学生を多く含む大学院受講生に講義を行いました。そのほとんどの学生にとって健康の社会的決定要因は未知の概念でした。講義では、はじめに健康の社会的決定要因の概念を紹介し、それらが国と国の間や同じ国の人々の間で健康アウトカムや健康を享受する機会において不公平で回避可能な差異、つまり健康格差を生み出していることを説明しました。そして教育・貧困・経済と健康の関連を示すエビデンスを示しました。その中には、European Health Equity Status Report 2019(ヨーロッパの健康格差実態報告書2019)に示された最新のエビデンスも含まれました。

講義の後半では、関連するWHO総会決議や国連の持続可能な開発目標(SDG)など、健康の社会的決定要因への取り組みを通じて健康格差の縮小に資するグローバル・イニシアチブを取り挙げました。

最後は、健康の社会的決定要因に取り組むというWHO加盟国の決議の執行とアカウンタビリティのために、WHOが定期的にグローバル・モニタリングを行っていることなどについて、学生と活発な議論が交わされました。 

京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 グローバル・ヘルス講座の受講生