Q&A(COVID-19):マスク

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19):マスク

2023113 改訂版|Q&A

原文はこちら

なぜマスクをつける必要があるのでしょうか?

マスクを着用すると、人が吸い込んだり吐き出したりする際に出る感染力のある飛沫が減るので、地域における呼吸器疾患の流行を抑制することができます。この飛沫は、感染した人が話す、歌う、叫ぶ、咳をする、くしゃみをすることで(症状がない場合でも)拡散する可能性があります。

したがってマスクを着用すれば、自分自身と周囲の人びとを守る助けになります。 

マスクは、COVID-19の流行を抑えるために行う複数ある予防・管理策のうちの一つです。マスクの着用に加え、人混みを避ける、風通しの悪い場所を避け室内の換気を良くする、人との距離をあける、手指衛生を保つ、咳エチケットとして咳やくしゃみをするときに曲げたひじやティッシュで口や鼻を覆う、ワクチン接種と最新の追加接種の方針に従うなどの対策が必要です。

他の人がマスクをすることを選んだら、支持しましょう。

一般の人はどんな時にマスクを着用する必要がありますか?

COVID-19の感染拡大を抑えるため、WHOは以下のような場合にマスクの着用を推奨しています。

● 混雑した場所、密閉された場所、風通しの悪い場所にいるとき(例:距離を保つことができない)。換気の度合いに疑問がある場合はマスクをしましょう。

● もしあなたがCOVID-19に感染している、あるいはその可能性があり、他人と空間を共有する場合。

  〇 体調が悪く、COVID-19を示唆する症状や徴候がある場合。
  〇 症状の有無にかかわらず、最近COVID-19の検査で陽性と判定された場合。
  〇 COVID-19の検査で陽性となった人、または症状がある人と最近接触(暴露)した場合。

● COVID-19の症状がある人、または陽性と判定された人と空間を共有する場合。

● 公共の場にいて、COVID-19の重症化・死亡リスクが高い場合。例えば、基礎疾患(糖尿病、心臓病、肺病、がん、免疫抑制、脳卒中や喘息の病歴など)をお持ちの方、60歳以上の方など。

 

上記に含まれないその他の状況では、個々のリスクを評価し、マスクを着用すべきかどうかを判断しましょう。マスクを着用するかしないかを決める際には、以下の点を考慮するとよいでしょう。

● 居住地域でCOVID-19の感染者や入院患者が増加している場合

● 居住地域の集団免疫のレベルが低い場合(ワクチン接種率が低いなど)

● 自身の全体的な健康状態を鑑みて

一般の人はどの種類のマスクを着用すべきですか?

WHOが一般の人に推奨しているマスクは3種類あります。 

● 使い捨ての医療用マスク*
● 安全性と有効性の基準に適合し、再使用前に洗浄できる非医療用マスク
● 上記の選択肢がない場合は、顔にフィットした非医療用マスク地域の政策に準じて)

 

医療用使い捨てマスクには、以下の規格認証のいずれかが表示されていることをご確認ください。ASTM F2100EN 14683YY 0469YY/T 0969GB 19083またはASTM F3502。好ましいマスクの種類については、Infection prevention and control in the context of coronavirus disease (COVID-19): A living guidelineをご参照ください。

 

日本語翻訳版:

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防と制御 暫定ガイドライン・随時更新(2023113日 改訂版キーポイント) 英語原本日本語版

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染予防と制御 暫定ガイドライン・随時更新(2022425日 改訂版キーポイント) 英語原本日本語版

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が疑われた、あるいは確定した場合の医療ケアにおける感染予防と制御 暫定ガイダンス 付録資料(2021101日 キーポイント) 英語原本日本語版

新型コロナウイルス感染症が疑われた場合の医療ケアにおける感染予防と制御(2020629日版) 英語原本日本語版

 

布マスクを購入する場合はどのようなものを選べばよいですか?自分で作る場合、どの程度顔にフィットさせ、どのような生地を選べばいいでしょうか?

ろ過性、通気性、フィット感のすべてが重要です。

医療用以外のマスクを購入する場合は、ASTM F3502規格またはCEN Working Agreement 17553に準拠しているかどうか、ラベルを確認してください。

マスクを自作する場合は、3枚の布を重ねたものを使用します。

  • 綿などの吸収体を使用した内層

  • ポリプロピレンなど非吸収性不織布の中間層

  • ポリエステルやポリエステル混紡などの非吸収性素材でできた表地

WHOが推奨する布マスクの素材と構成に関する詳細はこちらのビデオをご覧ください。

どのタイプも、鼻、頬、あごの3点を隙間なく覆い、自分の顔にフィットするものを選んでください。通気孔や呼気弁のあるマスクは、ろ過されていない息がマスクから漏れてしまうためお勧めできません。

医療用マスクの着脱はどのようにすればよいですか?

医療用マスクの着用方法

  • マスクに触れる前には、アルコール製消毒剤または石鹸と水で手をきれいに洗います。

  • マスクに破れや穴がないか点検しましょう。過去に着用したものや、破損しているマスクは使用しないでください。

  • どちらが上かを確認します。通常、ワイヤーがある方が上です。

  • 次に、マスクの内側(通常は白い面)を確認します。

  • マスクで鼻、口、顎を覆うようにして、顔とマスクの間に隙間ができないように装着しましょう。紐は頭や耳の後ろに回します。マスクの側面に隙間ができるため、紐を交差させないでください。

  • ワイヤーをつまみ、鼻の形に合わせて曲げてください。

  • 汚染を避けるために、使用中はマスクの前面に触れないでください。誤って触れてしまった場合は手をきれいに洗いましょう。

 

医療用マスクの外し方

  • マスクに触れる前に、アルコール製消毒剤または石鹸と水で手をきれいに洗います。

  • マスクの前面に触れないよう、頭や耳の後ろから紐を外してください。

  • マスクを外すときは、体を前に倒し、顔からマスクを離すようにしてください。

  • 医療用マスクの使用は一枚につき一回です。使用後はすぐに廃棄し、できれば密閉できるゴミ箱に入れてください。

  • マスクに触れたあとは手をきれいに洗いましょう。

  • マスクの状態に気をつけてください。汚れたり濡れたりしたら替えましょう。

布マスクはどのように着用し、洗浄すればよいでしょうか?

布マスクの着用方法

  • マスクに触れる前に、アルコール製消毒剤または水と石鹸で手をきれいにします。

  • マスクに破れや穴がないか確認し、破損したマスクは使用しないでください。

  • マスクで口、鼻、顎を覆うようにして、側面に隙間がないように調整しましょう。

  • 紐を頭や耳の後ろに掛けます。顔の側面に隙間ができるため、紐は交差させないでください。

  • 装着中はマスクに触れないようにしてください。触れた場合は手をきれいにします。

  • マスクが汚れた場合や濡れた時は交換してください。

 

布マスクの外し方と保管方法

  • マスクを外す前に、手をきれいに洗いましょう。

  • マスクの前面に触れないように、紐をもって耳からマスクを外してください。

  • 布マスクが汚れたり濡れたりしておらず再利用する予定であれば、ジッパー付きの清潔なプラスチック製の袋に入れましょう。再利用する際、袋から取り出すときはマスクの紐を持ってください。一日一回はマスクを洗いましょう。

  • マスクを外した後は手をきれいに洗いましょう。

 

布マスクの洗い方

  • 布マスクは、11回以上できればお湯(摂氏60度以上/華氏140度以上)で石鹸又は洗剤を使用して洗いましょう。

  • お湯でマスクを洗えない場合は、石鹸・洗剤と常温の水で洗ったあと、マスクを1分間煮沸します。

 

動画「布マスクの使い方」で実演していますので、そちらをご覧ください。

運動中にマスクはつけるべきですか?

COVID-19の感染が広がっている地域であっても、マスクは呼吸能力を下げる可能性があるので、きつい運動をしている間は外しましょう。激しい運動をしていようと、他の人から1メートルの距離を保ち、室内の場合は十分な換気が行われていることを確認してください。

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COVID-19の流行下で、医療従事者はいつレスピレータマスクを着用すべきですか?

医療従事者は、COVID-19疑い患者または確定患者がいる部屋に入る前に、ガウン、手袋、目の保護具などの個人防護具(PPE)とともにレスピレータマスクまたは医療用マスクを着用する必要があります。

● レスピレーターマスクや医療用マスクは、飲食時や特定の理由で交換する場合を除き、勤務中は常に装着している必要があります。 

● 医療従事者は、レスピレーターマスクや医療用マスクの着脱の前後および再調整のために触れる時は、手洗いを行う必要があります。 

● 医療従事者は、患者のケアをしていないときにも、同僚や医療施設内の他者と物理的に距離を保ち不必要な密接な接触を避ける必要があります。

 

次のような場合は、レスピレータマスクを着用する必要があります。

● エアロゾル発生手技(AGP)を行う医療従事者や、集中治療室、準集中治療室、救急部など、COVID-19が疑われる患者または確定された患者にAGPが定期的に行われる環境で勤務する医療従事者は、他のPPE(ガウン、手袋、眼保護)と共にレスピレータマスクを常に着用する必要があります。

● 換気が悪いことが分かっている、換気の状況を評価できない、あるいは換気システムが適切に維持されていない医療施設において。

● 医療従事者の価値観や選好から、あるいはSARS-CoV-2感染予防のために何が最も高い予防効果をもたらすかという認識に基づいた判断から、自身がレスピレータマスクを要すると考えた場合。

 

さらに詳しい資料は下記をご参照ください。

医療従事者の方はWHOの個人用保護具の着脱方法に関するコースをご覧ください。

コロナウイルス感染症(COVID-19)が疑われる患者、あるいは患者の健康管理における感染予防と管理についてのガイダンスをご覧ください。

医療用マスクとN95などのレスピレータマスクの違いは何ですか?

医療用マスク(サージカルマスクとも呼ばれる)は以下の要件を満たしています。

〇 3層の合成繊維不織布からなる
〇 ろ過層が中間に挟まれるように構成されている
〇 異なる厚みのものがある
〇 さまざまなレベルの耐液性・ろ過性を持つ

レスピレータマスク(フィルタリングフェイスピース呼吸器:FFP)には、FFP2FFP3N95N99N100など、さまざまな性能のものがあります。

医療用マスクとレスピレータマスクは、ろ過するという点で似ています。しかしレスピレータマスクは、十分な密閉性を確保するために着用者の形状やサイズに応じているため、顔にしっかりとフィットします。レスピレーターマスクは、エアロゾル発生手技が行われる場所や区域でCOVID-19患者にケアを提供する医療従事者を保護できるように設計されています。また、換気が悪いことが分かっている、換気の状況を評価できない、あるいは換気システムが適切に維持されていない環境で、COVID-19が疑われる患者または確定している患者を治療する医療従事者にも推奨されます。

医療従事者は、レスピレータマスクを使用する前にフィットテストを受けて、正しいサイズの呼吸器を装着していることを確認する必要があります。ちゃんとフィットしていないマスクを着用すると、側面などの隙間から小さな粒子がマスク内部に侵入する可能性があり、期待されるレベルの保護は望めません。

医療施設で、医療用マスクを使用すべきなのはどんな時ですか?

医療従事者がCOVID-19患者をケアする場合、レスピレーターマスクまたは医療用マスクを着用してください。

COVID-19が流行している状況でCOVID-19以外の患者のケアをするときや、物理的な距離を保つことができる場合でも、医療従事者や介護者に加えて訪問者も、常に顔にフィットした医療用マスクをすべての共有エリアにおいて着用する必要があります。 

医療従事者、介護者、訪問者は、医療用マスクや顔に触れる時、着脱の前後、再調整のために触れる時などに、手洗いを忘れないようにしましょう。

医療従事者は、患者のケアを行っていないときは、同僚や施設内の他の人と物理的に距離を置き、不必要な密接な接触を避ける必要があります。

入院患者は、基本的に医療用マスクを着用する必要はありません。マスクが必要となるのは、患者がマスクに耐えることができ、禁忌がないという条件下で、1メートル以上の距離を保てない場合(例:検査中やベッドサイドでの面会)、または患者がケアを受けるエリアの外にいる場合(例:搬送中)などです。